CRF250L 播州アドベンチャーラリー

エンデューロレーサーRenさんのCROSSMISSION主催、第1回播州アドベンチャーラリーに参加してきました。日本各地で開催されるようになったアドベンチャーラリーですが、兵庫県初開催です。

兵庫県の内陸部なんて僕にとっては全く縁のなかった土地で、そこをクタクタになるまで走り続けるイベント!ということであやのすけさんにお声をかけて同行してもらいました。

今回のアドベンチャーラリーは8月10日と11日の2連日開催でした。10日も11日も走るコースは一緒でどちらに参加してもOKということで、僕たちは2日目の11日に参加するために前日入り。

高速のインターを降りて会場へ向かう道中は、初日の走行が終わった時間帯だということもあって目を疑うくらいの頻度でオフロードバイクやトランポとすれ違うことになりました。BMWのGSはそれほど珍しくないにしても、ヤマハのテネレやトライアンフのタイガーなど、普段あんまり見ない大型アドベンチャーバイクが当たり前に走っています。

スタート地点になる元小学校のグラウンドに到着すると、校庭の真ん中に高さ2mを超えるキャンプファイヤーの櫓が組んでありました。これ、夜燃やすの?

とりあえずピットっぽく使おうかと、ハイエースにカーサイドリビングを取り付けました。周囲が小学校の校庭という境界線のない開放的な空間のなか、広くて自由に使える囲まれたプライベート空間を簡単に確保できるというのはとても便利でありがたいです。

今回の会場は廃校になった繁盛小学校をリノベーションして宿泊施設として活用しているところ。

脱靴場もなんとなく小学校の雰囲気を保ちつつ、綺麗に整備されています。

懐かしいんだか懐かしくないんだか。廊下の広さや蛍光灯や教室プレートなどに小学校のアウトラインを残しながら、それを塗りつぶす色合いは小学校らしからぬ綺麗さです。

キャンプファイヤーに火がついたよ。これだけ木々の隙間があるとあっという間に燃えあがって、終始手間をかけなくても最後の1本が灰になるまで燃えていました。

小さな焚き火は一人野宿の時に普通にしていますが、こういう規模のキャンプファイヤーって何年ぶりだろう。熱量がすごい!

バイクがシルエットになるとかっこいいかと思って近づいてみるのですが、これ以上近づくと火の粉でシートに穴が開きそう。

カーサイドリビングから校庭にコットを引っ張り出して寝転がって夜空をみると、もやもやと天の川が見えました。

GooglePixelの天体写真機能で天の川を撮影した写真を先日たまたま見て「すげー!」と唸っていたので、これはもしかしたら撮影のチャンスなのではないか、と思って操作方法を調べて撮影してみると‥想像の斜め上をいく仕上がりで天の川が写っているじゃないですか!

これまでコンデジでいくら設定してもうまいこと仕上らなかったのに、携帯で夜空の天の川をこんなに撮影できるというのには驚きです。

Googleのマニュアル動画。

撮影には4分かかり、おそらくタイムラプスで夜空を動画撮影してAIがその映像を最適化した1枚を写真にしているのだと思われます。4分もシャッターを開けていると地球の自転で星が動きます(写真と一緒に生成される4分を1秒にまとめたタイムラプス動画をみると、4分でも結構星が動いているのが分かります)。一眼レフなどでアストロトレーサーを使わずに4分も撮影すると星が線状になってしまいますが、この携帯の撮影機能ではそうならず、星は点として写っています。

撮影したものをさらに写真加工で「アストロ」にすると、綺麗に星空が強調されます。

午前1時、あやのすけさんがゴソゴソ起き出したのにつられて屋外に出てみると、雲も晴れて満天のすごい星空!

寝る前に天頂に見えていた夏の大三角がちょうど西の山に沈むところで、そちらにカメラを向けて天体写真機能で撮影すると素晴らしい天の川の写真が写っていました!

