島根県から山口県にかけての日本海沿岸には平野が少なく、海岸をなぞるように走る国道の南側はすぐ山、という個所が多い。そして、その山の頂上に展望台が設けてある箇所も少なくない。いくつか見つけた海に近い展望所はGoogleMapにマークしてある。
この日まだ未訪問の「大麻山山頂展望台」に行ってみようと自宅を出て、ほぼ寄り道せずに日本海へ向かってみた。
最初の休憩で広島県と島根県の県境にある芸北高原大佐スキー場でバイクを停めた。1995年5月に上九一色村のオウム真理教の施設に警察の強制捜査が入り、松本智津夫(当時被告)が隠し部屋から発見されて連行されていく様子を雨宿りに立ち寄ったこのスキー場施設で延々見ていた覚えがある。もう30年近く前のことか。
峠を越えて島根県側へ入ると、下りのワインディングの途中に一瞬だけ麓の田園風景が見える山の切れ間がある。30年前の5月、田んぼに水の張られたこの風景をスケッチするために数日ここへ通っていた。
その時描いた小下図がこれ。木々が成長して手前側はかなり隠れてしまっている。
30年近く過ぎ、あの時ハッとした広がりのある風景にもう出会えないのも仕方がない。
島根県内の幹線道路を外れて初めて走る道、だと思ったらこの不気味なダムは見覚えがあった。この界隈、道の太い細いにかかわらず結構走りこんでるんだな。
大麻山山頂展望台へ向かう途中に棚田の展望所があった。畔は緑が濃く、稲は黄色くなって縞々模様が綺麗に見えるところだった。
肉眼だと遠くの発電所や海と段々畑の対比も楽しめた。
目的地の大麻山(たいまさん)山頂。鉄骨の展望台が設けてあるので山頂からさらにビル4階分ほど高いところから展望が楽しめる。
海からいきなり立ち上がるような599mの山頂。周囲の山の中では一番高いので視界は360度開けている。日本海を広く一望できるけれど、予想に反して度肝を抜かれるか、と言われるとそれほどでもない。
この手の海からいきなり登っていった山からの展望では、山口県の大浦岳森林公園からの景色が、角島大橋や複雑な海岸線が見下ろせて今のところ一番だ。瀬戸内海的発想なのかもしれない。
それでも、この横一文字の水平線を見るとわざわざ日本海側へ来た価値を感じる。さて、帰ろう。
帰りに1つだけ立ち寄ったジオキャッシュ。あやのすけさんのサインの下にサインをする。
樹間のトレイルを噛みしめるようにゆっくりと走る。
空と湖と芝生‥今度家族と麦茶を連れてきて何もしない時間を過ごしたい。
一時期廃線になった可部線が気になって、昔の沿線を辿ってみた時期があった。
この鉄橋の先は戸河内と筒賀を繋ぐトンネルなのだけれど‥もうすっかり森に飲まれてトンネルがあったこともわからなくなってしまっていた。
先週に続いてツーリング帰りのすぅちゃん。
適量適量。
僕は「すぅちゃん」と呼んでいるつもりだけれど、本当の屋号はどれなんだろう。
まさに、日本海へ「行って」、「帰った」という感じのルート。
こうしてみても山陽側から日本海側へ抜けられる道は本数が限られているので、吉和-匹見間の国道488号線がこれまでも、またこれからも通行止めというのは残念でならない。ちょっと日本海まで、というバリエーションが増えると良いのになぁ。
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