CRF250L 新見へ行こう

岡山県の新見にある程度ジオキャッシュがまとめて置かれているのを知ったので、子どもたちを田舎に届けるお務めのついでに足を伸ばしてみることにした。

最悪新見までたどり着けなくても良いや、くらいの楽な気持ちで走ってみると、気持ちは幹線道路からどんどん外れていく。急ぐ旅でもないしこの方が移動を楽しめる。

「バイクは晴れの日に走るもの」という刷り込みが転じて、いつの間にか「晴れの日はバイクに乗るもの」という思い込みが僕の心の主軸になってしまった。

とはいうものの、夏の晴れた日の気温は平熱が35度台の僕の体温を簡単に超えてくる。「バイクは楽しむもの」という刷り込みは転じると「楽しめなければバイクじゃない」になる。今年の夏からはもう暑くて楽しめない日中には走るのはやめよう、と考えていた。それなのに今年は例年以上に夏の晴れた日中に外を走り回っているように思う。
どうも走り回ることで暑さに慣れてしまったようだ。日中でも「もう耐えられない!」と思うような暑さに感じない。暑いのは暑いけれど、景色を眺めたり道を流したりする面白みの方が優っているので、十分に楽しい。

木々に覆われた道は肉眼でみると強烈な木漏れ日と影のコントラスト。夏の楽しみのひとつ。まだら模様の坂道をひたすら駆けるのはとても気分爽快だ。

道後山の登山口まで登ってみた。以前来た時よりも緑が濃く草ボーボーに感じるのは、前回は9月に訪れていて、もうススキの原に変わり始める時期だったからだ。

夏の山の色は近景から遠景になるにしたがってだんだん黄色味(緑味)の膜を取り払っていくように色が抜けて、淡い青色の重なりがやがて空との境界になる。この手の景色は四国の山間部の、視界の幅よりも横長く広がる山なみの重なりがとても良い。

一旦山を降りて走っていると、広島県と鳥取県の県境をまたいだ。

地図を見ると広島県の北東部と鳥取県の南西部は直線距離で12kmほど接している。道後山あたりの稜線が県境になっているのだ。この県境を越える道は国道の峠道1本と県道の国見山トンネルが1本。今回は国道を走ったが、トンネルの方は鳥取県側へ抜けると遠く大山まで見渡せる景色が広がる良い道である。

お昼時。バイクを停車するときは日向に停める気にならない。

普段水冷服は水に濡らした状態でジップロックして持ち歩いている。今回は干してカラカラの水冷服をジップロックしていたので、路傍の公園で補水した。

長袖の冷感インナーの上に水冷服を着用しているが、このとき肩から腕にかけても水をかけておくと、真夏でも結構な涼しさを感じながら駆けることができる。そういえば今年は水冷服の登場回数が確かに多い。それだけ日中走っているということだ。

樹間にチラリと露天掘りの山肌が見えたので、見渡せるところはないかと細い道へ入ってみた。川沿いを走っていても切り立った石灰岩の崖が続いていたが、どうやらこのあたり一帯が石灰岩でできているようだ。衛星写真をみてみるとあちらこちらで大小様々な石灰岩の採掘現場が山を掘り込んでいる様子が伺える。

向かっている新見の周囲には鍾乳洞も多い。一点を見ていると気が付かないことがあるが、こうしてバイクで広範を移動していると地域の特色が見えてきてとても面白い。

CRFにはCRFの道。

新見に到着する手前からジオキャッシングモードに切り替え。ジオキャッシュはひとつひとつだと小さな目標だけれど、繋いでいくことで街の見どころだけでなく街の大きさや生活が見えてくる。でも、今日はただただ暑い。木陰のが気持ち良いかというと、木陰では虫に襲われてしまう。

こうして写真で見つけたコンテナを振り返ると暑苦しかった思いは失せて、キャッシュが見つかって楽しそうな雰囲気だけが味わえて良いな。今回見つけられなかったものも3つ。

夏には夏の楽しみ。ガリガリ君で頭がキンキンした日のことを忘れないようにしよう。

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