SuperCub 隠岐の島々ツーリング(2/3日目)

2日目。朝焼けの時間に東の海が見られるように出発しましたが、あんまり焼けませんでした。

前日に隠岐白島海岸が不発だったので、再訪しました。

やや霞んではいるものの、地質の特徴を掴むくらいには見えていました。

というか、展望台から見える海と雲がすごいことになっています。

日の出直後は変化が早く、みるみる様子が変わっていきます。

山越えして西側へ出ると、青空が!昨日の風景と全然違う景色が広がっています。

ウェット路面よりマシか、と思っていた昨日とは明らかに違う気分。ウキウキする。

前日は大通りを走っただけだったので、漁村を細々巡りながら適当な海岸で朝ラー。

海面ギリギリに見え隠れしている岩が時折頭を覗かせたときにチャプンチャプンと丸い波紋が広がるのを繰り返しています。日本海とは思えない穏やかな海です。

普段人が通らないような道に入ると、普段見られないような景色があります。

今回のツーリングの目玉、島前の知夫里島へのチケット。島後島から一番遠い2時間ちょいの船旅になるので、それならもっと近い島から攻めれば‥と思いますが、4島の中で一番小さな知夫里島は上陸も脱出も船が限られているので、朝一番の便で乗り込むのが吉。

僕よりも1日早く隠岐の島々入りした広島の彼とは、再び港で一緒になりました。このまま本土へ戻るそうです。

荷札は島ごとに色が違います。さようなら島後。

フェリーを追い抜いていった旅客高速船。船体が完全に浮いてます。

途中寄港した西ノ島は港の海が爽やかサイダー色。

この島も水木しげるの残り香が。

船内の地図から。島前の3島は左上が西ノ島、右が中ノ島。下が知夫里島。なんとなく丸いかたまりになっているのはこの3島がもともとカルデラの外輪山で、西ノ島の緑色になっているところが焼火山(たくひやま)というこのカルデラの中央火口があった山といわれています。今回隠岐の島々を巡るのに、もともとは島後島の隠岐の島町が一番の目的だったのに、いつの間にか僕の訪島の目的はこのカルデラのスケールを感じに行くことになっていました。特に、隠岐の島について何にも知識がなかったころはスルーしようとさえ思っていた知夫里島が今回の一番の目的になりました。

船から見る焼火山あたり(どれがそれだかわからない)。緑に覆われて一見すると火山っぽさはありませんが、露出している岩肌を見ると堆積でできた岩ではなく火成岩のそれです。

カルデラの内側は島々がつくる天然の防波堤で穏やかですが、この船は島後と島前、本土を結ぶ船なのでバイクの固定には万全を期しています。

知夫里島上陸。無茶苦茶楽しみ。

港のターミナル舎の屋根に載っかるようにループ橋が架かっています。面白い。

島内の牛が放牧されている道の所々に鉄製のスリットが設けてあります。カブのタイヤ、ある角度を超えて突っ込むとハマるな。

一般道と放牧されている牛がこんな状態ですから、路面はうんこだらけ。なるほど、これは踏まずに走るのは難しい‥乾燥うんこはまだ仕方がないけれど、生うんこは避けなくては。

広角なのでちょっと掴みにくいですが‥カブのいる知夫里島と、写真左側の島は外輪山同士で、右手の山が焼火山。というわけで外輪山と中央火山の間の海は噴火で中央火山を残して窪んでしまったカルデラ。

知夫里島は牛の数と住人の数がほぼ同じ600頭、600人ほど。

赤ハゲ山という草地の山がこの島の最高峰です。山頂の展望台には年季の入った望遠鏡が置いてあります。これ、左右には動くけれど上下には動きません。

ちょうど今日(土曜日)に隠岐の島入りするあやのすけさんの乗った船が望遠鏡で追える位置に現れたので、携帯のカメラを当てて撮ってみました。後部の屋根下にいらっしゃったそうですが、見えますね。甲板でピースでもしてくれていれば写真の解像度が高いので判別できそうです。

少し雲が出てきてとても綺麗な草原の山も寂しい感じ。

メインの観光地最優先で次、赤壁。

赤壁‥牛が写っていますが、すごい迫力‥。

ここに火口があって、噴出したマグマが高温で空気中を飛び散る間に急速に酸化して赤くなって堆積したものが、褶曲して、断裂して、そこにマグマが陥入して冷めて流紋岩になって現在の風景を作った、ってもう恐ろしくパワーと年月をかけてできたその結果が圧倒的で、もう言葉にならない。結果だけ見せてもらってスミマセンという気分。

