似島サイクリング

大人と子供の狭間にいるような、なんというかつかみどころのない自我を発散する生き物みたいな時期をゆるゆると脱して、最近お互いに話が通るようになってきたムスコが昼前に起きてきました。

SNSなど眺めて何も積み上がらない時間を過ごすにはちょっと勿体無いような好天だったので、「自転車持って島へ行ってみるか」と声をかけると「行く」というのでバタバタとハイエースに自転車を積んで出発しました。

本当はしまなみ海道へ行きたかったのだけれど、さすがに昼前出発では遅すぎます。それと最近購入した自転車がどんなものかまだ様子も掴めていないので、今日はとりあえず宇品港から20分ほどの似島へ渡ってみることにしました。

安芸小富士は広島市街側からだと綺麗な二等辺三角形に見える似島の最高峰(278m)です。広島湾のどこからでも眺めることができるこの島で新しい自転車に乗って初めてのサイクリングというのは、島を見る度に思い出せる良い思い出になるんじゃないだろうか。

その最近購入した自転車、ビアンキのROMA I。クロスバイクにしてはなかなかやる気のある1台。

1周10kmほどの似島の、時計でいうところの9時の針の指すあたりへ入港して、北側へ時計回りに漕ぎ出しました。港を囲む繁華街や家並みは自転車で走れば1分もかからないうち通り過ぎてしまいます。

島の北側には普通車だと車体を擦らずに走るのが難しいような道幅で急角度に曲がるコンクリートの道が続いています。

概ねこんな様子。コンパクトカークラスならなんとか、という感じ。

島の外形に逆らわずクネクネと、緩やかにアップダウンしながら道が続く。

似島のすぐ対岸は広島市街だというのに、海の水がとても綺麗なのにいつも驚かされます。

水の底の砂浜が綺麗だから、というのも清らかな様子に磨きをかけているのでしょう。

島の周回路は時計でいうところの1時か2時のあたりからはアスファルトの舗装道路になって車の離合も難しくない道幅になるけれど、まるっきりサイクリングロードのようで、車が走っていません。

途中で自転車を交換してみました。ムスコのROMA Iはフレームサイズが大きめで、僕が乗るにはシートポストをほとんど最下部まで下げる必要があります。そうなるとハンドル位置も高く、妙にアップライトで乗車した感じはママチャリのよう。

ムスコが僕のBD-1に乗ると、ポストが高すぎて自転車そのものは正直かっこよくない。ポストに書かれている0から20までの目盛りのうち、僕は16、ムスコは「2」だそうで。

のんびり走っても1時間足らずで島を一周しました。

以前何かで似島とバウムクーヘンの話を聞いたことが‥と思っていたら、第一次世界大戦中、ドイツ人捕虜として似島検疫所へ移送された菓子職人のカール・ユーハイムが日本で初めてバウムクーヘンを焼いた、ということをムスコが学校で習っていました。

ということで、バウムクーヘンのお店が港の前にできていました。

無人の現金手動預け払いシステム。ペイペイでも支払い可。棚の下段にはネコハウス。

次の船まで少し時間があったので、路地裏探検。スーパーカブでもギリギリな路地が建物の間を縫っています。古くからある港町は地形に逆らわず家を並べて集落が広がって行った結果、路地にまっすぐな道はほとんどなく、それで先が見通せないので角を曲がるまで運命のわからない迷路になっています。

せっかく空も青くて空気も綺麗なので、高台へ登れば見晴らしが良いかと、神社の階段を登ってみました。

遠近感まるで無視の、錯視のような複雑な構造の階段だな。

竈神社。広島市南区の黄金山の北側にある邇保姫神社の摂社だそうです。

見晴らし良いかというと、やや微妙。高さの割には海から遠いので、視界の大半は、屋根。

それよりも気になるのは青空に映える、紅くなった杉‥バレンタインデーの季節には鼻がムズムズするのが常だったけれど、今年はちょっと遅いのかな?

港に戻るとムスコはネコと友達になっていた。

似島に居た時間、1時間半。あっちゅーまの出来事でした。

似島から宇品への直行ではなく島の反対側の似島学園桟橋へ寄る便は島を回り込みながら180度向きを変えるので、足元の船もゆっくりと甲板を航行していきました。

土産の似島バウムクーヘン、取り出してみると‥ち、小さい。それでいて、妻の予想価格の1.5倍の価格。歴史を買ったと思って納得することにするよ。

本当にフラっとサクっと訪れた似島でした。

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