いつもピカピカ、MAVさんのJC92GROM。
朝6時半に積み込んで、僕のリクエストで舞鶴・天橋立・伊根の舟屋方面へ向かいます。自走で、と考えていましたが「行って帰るだけで、1日のツーリングが終わる」と言われて大阪からの距離を見てみると片道150km。無駄に消耗することもないし、せっかくハイエースがあるんだから、とトランポツーリングになりました。
不慣れな地域なのでこの辺りの道路事情はよくわかっていません。中国道から舞鶴若狭道を使って北上していくルートがあるんですね。途中経由する丹波は黒豆の産地ということで、黒豆パン。
田舎はいいな、駐禁じゃない道路だらけ。最終目的地は伊根の舟屋なのですが、実はこの地域、moramoraさんの設置したキャッシュが展開している土地で、どうしても訪問してみたいところがあるのでMAVさんにも同行してもらうことになりました。「どこかへ行くツーリング」じゃなくて「何かをするツーリング」に付き合ってもらう1日になりそうな予感。
最初に訪問したのは、昔ながらのドライブイン風なダルマ。
平成が始まる以前から動いていたんじゃないかという筐体が!よく考えたら投入する硬貨とか、昭和の時代から変わっていませんものね。本体の仕様変更も不要ですね。
コインを入れて27秒でできるファーストフード。販売機の古さよりも、壁に埋め込みなのにその間隔がいい加減なのが気になる!自販機うどんマニアのキョウちんからは、この写真で「舞鶴へ向かうんですか?!」とリプライが返ってきました。どんだけマニアなんだ。
昭和時代のビデオゲームが並んでいました。元祖スペースインベーダーに100円投入しました。僕もやりましたが癖って怖い、体が勝手に名古屋撃ちを始めてしまう‥。
他に客のないなか、一人でインベーダーゲームに興じるの、シュールだな。
うわ、と思わず変な声が出た。瑠璃寺の樹齢300年を超える吉田の枝垂れ桜。
地形とうまいこと調和している。上からも下からも、いろんな楽しみ方で桜を愛でることができます。時期を狙ってきたわけじゃなくてセローの納車のついでのツーリングだったので、ちょうど盛りで見頃な桜には本当に驚いたし感服しました。
悪路を超えて山の天辺のキャッシュへ。「日本遺産鎮守府」とあります。横須賀・舞鶴・呉・佐世保をひっくるめて、砲台跡など戦争の遺構を日本遺産にしているようで、呉でもお馴染み。ついついこれに気を取られて、砲台跡にやってきたと思い込んで階段を登ったら‥
唐突に目に飛び込んでくる開放的な風景と急角度で眼下に広がる鋸の刃のようなビーチ!ここもすごいな、度肝を抜かれるとはまさにコレ。
山頂部分はパラグライダーの出発点になっているので、目の前に何もない広い風景になっているのです。
広島で見慣れてしまっているのでこちらに驚きはしません。むしろ冷静に広島仕様との違いを観察してしまいます。ここはコンクリートとレンガだけでなく、石が埋め込みで使われている量が広島より多いです。アーチの形状もどういう理由かかちょっと潰れてる。
少し奥に三連アーチがありました。広島のはみんなこんな形状。
つい写真を撮ってしまいたくなるダイナミックさなんだけれど、伝わらないな。
この山の道はおそらく年中落ち葉が積もってぬるぬるしているのだと思います。昨日まで雨だったせいもあって、ピカピカだったGROMも洗車し甲斐のある姿に‥。
別のキャッシュへ。今回僕が一番立ち寄りたかったキャッシュ。
もともとトラックが通れる軍道だったと思われる道も、山側の土が削れて木が道を塞ぐような形で倒れてしまっています。倒れている本数が半端なくて非常に歩きづらい。
道が崩落して残りが幅10cmほどのところも。ないよりマシだけど、足をかけると崩れて難易度がさらに上がってしまう。
ここへくる道の感じだと人が頻繁に手入れをしにくるような様子もないのですが、下草が伸びていないのは冬が終わったせい?そんな道を歩いて15分ほど、施設の入り口を示す門柱のようなものが見えてきました。
調理用の窯かトイレか。
井戸。
MAVさん、一度宮島の砲台跡をご案内しているのでこういうのもお馴染みかな?