天の川の左にわし座のアルタイル、右側にこと座のベガ、右上にはくちょうざのベガ。

実は真っ暗なのでカメラを向けても画面は真っ黒、どこに何が写っているのかは分かりません。おそらくこういう絵になるだろう、と想像してシャッターボタンを押しています。三脚がないので、バイクにカメラを立てかけて。

こんなの、楽しくて寝るのが惜しいです。天の川が丁度山に沈んでいく時間に加えて雲が広がってきてよかった。翌朝に向けてがんばって睡眠しておきました。

ついにやってきましたXデー!天気も安定していて、楽しい1日が期待できそう。

当日発表されるコースを、制限時間内にチェックポイントを通過しながら完走することが、このアドベンチャーラリーの目的です。

僕たち気が早いからね、サクサクとスタート位置へ移動しましたよ。

200台近いエントラントをどうやって吐き出していくかというと、ゼッケン順の5列縦隊をつくって、5台ずつ30秒間隔でスタートさせます。道いっぱいのはるか奥までオフ車がぎゅーぎゅーに並んでいる様は圧巻でした!

この日のコースは午前がスタート地点より南側をぐるりと回って一旦お昼にスタート地点へ戻る、という約100kmの内容でした。割と早い段階から各車自分のペースでコース上にバラけて渋滞もそれほど起きず、自分たちは追いつかれたら先へ行っていただく、前走者に追いついて抜かさせてもらえないようであれば勝手に休憩する、というスタイルで走行しました。

全行程のダート率30%程度。最初のダートが結構ガレていてそこが一番難しかったかな。あとはほぼ全線が恐ろしく砂塵の舞う締まったダートでした。

「フラットフラット〜♪」と鼻歌混じりに走れるのかと思ったら、路面が硬いと砂利が浮いていてその表面を滑るので、ほぼ全線にわたって緊張感が続きます。

土地勘がないのでこんな景色が突然現れることにびっくりします。砥峰高原だそうです。

春先、草の丈が短い若葉の時期はさらに綺麗でしょうね。ススキで有名な景勝地とのことでした。

標高1,000mを超えるあたりは寒いくらいでしたが、山を降りると日差しが暑くてたまらない。でも、夏の空と山に囲まれて走るのは悪くない。何より知らない土地、知らない風景というのがいい。

日陰で水分補給していると、他の参加者が手を振りながら走っていきます。勝った負けたじゃないイベントなので、こういう雰囲気が楽しいですね。

午前中の走行を終えて小学校へ帰ってきました。昼食はカレー。ありがたい、カレーなら暑くてバテていても喉を通ります。

昨夜ジビエBBQが振舞われていましたが、おそらくその残りなのでしょう。味噌で味付けされた肉が鉄板でモリモリ焼かれて盛り放題で振舞われていました。

ジビエ肉盛りカレー、豪勢ですよ。カレーも学校給食みたいな味ではなく、ちゃんとスパイスの効いたとても美味しい味付けでした。

他会場のアドベンチャーラリーで提供される仕出弁当と違って、本格的な宿泊施設の調理設備で作られた昼食が提供できるというのは、この会場を利用した播州アドベンチャーラリーのものすごい強みになるのではないでしょうか。

午後は会場より北部を巡る約70kmのコースです。昼食を終えた人から自由に出発。午前+午後とゴール地点から会場までのアプローチを含めると200kmを超えるのは過去のアドベンチャーラリーでは最長とのこと。

経路に明延鉱山跡がありました。ここには乗車料金が一円だった一円電車があって、ジオキャッシュが仕掛けられています。もちろん、げと。

景勝地を巡るのが目的ではないので、景色を楽しむというよりは気持ちのほとんどはダートに集中することになります。時折山と木々が開けて播州の山々や谷間の集落を見張らせる場所がアクセント、というか良い休憩場所。

