
世間のお盆休みの終わった月曜日、僕は火曜日までお休みをとっていたのでせっかくだから出かけるか、と月曜の朝に出かけることを決めて荷造りをはじめました。
九州でも四国でも岡山や山陰でも、目的地はどこでもよかったのですが、少し前に四万十川は源流から河口までの約200kmをほぼ川沿いに走れるということを調べていたので、今回はそれをテーマにしまなみ海道を渡って四国入りしました。

朝5時きっかりに家を出て、UFOライン到着が午前9時。
この豪快な景色は、やられちゃいます。初めて来たのが2020年でその当時「‥これは通います。また来ます。」とブログに書いてます。以来、年1回のペースで訪れています。天気良いとね、ここは間違いないね。

自念子ノ頭から深い深い谷底まで、潔くほぼ一定の角度で斜面が続いているのがなんとも豪快で良い。

その斜面を一刀両断に標高差のない林道が横切る景色、これはなかなか他にはありません。

ここからみる瓶ヶ森はとても綺麗です。石鎚側から来るとコーナーを抜けたら唐突にこの景色が広がって最初にウワッてなるところです。

土小屋、がらーん。さすが月曜日。

石鎚山、小学生の頃登ったのももう50年くらい前の話。
半世紀ぶりにもう一回登って記憶の上塗りしてみるかな。

UFOラインに続いて四国カルストという四国ツーリングの王道コース。到着したのが11時15分。
昔(30年くらい前)はアクセスがやや面倒くさいのもあってあんまり人が来るようなところじゃなかったのに、SNSの時代になってこういうやや辺鄙だけど映えるところこそ人が集まるようになってしまいました。流石に盆明けの平日はガラガラ。休日大渋滞になる細い松山方面からのメインルートもガラガラでした。

阿蘇に行った気分。狭いけど。

山の稜線が愛媛県と高知県の県境です。稜線に沿うようにメインの道が通っていますが、少し愛媛県側に外れた道が人も少なく景色も良いのでおすすめです。

秋吉台に行った気分。小さいけど。

昨今の猛烈な暑さのせいもあって時間的に暑さをうまいこと避けるようになった反面、夏らしい景色に触れる機会も相対的に減ってしまって今年は夏を飲み込みきれていない気がしていました。
ここで思い切り夏らしい景色を満喫しましたよ。夏らしくなく寒かったけど。

天狗高原から見る、四国らしい折重なる山並みの景色がとても好きで‥でも、なんか暗くなってきていない?と雨雲レーダーをみると、結構周囲には雨雲が育って囲まれていました。急いで下山。

なんだかんだいって四国ツーリングしていると、439通ることになるよね。

今回のツーリングのスタート地点へ向かいます。
ここまでで十分結構なハイライトだったけど。

俺のスタート地点に到着したのが12時15分‥やっと旅が始まる。
四万十川源流地点の案内に従って車で上がれる終端から源流点まで徒歩25分だそうですが、だいたいこういう表記って黙々と歩けば2/3くらいの時間で到着します。ここも実際そんなもんでした。

スタート地点には石の碑とかがあって人の気配を残しているけれど、ここから先は本当に原始の森に踏み込むって感じです。

苔、むしむし。

源流付近なのでもっと細々と水が流れているのかと思ったら、思いの外ザバザバと水が流れ落ちています。水の流れは1本ではなく、この沢に向かって方々から水が湧き出して集まっている様子。

源流点到着。源流点というからには、岩や苔から水が1滴ずつピタピタと落ちているものだと思い込んでいたのに、ここの時点で右からも左からも水がザバザバ流れています。
本当の源流点に辿り着くにはかなり藪漕ぎしなくちゃいけないようですが、山深く神秘的なここまで道を拓いてくれたことにも感謝ですね。

帽子を被って歩いていたから気が付かなかったけれど、バイクに戻るころにはパラパラと雨が落ち始めました。カッパを着用して四万十下りツーリングスタート。
こうして普段なら何気なく見て通り過ぎてしまうようななんでもない集落の、その谷間の一番低いところを流れる細いひとすじの線が四万十川なのです。

家で事前に地図を見て「わー、ほとんど川沿いを舐めるようにトレースして海まで行けるんだー、すげー!」と一人で盛り上がっていましたが、実際現地を走って思うのは‥これがとんでもなく面倒くさい。
蛇行した川をすっ飛ばして進める目の前のトンネルを抜ければあっという間の距離も、川沿いに進もうとすると延々時間がかかるのです。

これがまたほとんどの場合川沿いの道が「旧道」で、道の真ん中に苔の生えたような道。嫌いじゃないんだけれど、こうして雨が降ったり止んだりの路面を延々これ、というのは何かの修行か罰ゲームです。