同じ位置から左側を見るとこちらも立派な崖。この崖は黒い玄武館の塊ですが、赤い色の層が陥入しています。って、酸化したスコリアが陥入するの?もうどうやってできたのかわからない。

ここは牛が入らないように人しか通れない柵があるのに、気がついたら柵外の牛が中に入っていました。

いわゆる観光名所となっているところは抑えたので、ここからは島内探索モードへ。赤ハゲやらこれやら、何か僕に言いたいことあるん?

人口の少ないこの島は基本的に海岸線のほとんどが自然のままで、海と森と断崖が作るシンプルな風景が絶景をつくっていて、やられまくり。クラクラする。人工物も何気にオサレ。

いもぐら。江戸中期にさつまいもが島に入ってきて、それを保存するのに流紋岩の岩山をくり抜いて貯蔵庫を作ったものを最近まで使っていたそうです。島特有の文化です。

晴れてきたので、また赤ハゲ山に上ってみました。

お昼に寂しいなって思っていた景色も少しは華やかになったかな。

走っても走ってもワインディング。遠くには日本海の水平線。過分にモノがなくても十分心を打つものがあります。

ここまで飲まず食わずで走り通しだったので、ちょっと休憩。この2日間ほとんど食べずにいたのでくたびれちゃった。

湧水を補充しました。内陸の阿蘇で真水の湧水があるのはわかるのですが、同じカルデラでも海に囲まれた島で湧水?って思いますよね。阿蘇と同じように水を通しやすい地表に雨水が降り注いで地下に染み込んでいる海水と混ざるわけですが、海水の方が比重が重いので、地下では真水が上層に溜まることで真水の湧水が湧くのだそうです。何ヶ所かで飲んでみたところ、とても丸い味の水でしたよ。

楽しかった知夫里島、いよいよ離島です。これから乗船する西ノ島からやってきたフェリーにあやのすけさんが乗っていました。

僕が乗船するまでの1分ほどの間に情報交換。あやのすけさんは知夫里島に泊まるとのこと。この時間では、もうこの島から脱出できる便がないのです。

西ノ島上陸。

元々ここにしようと思っていたキャンプ場は入江になっていて、ハイシーズンは素潜りで魚を突いたりシーカヤックで遊んだり、色々楽しめる場所のようです。

もうクタクタなのでテント張ってシャワー浴びたら寝よう、と思っていたのに、港の自販機で買ったリポDを飲んでみたらなんか元気が出てきました。

この島のハイライト、摩天崖は島の西岸にあります。日の入りを楽しむのに最高のロケーションに期待して、荷物を下ろして軽くなったカブで行ってみることに。

おおおおう、なんだここ。

これまたシンプルな、すごい風景。

ここだけでなくこの辺り一体がシンプルで説得力のある風景のようです。

戦争時代の遺構も。半地下の監視壕跡。

ほとんど垂直の250mを越える崖の上です。崖の様子は上からだとどうなっているのかわかりませんが、海面を見るとその高さに驚きます。

崖の上の草原は、海面のごちゃごちゃしたあたりまでつながっていて、散策路として整備されています。

こちらはそのごちゃごちゃした隠岐国賀海岸。「どうしてこうなった!?」というのが第一印象です。

巨大な洞門も。通天橋。

さて、どうして洞門ができるのかについては想像に難くありません。岩石が波に侵食されるからです。岩の間に入った海水が凍結して膨張して岩を破砕する‥を繰り返すということですから、今でもここは変化し続けています。

では昨日からいくつも見ている、海の中に生えた柱がどうしてできたのか‥というと、洞門の侵食が進んで橋の部分が崩れ落ちることで柱だけが残ります。この柱や棒のような岩は、もともとは洞門であったものの成れの果て。ここも途中をすっ飛ばして結果だけ見せてもらって本当にゴメンナサイと言いたくなるところです。

キャンプ場に戻るとライダーが焚き火を熱源に料理をしていました。この方も昨晩に続いて広島から来られた方。G7W、みんな考えることは一緒なのね。

最初の2島を走った軌跡。上の画像をクリックするとReliveに飛びます。

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