抑止力

社会的によろしくないことをしないように自分を戒める気持ちには2つの種類があります。
一つは「見つかったら罰せられる」という思いと、もうひとつは「そんなことをしたら自分や他の人に迷惑がかかる」という思いです

「見つかったら罰せられる」という思いに期待してルールや制度をつくっても、「見つからなければ良いや」という思いが潜在する限り根本的な解決にはなりませんし、どこかに不安を抱えた集団になってしまいます。
「そんなことをしたら自分や他の人に迷惑がかる」という思いの集団が出来上がれば、ルールや制度は要らないのです。

生徒が掃除をサボのを防ぐために清掃後にサインをする台帳をつくりましたが、「見つかったら罰せられる」タイプの抑止方法なのであんまり良いものとはいえません。「見つかったら罰せられる」タイプの抑止方法はどちらかというと後手というか受動的というか対処療法的というか、その場での対応に過ぎないのです。「自分や他の人に迷惑がかかる」タイプの抑止力はもっと長い時間をかけて成長過程の中で陶冶しなくてはならない、根の深ーい自制力だといえます。はぁ。

2 Comments

アロハ

「自分にとってメリットがある」というモチベーションアップをクラスの掃除に当てはめるのには、5S活動の成果が自分に現れるという経験が無いと難しいでしょうね。それこそ学生時代にそれを感じさせることが大切だと思うので、強制力を持った指導の方が適切だと考えますが。いうなれば、「毎日掃除を見張って、出てない生徒がいれば、翌日こっぴどく叱った後、全体責任とか言って全員で朝から掃除をさせる」ということを徹底する。ムチの手法ですが、その結果として、5S活動の成果を経験させることが大切なんだと思います。掃除がしてある状態が、いかにしていない状態と比べて素晴らしいか、ということも繰り返し伝えないといけないわけですが。

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>アロハさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。接点を持てることに悦びを感じます(笑)
強制されてでもする事の中から学ぼうとするタイプの子と、そこから反発心しか生まれない子と、他にも生徒にはいろんなタイプがいます。個別にきめの細かい対応ができれば良いのですが、一斉指導の中で全体を持ち上げていくには何をすればよいのか、いつも頭の痛いところです。
また目的(本人にとっての将来的なメリット)をイメージできるだけの力がある子は、目的に向かうためにその場の苦労をいとわないという自発性に期待が持てますが、残念なことに僕の身の回りにいる子どもたちはその場の苦労から逃れることやその後の罰のことだけを考え、本人のデメリットを避けるためにしかたなく本人にとってデメリットのあることをするというなんとも悲しくてやり場の無い発想の子が多いのが現状です。
その中から十把ひとからげに考えるのではなく、個別に何をしてやったら良いのかを考えるのが仕事だと思いながら、結局は校則で強制したり学級のルールで強制したり、彼らにとってわかりやすい方法に頼ってしまうところに自分自身疑念を感じたわけです。

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