GROM 肉と雪

前日の土曜日に雪山を走ってきましたが山間部はその夜にまた雪が降ったようなので、雪用タイヤを履いたスーパーカブのあやのすけさんと日曜の朝からお出かけ。実は土曜日に財布を持っていなくて現金払いオンリーのすぅちゃんへ行けなかったので、この日はすぅちゃんへ焼肉定食を食べにいくことにしました。裏山へ入ってうちから10分ですっかり雪道。

うちから12分。早速転倒。
フロントタイヤが轍に載ると簡単に転びますが、逆にいうとフロントのグリップさえ失わなければ簡単には転びません。前日の午前中この辺りはとても良い路面で走りやすかったのに、車が踏みしめて路面に凹凸を作ってその上に雪が降ると同じ道でも全く路面の状況が変わってしまいます。雪道はその日その時間ごとに全く違う道になってしまう、そのあたり分かっているつもりでもコレ。

下から登ってきてここで三又になっている分岐です。Uターンして極楽寺山方面で峠を越えるか、このままバイクの向いている方向で国道を走るか。そう、忘れていましたけれどこの道は国道です。

峠から先は雪質がガラっと変わります。峠までは一度溶けた雪の上に積もった雪っぽいのに、この辺りはサラサラ。ハラハラと落ちてくる木に積もった雪も結晶が形を保ったまま落ちてくるのです。光を透かすととても綺麗。

11時半のすぅちゃんの開店時間まで2時間くらいあります。サゴタニ牧場 ( 久保アグリファーム )に立ち寄って牧場の方に牛や牛乳について物凄く丁寧にご教授いただきました。

Q:この気温で屋外に牛が出ているのは大丈夫なのですか?
「胃の中で食べた牧草を発酵させる段階で発熱して、血液で体内に循環させているので氷点下15°くらいでも大丈夫です」

Q:牛って草しか食べないのにどうしてこんなに筋肉がつくの?
「牧草をアミノ酸に分解してからタンパク質にしています」

Q:牛のゲップが地球温暖化の原因として問題になっていますが?
「牛だけにフォーカスするとそうですが、牛が食べるための牧草がそれらを吸収して成長しているので、牛の生態全体で捉えればほぼゼロエミッションです」

サゴタニ牛乳が他の牛乳よりお高いのは、130度の高温殺菌ではなく60度程度の低音殺菌を職人技で行っているなどの手間暇をかけているからだそうです。その他、季節によって牛乳の味が違うのは寒いのに強い牛は夏体温を下げるために水を大量に摂取するから、などなど‥短時間に物凄くいろんなことを語っていただきました。

まだまだ時間があったので、標高の高い方へ。例年山頂までは辿り着けない山道に除雪が入って物足りないくらい走り易い道になっていたので行けるところまで行ってみよう、と標高を上げていくと‥遠くの山々の木々に撒かれた雪のモコモコが素晴らしく綺麗。日当たりの良い場所のソーラーパネルは開店休業中でした。

プラレール。

除雪が終わった終点のその先はフロントアクスルが雪に埋もれるような深さの雪原になっていましたが、果敢に挑むカブ。

GROMの限界との差。カブすげぇ。

もう20年くらい気になっていた湯来しあわせ観音。登って一巡してみました。
バイクに戻ると道路沿いのお店のおじさんとお客さんが「バイクで来たん?」と目を丸くしていました。どこへ向かうのかと尋ねられたので、「すぅちゃんに焼肉食べに」と言ったら「すぅちゃん、開いとるかね、開いとらんかったらうち来んさい、うちでも食べれるけぇ」と。前週ガソリンスタンドでもすぅちゃんと言うと通じましたが、この界隈ではすぅちゃんというだけで名前が通るようです。

もう少し時間があったので湯ノ山温泉に来てみました。ここ、10年前にはじめてGROMでツーリングした時に最初に訪れたところ。

あの階段を登った先にこの温泉があるとはちょっと思えないようなところですが、少なくとも僕が広島に来た1992年から同じ建物です。適度に鄙びていて、とても良い温泉です。

