SuperCub ぷらり宮島

コロナ禍が落ち着いて、宮島にたくさんの外国の方が訪れるようになりました。宮島が閑散としていた頃に仕掛けた小さなコンテナのキャッシュを訪れていただく外国人も増え、皆さんから「Log full」とコメントが上がるようになってしまったので、ちょっと大きなコンテナに交換するために朝早くに宮島へ向かうことにしました。

普段特別理由がなければJRと松大汽船と2つある航路のうち、JRを選びます。もともとは本州側の宮島口港から宮島までの航路が「く」の字を描いて、大鳥居の前を通るルートだから、という理由で選んだのだと思います。それ以来習慣でJRを選んでいました。

今朝乗った便は船内アナウンスでも大鳥居の前を通るときの案内がなく、これまでと違って宮島へ最短コースとも言える直線的なルートで向かっていました。先日浅瀬で試運転中に座礁してしまった事故の影響でしょうか。桟橋の接舷もこれまでと90度向きが変わって、宮島へまっすぐ舳先を向ける方法に変わっていました。

土曜日の午前7時。1組の外国人カップルが抱き合ってるだけで、他に誰もいません。朝の早い時間は車両通行可なので、カブで乗り込んで好きなアングルで写真を撮り放題です。

桜の季節が終わったこの時期に宮島へ来るのはあまり覚えがありません。曇天の朝でも新緑がとても綺麗で、もともと丁寧に手入れされている大聖院も魅力が増さらに増しています。

この時期の晴れた日にまた訪れてみたい。

もみじの森。秋の早朝に来た時、それは見事だったけれど、新緑のもみじも厳かさとは違った爽やかな魅力があります。

もみじの森の入り口と藤棚。こちらの藤棚はなんだかひょろい?

向かいの茶屋の前の藤棚は下へ垂れるというよりは上へ上へモリモリと花を咲かせていました。ちょっと思っていた藤棚と違う。

雨足が迫ってきているけれど、まだ保ちそうだったので島の裏側の鷹ノ巣へ。この道、普通車じゃもう入れないな。

どうみても手間暇かけて作られた構造物が、壊されて遺棄されたものが転がっています。

一般の観光客が来られる場所ではないので綺麗に整備はされていませんが、木々に埋もれてしまわないように手入れはされていて状態としては悪くはない遺構、鷹ノ巣高砲台跡です。詳細については以前訪れた際こちらで紹介しています

とは言ってもここの施設はとても広いので、ややジャングル化しているところも。

妙に綺麗に仕立てるよりも、建造されて100年少々経ったここの時間を感じる場所として、こういう風合いで居るのが正解だと考えます。

ただ、木々が生い茂ることで塹壕のような通路や少し離れたところにある観測所などがわかりにくく、施設の全容がつかめないのは残念です。

砲台からは海が見えないので、高台の監視所から船舶の航行の観測を行って砲台に指示を出す、という構造になっています。長い長い階段を登って観測所へ。

地上に観測所、地下に司令所。

1900年に竣工して1926年まで運用されたこの施設は、運用が終わってからざっくりと100年経つことになります。他の場所にある全く手入れのされていない砲台施設は完全に森に埋もれてしまっていますが、ここは本当に丁寧に手入れされていると思う。

主要な構造物を一巡りして鷹ノ巣高砲台を後にしました。雨降りそう。

宮島包ヶ浦自然公園は2024年3月をもって閉園となったそうです。先月のことか。

最盛期で年間16万人の利用があり、今でもキャンプ場やケビンの利用者は居たけれど、全体的には昭和臭の漂う広々として閑散とした雰囲気のところでした。

今、跡地利用で1泊10万円の宿泊施設をつくるとかつくらないとかでモメています。世界に大きくアピールできるコンテンツを抱えた島を滞在型に発展させることで今以上に収益を増やそうとする廿日市市。これに繁華街側の旅館経営者は当然反対している。開発、がどのように行われて、島がどのように変わってしまうのかが気になる地元の方々。

「宮島の包ヶ浦は、“昔から何をやっても駄目だ”。伝説がある」
「あそこはビオトープにしていただきたい」

「地方における今後の宿泊施設のありかた」と題した地元での勉強会で聞かれた声の一部だけれど、いずれもとても分かる。包ヶ浦ってちょっと「離れ」みたいな雰囲気があって、地勢学的に人を集めようと思ってもダメなように思う。無理やりあの寸詰まり感から抜け出すならば、広島側に向いているのを利用して、広島駅前から水上タクシーで包ヶ浦まで繋ぐ太いパイプを設けて島への入り口として利用するというのが良いのではないだろうか。

とか地元民じゃない人が勝手なこと言うから怒られちゃうんですよね。

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