地底王国 美川ムーバレー

ムスメが「ここ行ってみたい!」と、美川ムーバレーの紹介記事を見つけてきた。自分は長男が幼い頃に行ったのが最後だと思うので、もう10年くらいご無沙汰している。

ムスメと妻と一緒に、夏の涼を求めて地底王国へ行ってみることにした。

一枚の古地図の発見からはじまった…鉱山(玖珂鉱山)の操業中に偶然発見された壁面に描かれた一枚の古地図、その古地図の通り掘り進めると不思議な地底空間が発見され、巨大な石像や動物の姿が刻み込まれた石柱、古代文字が描き記された壁画など数々の遺構が見つかった!そこで、「美川古代遺跡発掘調査隊」を結成、発掘作業は今も続けられている

美川ムーバレーホームページより

と公式に紹介されている。

玖珂鉱山は1992年に閉山。地底王国は1996年にオープンしたので、30年近く美川古代遺跡発掘調査隊の作業は続いているのだ。

現地で地底王国入り口に近づくとサーっと漂う冷気に包まれる。入り口付近が一番寒いそうなのだけれど、トンネル内から吹き続けているサラっとした冷気は気温15度、湿度0.1%。王国内は夏の装いだと涼しいを通り越して寒い世界だ。

鉱山だった坑道をそのまま使っているので、内装はディズニーランドなどのテーマパークのそれとは比べものにならない。とても重厚でリアリティがある。

床面は基本的にフラットだけれど、入洞して最初に20段くらいの階段があるので車椅子にとって地底王国はややバリアブルだ。立体的な空間を上がったり降りたり。一部には大きな空間がひらけているところも。

それにしても、ここは鍾乳洞じゃなくて鉱山なので、これを人がくり抜いていったのかと思うとその仕事量に頭が下がる。

照明の付近はよその世界から隔絶された植物のコロニーができている。

長い坂道をの先には

お決まりのように石球が置いてある。1981年に公開されたある映画以降に人類の鉄板ネタになったのかと思ったら、坂道&石球は年代もわからないような古代からあったようだ。

階段を使って深い坑道を降りていったり、

トロッコのレールが深くつながっている狭い坑道があったりする。

ここを掘り進めていった人の仕事に思いを馳せてしまう。

黒っぽい岩に白い岩の陥入があちらこちらに見られた。これがところどころ途切れていて断層の場所を教えてくれる。あちらこちらで細々ずれていたので山全体で考えたらかなりメコメコに山に力がかかって岩が動いているようだ。

王国はムー(太平洋南中央部にあったとされる大陸と文明)の名前を冠しているのに、内部では世界中のオーパーツのレプリカを見ることができる。

これなんかジョジョの世界観とのコラボしたスターウォーズのスピーダーバイクだな

古代の電池もオーパーツとなっているが、特許をとって人類史上で認められる以前に昔の文明にその手の機器が存在してもおかしくはないのではないだろうか。

昔の電池はペール缶くらいの大きさがある。

この空間の量の岩石を掘り抜いて外に運び出したのか‥ご苦労さまとしか言いようがない。

滝があったり池があったり、鍾乳洞的なムードもある。1時間ほど王国に滞在して出口を迎えた。

中に入る時にあれだけ涼しい!寒い!と思ったので、外に出るときのその反動が怖い。

でも、ほんの数分で外の環境に馴染んでしまった。人ってすごい。

砂金採り体験や天然石採り体験ができる。ムスメは「やってみたい!」と言うけれど、こういうのは「鉱山」つながりからここには関係のないものが後付けで用意されたものなので、リアリティがないからスルーする。

リアリティがないから‥そもそもムーはどうなんだ。

地底王国内のイベントは定期的に変わるので、何年か時間をおいて訪れてみるとそれなりに新鮮に楽しめる。

レストラン ムーで食事をした。ピラミッドカツカレー。

そういえばムーバレーという名前の割に、ムーに関するオーパーツがなかったような気がする。

備品からも伝わってくるものがある。地底王国ムーバレーは「古代の謎」「発掘」「発見」「謎解き」が、時代や地域を越えてゴッタ煮になったテーマパー‥古代遺構だ。

美川古代遺跡発掘調査隊の今後の成果に期待したい。

美川ムーバレーの少し先、人がほとんど来なさそうなところに、作り物っぽくない坑道がある。久しぶりに訪問してみた。

作り物っぽくない、といってもこのゲートは当時モノではなく、美川ムーバレーの一部としてこちらにもアトラクション施設を作ろうとして廃坑後に設置されたようだ。

ここに封鎖された坑道の入り口がある。中にはトロッコのレールと謎の箱が置かれている。

こちらの開発は完全に投げられているようで、朽ちるに任されていた。車で来るアプローチ路も細いので万人にはおすすめできない。

美川ムーバーレーの道をそのまま奥へ奥へ道なりに進んでいくと、獺祭の本社工場がある。

隈研吾設計の橋をみながら獺祭アイスを食べる。なんだかとても現実的な時間に戻された。

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