ここ、木で覆われてよくわからなくなっていますが、よーくみると奥にもアーチが続いています。広島でいうところの鶴原砲台と同じ六連のアーチ。鶴原は入り口に蓋がなくてただの倉庫のようでしたが、ここは窓と入り口のある蓋がしてあります。
内部はびっくりするくらい綺麗です。
鶴原砲台と同じく、奥にそれぞれの空間を繋ぐ通路があります。
壁にここの住人。
興味津々。
左が小便用、右が大便用のトイレ。
何に使ったのかわからない升。コンクリートに見えますが、石を削って作っています。
右手に円形の砲床跡。ここは山そのものを海上からの掩蔽として使う地形ではありません。先に見たパラグライダー発着場の砲台と同じく割と山頂に近いところに砲床が作られています。どちらにしても直線的な弾道で船を狙うわけではなく、上方へ発車して放物線を描く弾道で海上の船を狙うタイプ。
一番奥まで見ていませんが、三床は確認しました。
高台には観測所。
砲台施設の作りそのものは広島や下関と同じです。
レギュラーサイズのキャッシュ発見。大人の社会見学、最高。
次。由良川の河口を真横に塞ぐ線。カメラマンが狙っているのでそろそろ汽車が通るんじゃない?とか話していましたが、ツーリングもまだ序盤なので先を急ぐことに。
今回由良川流域をうろうろしましたが、氾濫しやすいのか、この峠を超えたら由良川というほとんどの箇所に「由良川氾濫時は通れません」といった看板が乱立していました。
橋桁の隙間に日本海の水平線。あー、すげーいーな。
線路下でキャッシュを拾っていると、ほんの数m頭上を1両の汽車がものすごい音で通過していきました。可愛い車両なのに、重量のある物が蹴立てるすごい迫力!後ろ向きにカメラを向けている人がいたので、線路下から手を振っておきました。
崖下にある、というキャッシュ。
プチアドベンチャーでジオキャッシングらしいジオキャッシュが見つかりました。
海沿いにある天橋立市場食堂街、閉店の看板が出ていましたがMAVさんが顔を利かせて中へ入れてもらえました。お店で海鮮丼を頼むと寿司も提供するこのお店、酢飯の上に刺身を載せてガリまでついた握ってないだけの寿司みたいな料理が出てきました。サザエの壺焼きまでついて良心的なお値段です。
ここで、ここまでのキャッシュの仕掛人のmoramoraさんから「今舞鶴にいるんですよ」と連絡が。全国行脚されている(と思われる)moramoraさんとものすごいニアミス!でも向かう向きが違う‥周辺のオススメキャッシュをご案内頂きました。
原付は天橋立を渡れる‥それを知って以来ずっと訪れたかった場所。実は要塞の山を下りたあたりからバイクを交換してここまできたのですが、「カブ、延々乗り続けられる」とMAVさんが返してくれません。まさか人のバイクで天橋立を渡ることになるとは思いもよりませんでした。
すごい遊びだな。
天橋立と安芸の宮島、日本三景のうちのふたつが写ってる。
不思議なことに、その地形からは考えにくいのですが天橋立には井戸があるんですね。
天橋立から北上すること20分、やっと伊根にやってきました。広島からだとなかなかここへ来る機会はありません。今回を逃すと次はいつになるか分からない。でもカブで来るとは思わなかった‥。
旅の終わりは赤い灯台。タバコ吸いならここでスパーっといくところでしょうが、そういうロマンが失せて久しいな。
92GROMに初めて乗りました。いろいろ変わっているので語ったところで、という感じですが、とりあえず黄色いGROMは良い。
舞鶴あたりまで戻ってきて、ダメ押しで近畿百景第1位と謳われる五老岳へ。舞鶴湾が一望できるところです。遠景はぼけていますが、今日遊んだエリアが一望できるってトコ。
ハイエースまで無事に戻って来て、本日のツーリングのようなもの終了。遅くなったので大阪方面へMAVさんをお送りしようと思いましたが、ここから自走で帰りますから、と気を遣っていただきました。日が陰ってきて決して良い環境とは言えないなか、後でご連絡いただいた感じだと良いペースで戻られたようです。1日、というか3日間お付き合いありがとうございました!
実は翌火曜日までお休みをとっていて、もともとの予定では火曜日の朝一番で徳島の大塚国際美術館を巡って、しまなみ海道経由で桜を楽しんでから帰広しようと思っていました。ところが、昔から敬愛するイラストレーターの高荷義之さんの広島展が火曜日までだということをすっかり忘れていて、火曜日は広島に早めに戻ることにしました。いくつかキャッシュに寄りながら、岡山でこの日の移動は終了。この日訪れたいところはしっかりと訪問しつくして充実した1日でした。
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