ひとりで林道ツーリングをしているときは限界を求めて思い切りよく走ることは有り得ませんから、林道走行の経験時間は増えてもテクニックが上達する、というわけではありません。今回のようにある程度時間の制約にせかされながらある程度の速度を保って長時間長距離を走るといろんな発見があって、走行中気がついたことは限りなくやってくるコーナーで何度もトライすることができます。これまでのアドベンチャーラリーで「オフロードではフロントタイヤをオンロードで走るリアタイヤのベストラインに乗せて走ると安全に走れる」という発見がありました。今回は「ゆっくり走るのは、難しい」という学びがありました。ゴロゴロとした小石混じりの砂利ダートでは、ゆっくり走るとフロントがいちいち路面に反応してうまく走れません。またスピードが遅いと減速でサスペンションを沈めれないせいか、全く安心感を持ってコーナーへ突っ込んでいけません。ある程度勢いよく走ることで少々の凸凹には影響を受けずに強く安全に曲がることができます。

って、何が正しいのかは実は全然わからないのです。僕の場合楽しく安心感を持って走れれば正解なんだと思っています。

播州アドベンチャーラリーの最終的なゴールはなんと夏のハチ高原スキー場でした。これは爽やかすぎる!これはちょっとずるい!

おまけにここがゴールではあるのですが、この先さらに北上してダートが続くコース設定で、スタート地点に戻るのにさらに50kmも走ることになります。まだ気が抜けません。

スキー場のゲレンデの尾根から。このままゲレンデの草原をダウンヒルしたい。

1kmのダートの1直線、氷ノ山ストレート。広島界隈は本当にダートが少なく距離も短いので、こんなにダート路に恵まれているなんて、この地域羨ましすぎます。近隣だったら、暇があったら何度も通うな。

氷ノ山ストレートの先にある、はちまき展望台。北に開けた景色が素晴らしいところです。気分的にはここが実質ゴールでしょう。

崖っぷちにバイクを停車して、他のエントラントもここでマッタリ。ここからスタート地点の小学校まで、各自が自由に戻ります。

戻りのルートは指定がないので、国道を外れて1.5車線ワインディングの県道やら、川沿いの宅地を抜ける道やらを選んで走っていると、あやのすけさんが「いつものツーリングがはじまった」と言いました。

スタート地点の小学校に戻って、チェックポイントでもらった3枚のカードを持って受付に行くことで、播州アドベンチャーラリー2024フィニッシャーとして認めてもらえます。

終始砂塵の中を疾走したわけで、バイクも隙間という隙間に砂埃が入り込んでいるし、人もヘルメットもウェアも、それはもう真面目に「叩けば埃が出る」状態です。もう一泊して日本海あたりまで近隣をツーリングしようかと考えていましたが、もうバイクも人も大変なことになってしまっているし二人とも満足しちゃったので、そのまま広島へ帰ることにしました。

復路5時間。四国アドベンチャーラリーの時もそうでしたが、変なテンションで全然眠くなることなく、午後9時に帰宅することができました。

真夏の開催でも林道区間はほとんどが木々で覆われた森の中なので、これも以前の夏の四国アドベンチャーラリーでも感じたことですが暑さでもうムリってこともないんですね。翌日他に巡りたいところがあったにも関わらず、もう帰ってしまえと思うくらい充たされました。僕個人としては満天の星と天体写真の撮影だけでも十分ここへ来た意味がありました。

とにかく出かけないと始まらない。残りの盆休みもぼーっと過ごすことはまずないと思いますが、とにかく出かけて忘我録に厚みを増して行かなくちゃ。

3 Comments

ひとぴち

無断コメント失礼します。
二日目参加ですか。
夜は涼しくて快眠ですよね。
私は初日でしたが、昼食はおにぎり二個ときゅうり1本でしたよ。(妙に美味しい)
僕もジビエカレー食べたいです。

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tsugataku

>ひとぴちさん
コメントありがとうございます。もしかしたらお帰りのときに、会場へ向かう僕たちとすれちがっていたかもしれませんね。
初日と昼食が違っていたんですか‥きゅうりというのが気が利いてる!

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天の川の日 | tsugataku屋.com

[…] 先日、兵庫の山の中でコットに寝転がって天の川を見たのがとても快適だったので、天体観測のためにこのインフィニティチェアを購入しておきました。このチェア、水平以上に(というのは足がやや頭よりも高くなる位置まで)リクライニングできるし、枕も上下可動式で、もうごろ寝で天体観測するのには最高のギアです。 […]

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