四万十川本流の中でも一番上流に架かる沈下橋、高樋橋(昭和40年架橋)。

百葉箱と沈下橋。沈下橋の近くにこんなしっかりとした橋があっても、沈下橋は撤去しないのね。
まだ川幅は狭め。

路面が乾いたり、雨が降ったり。カッパを着っぱなしだと暑いので、雨が止んだら脱ぐのだけれど、またすぐ降るからその度にカッパを着る、を4回繰り返しました。

まぁ、囲まれちゃってますから逃げようがない。
以下、河口に向けていくつも架かる沈下橋と、その川幅の変化をご覧ください。










ほんと、表情豊か。沈下橋を見つけていくだけでも十分楽しめるレジャーです。

さて、四万十川には堰がない、と昔から聞いていたのですが、中流域に川を仕切っている箇所があるじゃないですか。

佐賀取水堰という、発電用の水を確保する堰です。
ここで取水した水は佐賀水力発電所へ導水されるのですが、発電後の水は四万十川とは別水系に放出されてしまうのでここで取水しすぎると四万十川の水量が大幅に減ってしまいます。かつてはこの堰から全く水が放水されない時期もあって四万十川の川底が露出していたこともあったようです。四万十川財団のこちらの記事が詳しく、読み応えがあります。

この沈下橋は案内板に「すぐ上流に佐賀取水堰があるため水量が少なく、そのため水面に近い高さの堰となっている」とありました。「この橋は住民の営みと四万十川との繋がりを理解する上で重要な存在」という説明文の意味がこの時この場では分かりませんでしたが、佐賀取水堰について学んだあとに改めてその文章を読むとそこに込められている言葉の意味が理解できます。

やんわりと包み込まれるように、雨雲に囲まれてしまいました。雨雲の弱いところを抜ければ良いじゃない?と思うかもしれませんが今回のルートは川の流れに左右されるので都合よく雨雲を避けられません。
カッパ着るか。

四万十川に流れ込む支流の梼原川に寄り道。四万十川との合流点から10km遡上したところに津賀ダムがあります。

津賀たちの聖地。
こちらで取水した水は津賀発電所を経由して四万十川へ注ぎます。

徒歩道のトンネル。

道の駅四万十とおわに、川の対岸へ移動してこちらまでジップラインで渡るアクティビティが設置されていました。四万十川を川沿いではなく川の上から愉しむというのが新鮮です。

13年前の夏、TDM900で四万十川を河口から遡るツーリングをした時に川海老を食べた食堂に寄ってみました。

ハイハッt‥いやこれ天才か。

今でも川海老料理、ありました。今回はゴリ丼を頼んでみました。
基本的に四万十川で採れた食材を使われていて、ゴリは川下で獲れたものを使っているとのこと。

味付けがしっかりしているので、これがゴリか!という驚きは、ない。

ここから出発して、河口の四万十市で風呂に入って宿泊場所探して‥余裕じゃん♪っと思っていたら、CRFの鍵が見当たらない。そんなことにならないように「乗り物の鍵はズボンの右ポケットに入れる」というのを習慣づけていたのに、ない。
先日カー用品店でカブの鍵が見当たらなくなって妻にスペアキーを持ってきてもらったばかり。その件では何がどうやったらそこに!?と思うのですが後日カブのチェーンカバーの中から鍵が出てきました。
CRFにはフルカバーのチェーンカバーないし。お店の方も総出で探してくれました。
結局グローブと一緒にヘルメットの中に鍵を入れた状態でヘルメットをミラーに置いた時にキーだけ落っこちたようで、鍵はブレーキレバーホルダの上に載っていました。
お店のみなさん、ありがとうございます。「また13年後に来ます!」とご挨拶して出発しました。

そろそろ河口です。水面は池のように穏やか。

四万十市(旧中村市)の中村温泉というところが味がありそうなので寄ってみました。
写しきれてないけれど、ちょっと複雑な階段、アートだわ。

これがまた入り口が全然わからなくて建物の前を3往復しましたよ。この通用口みたいなところがお風呂の入り口。450円。電気風呂を含む4つの浴槽の浴室はやけに明るくて、外観から受ける印象とかなり違って健康的でした。
日の入りまでの時間が押していたのでいたので長居できなかったのが残念。

思いの外雨が酷くて靴下まで濡れてしまって、替えを忘れてしまったので現地調達。

四万十川に架かる一番川下の橋の土手から。源流から河口まで190kmでした。

太平洋に注ぐ四万十川の河口。半日の行程だったけれど、満足度高いよ。
宿泊は津波を意識して、河口付近の高台にハンモックを吊りました。

夜の2時。ハンモックに強い光が差し込んでいて目が覚めました。
はて、街灯の影響のないところを選んだはずなのに‥と思ったら月の光でした。いや、月がこれだけ明るいということは、晴れている。ハンモックから這い出ると‥あらあら、満天の星空!
展望所まで行ってみると、月に並んで太平洋の水平線から横倒しのオリオン座が登ってくるところでした。心底たまげた。こんな仰角の低さのオリオン座、初めて見たわ。

西に沈みかける夏の大三角に向かって、カシオペアから天の川が頭の真上を横切っていました。ありがたいことにこれなら三脚を持っていなくてもベンチに携帯を置いて星空モードで撮影することができます。
上の写真、右上下中央にカシオペア。その上に小さくアンドロメダ星雲が写っています。
おかげで1時間、睡眠時間が減ってしまった‥。2日目に続く。



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