Ender-3 S1 Pro 3Dプリンター

突然だけれど、3Dプリンタを購入しました。本当に唐突に購入しました。

モトジムカーナライフが余暇の大半を占めていた頃は、暇があったらバイクをつついていたし、ついでに競技用でもないバイクにも手間暇かけて整備調整するために、時間があればガレージにこもっていました。ところが最近暇があったらマンガを読んだり古い映画を見たり、なんだか時間の消費浪費ばかりが増えてきて、何とかしなくちゃと思っていたのがきっかけです。

3Dプリンタを購入したら、アイディアを形にするために3Dデータを作成するためのアプリの勉強もはじまることになります。僕はSketchUpなら思い通りの立体造形がほぼほぼできるし、3Dプリンタに対応した出力ができることも分かっていたので、最悪でもプリンタがただの出力機はならずイマジネーションの表現ツールになるとは思っていました。でもSketchUpは角を丸める処理などで今ひとつ使い勝手が悪い。そこで細かな造形のできるCADのソフトを探してみたらAutodeskが学生・教員は1年更新で無償利用できるアプリを提供していることが分かったので、Autodesk Fusionについての勉強も始めてみることにしました。

今時、エントリーモデルなら2万円台くらいで購入できます。今回購入した3DプリンターはCreality社のEnder-3 S1 Pro 3Dというモデル。このモデルはノズルの温度を300℃まであげられるので、使える素材の幅が広いモデルとのこと。
プリンターは半完成状態で送られてくるので、ガントリーをボードに取り付けたりプリンタヘッドを組付けたりするところから作業が始まります。

これが成形材料のフィラメントを溶かして射出するヘッド。こいつも重要部品だけれど、3DプリンタはXYZ軸に動く仕組みとその制御も超重要です。

横倒しにしてよいものか分からないので、裏側のねじ止めはムスメの出番。

初期設定として、底面のプレートとヘッドの吹き出し口の隙間を0.08㎜~0.1㎜に調整する必要があります。0.1mmといったら普通のコピー紙1枚くらいなので、バイクのバルブ調整に使うシックネスゲージの要領で「プレートと吹き出し口の間に紙を挟んで引っ張ると適度な抵抗がありながら抜けてくる程度」になるよう、台座の下の回転ハンドルを回して調整してみました。

ナイスアイディアだと思ったら、マニュアルを1ページめくったところに同様のことをしろと書いてありました。

付属していたSDカードにサンプルデータが4つ入っていたので、さっそく印刷してみます。

1時間かけて、兎が現れました。

ここから先、何せ初めてのことなのでオンライン上のデータから3D印刷に至るまでの道のりが長かったので、何にひっかかったのかを含めて振り返ります。

フリーのサンプルデータで印刷してみようと拡張子が「.stl」のデータをダウンて、SDカード経由で本体に読み込ませようとしたら、本体の液晶画面のリストに印刷したいデータが表示されません。はて?

どうも兎はあらかじめ印刷が可能な形式に変換されていたようです。その拡張子は「.gcode」。

ここからしばらくハマりました。

3Dソフトで作成した立体のデータがそのまま印刷できるのかと思っていたら、出力した立体データを「スライサー」アプリで.gcodeに変換する必要があるのです。付属のSDカードにスライサーアプリが入っているのですがMacOS用は入っていなかったので、CrealityのサイトからMacOS版のスライサーアプリをダウンロード
→ これがなぜか起動しない。

それならWindows機でなんとかしようとガレージのWindowsPCへ
→ 32ビットPCはサポートされていない様子。

それならオンラインで変換できるサイトはないか
→ あったけれど、いつまで待っても変換が終わらない。

Crealityからダウンロードした、Mac用のスライサーではない「Creality-Print」というアプリをいろいろいじってみる。このアプリではモデルをある程度整形した上で.gcode出力できるようになっていました。これでとりあえずダウンロードしてきた.stlファイルを.gcodeに変換して印刷。

出力完了。

出力に2時間かかりました。3Dプリンタの常識が分からないので、これが早いのか遅いのかわかりません。

ペットボトルのキャップを使う小物ケース。もちろんジオキャッシング用に使います。こういうものが好きな時に好きな数だけ出力できるのはいいですね。

3Dプリンタならではの一発整形のすごいやつが見てみたいなと思っていたら、チェーンメイルプレートの構造を一発で出力できるデータがありました。調子に乗って刷り始めたのは良いですが、出力に28時間もかかってしまいました。ラフト(台紙っぽい板状の部分)の出力だけで2時間かかっています。

しかもラフトから出力し終わったものを綺麗に剥がせませんでした。

それでもジャラジャラと自由に動く構造物が出力できたのは驚き。こういう複雑なチェーン構造のものを一発で出力できることが分かった分だけでも勉強になりました。面白い。

ブーメランを出力。出力のスピードやらノズルの温度やら、稼働中でも設定できることが分かったので、これで1時間くらい。

ボルトの長さと太さを調べるツール。出力に5時間くらい。

こういう精度もそれほど必要のない箱状のものを作るのにラフトはいらないだろうと調べていたら、他メーカーの「Ultimaker Cura」というフリーのアプリが結構細かくスライスの設定を触れることが分かったので、そちらを使ってみたところ、ラフトの高さを0にすることができました。

そんなこんなで、購入して3日間、ほぼ稼働しっぱなし。将来今よりもロボットが身近になる時代のロボットとの付き合い方をシミュレートした感じがします。休みもせず、よく働く。

これから図面作ってバイクのパーツを作ったりするのが楽しみです。

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