戦艦大和の主砲発射試験などを行なっていた呉海軍工廠 亀ヶ首試射場跡を巡るツアーに参加するために呉へ向かう途中、夏空の広がる風景を堪能しようと灰ヶ峰へ立ち寄ってみました。
呉湾側。街の背後にある灰ヶ峰からは、呉の街の広がりと呉湾を囲って穏やかな港として形作っている倉橋島・江田島が見渡せます。
阿賀方面と水平線の上に横たわる四国の山々。今日は遠くまで気持ちよく見渡せる日でした。
集合時間にもかなり余裕があるのでのんびりと呉の街並みを楽しんでいると、下の方から重たい排気音がしてきました。大型バイクだろうと思い込んで振り返らず風景を眺めていたら、
ダルマセリカ‥!むちゃくちゃ綺麗!
乗っていらっしゃったのは気さくにお話のできる初老の方。19歳で購入して以来40年乗り続けているというセリカST。
GTじゃなくてSTというところがミソで「GTは今でも結構持っている方が多いけれど、STは皆手放してしまっているからかえって状態維持された車両が少ないんですよ」と。なるほど。今となってはグレードだけじゃなくて古さそのものにもプレミアムがつくというわけです。
1600ccのこのエンジン、平地だと13km/lくらいで走るそうです。
外装は再塗装ですが、エンジン内部の白い部分が元々の塗色。マスキングして塗り分けするのかなと思ってよくみてみると、シャーシと外装部分はM8くらいのボルト数本でとめられているようで、これなら外装剥がして塗装するのも楽だとは思いますが‥なんか感覚がバイクっぽいですね。
当時のスポーツカーの象徴ともいえる横一直線に並ぶ「n連メーター」。セリカは5連メーターなんですね。
「学生のときに買って、友達2人と信州へ旅行へ行きました。当時はお金がなかったのでお土産がわりに石でできたシフトノブを買ってその場で付け替えたんです」と、シフトノブでさえ思い入れの深い品。内装もとても綺麗にされていらっしゃいました。
ディーラーに持っていってももういじれる人がいないそうです。いじる人自体がこの車より若いですしね‥。
うちのGB250なんかもそうですが、今の技術で作ろうと思えばいくらでも作れるけれど、作ることに意味はないしなにより時代の重みというものは加えようもない‥なかなか近くでじっくりとこういう車両を見る機会がありませんでしたから、とても良い時間を過ごさせていただきました。
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