開店時間の11時30分ちょっと前に到着したらのれんが出ていました。お店開くのかちょっと不安だったのよね。

安定のすぅちゃん、焼肉定食。600円。

肉もあらかた食べ終わってきたころ、あやのすけさんが「ホルモンある?」とか言い始めました。すぅちゃん、店内にメニューがないし焼肉定食しかないとか言っていたのに、ホルモンが出てきました。なにそれ、聞いてないし。「値段は時価で、ぼったくり」とすぅちゃん。なにそれ、こわいこわい。
この日、2人で1600円でした。

さて、この日焼肉を食べたら帰るつもりでいたのですが、まだお昼だし思っていたほど積雪が酷くないのでもう少し先まで足を伸ばしてみて行けるところまで行ってみようかということになりました。湯来から戸河内方面に抜ける峠道は路面の凹凸にタイヤを取られまくって最高に難所でしたが乗り越えて、国道186号へ。ここまできたら、吉和まで行ってみようかということになりました。

吉和は雪たっぷり。めがひらスキー場のゲレンデには、スキーヤーがほとんど見えません。今日なんか雪質最高だと思うのに、勿体無い!

国道186号は除雪がしっかりと入っていてちょっと味気なく、このまま峠を越えてしまうとこの日の雪道ツーリングも終わりか‥と物悲しく思った峠でちらりと見えた冠高原へ向かう道‥真っ白な道が呼んでいます。ちょっと寄り道してみました。

ぐはーっ!道幅広々、完全フラットな除雪路で無茶苦茶走り易い!難易度の高い凍結路からバフバフの雪までいろんな雪道にいろんな魅力がありますが、ここは純粋に他のことに気を取られずにバイクで雪道を愉しむことに徹することができる!雪道経験史上、最高の経験、遠景の雪山も最高に綺麗です。

冠高原は平原にドッグランがつくってあります。大型犬が3頭、大はしゃぎ。うちの麦茶を連れてきても‥雪に埋もれて走れないだろうな。それ以上に、走り回っても外れた柵の隙間から飛び出して、永遠のグッバイだな。

日差しもあって最高に気持ちが良いのでラーメンタイム。

カレーヌードルが沁みる‥吹雪いていたりすると作業的に掻き込むだけの時間になりますが、この日は美味しくいただきました。

かつてのホームベース、スパ羅漢に到着。道中「親の顔よりみたコーナー(あやのすけ)」「目をつむっていても走れる道(つがたく)」だったのに、雪化粧ですっかり知らない新鮮な世界になっていました。ああ、目をつむって走れるんだったら雪景色も関係ないか。

道を走るだけでも面白いのに、今日はいろいろありすぎてもうそろそろ撃ち止めだろうと思ったら‥川が凍ってる。流量それなりにあるのに、川って凍るの!?

さらに、いつもだったらなんでもない壁面が大変なことになっていました。長いものだと2mを越えるようなつらら。

8時すぎスタートで15時くらいに山を降りましたが、雪道って緊張感の連続なので結構ヘトヘトになるし、距離はそこそこでも十二分に走ったような密度がありました。今日は雪道徘徊というよりは雪道ツーリングしたなぁ、って感じ。

それはそうと雪道用タイヤを履いたカブの走破力に驚きました。雪道走るならスタッドレスタイヤを履いたGROMが最高だろうと正直思っていましたが、上り坂の雪道で停車状態からの発進でGROMでは路面を掻いてしまって前へ進めないような場所でも、カブの程よいパワーのなさが停車状態からの発進に非常に向いています。等速でトコトコ走るのが得意なところも雪道にピッタリ。ホイール径の大いところやタイヤ幅の狭さも雪道向き。何よりエンストしない!スペアホイールが手に入るようなら、来季の雪道マシンはカブが良いかなと本気で考えてしまいます!

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