OSAKA。

大阪出張です。これまで大阪といえば「海遊館」「ユニバーサルスタジオジャパン」「大阪城」に訪れた以外は通過しただけで、恥ずかしい話、人生50年近く大阪の街なかがどのようになっているのか知らずに生きてきました。今回大阪駅前のホールでの研修会へ出席ということで、これは大阪の街を知るまたとないチャンス!街を知るといえばジオキャッシングに勝るものはない!というわけで、お昼からの研修へ出席するために広島から7時台の新幹線に乗って大阪へ向かいました。

JR新大阪駅で在来線の列に並んでいたら、到着した電車の車両は女性専用車両。そうか、都会はそういうことになっているのか、といきなり大都会の洗礼を受けました。

大阪にも東京や広島と同じように電動アシスト自転車を借りられる自転車シェアリングサービスがあります。大阪での名前は「HUBchari」。他地域と運営母体は同じようなのですが、同じユーザー名で地域を超えた使い方ができないようで、僕は東京・広島用のアカウントに加えて、新たに大阪のHUBchari用のアカウントを用意しました。

市街中心地に無人で自由に貸し出しや返却ができるポートが多数ありますが、大阪駅のすぐ近くにはないので大阪駅の隣の福島駅で降りて、そこから大阪街巡りスタートです。大阪市街初キャッシュは神社。

街の中に、見るからに歴史を感じる建物。日本基督教団 大阪教会の近くに仕掛けられたキャッシュを拾いに来たのですが、庭の手入れをされていたおばあ様に広島から来ましたと話をしてみると、「今日は土曜日ですがせっかくだから、礼拝堂をご覧になりますか?」と中を見せていただけることになりました。

昔勤めていたことのある明治期の建物と内部の雰囲気は似ています。イミテーションではない本物の古さを感じます。

外光を透かして見えるわけですから、屋外からは見えないステンドグラス。それぞれ黒枠の中は同系色で塗られているものの色の濃淡があるので、割と絵画のような自由な表現ができています。

礼拝堂は2階です。建物の高さがあるので、2階でも天井が十分に高い。両サイドのアーチはデザインではなくて、おそらく構造的に強さを保つために必要な形状。礼拝の日ではないので祭壇(というのでしょうか?)のあたりも見せていただきました。

振り返ると、教会らしさを強調する薔薇窓。パイプオルガンも非常に大きなものがあって、この教会では木曜日に演奏されるということでした。宗教的な、という側面抜きに、文化的な面からも教会で執り行われる様々な出来事を体験してみたいと思わせるに十分の設備です。

鐘楼に鐘はぶら下がっていませんでした。「スピーカーから流すの」とおばあ様w。

「紀元1921年9月安置」と読み取れます。あと2年で築100年を迎えるとのことです。

大阪空襲の際、この建物のある一帯は奇跡的に戦災を受けずに済んだのだそうです。阪神淡路大震災ものりこえたこの建物についてのより詳しい説明ときれいな写真はこちらをご覧ください。今回の大阪紀行で、結構インパクトのあるありがたい体験でした。

のんびりジオキャッシングしていると時間があっという間に過ぎてしまいます。翌日も大阪に居ますが、大阪らしい食事も摂っておきたいということでキャッシュはすっ飛ばして道頓堀まで自転車を漕いで来ました。

グリコ。

道頓堀の戎橋、初めて来ました。今の仕事でここの写真を毎年使うので、頭の中には各社の看板がどの大きさでどの位置に配置されているのかは覚えているくらいなのですが、その記憶と比べてグリコもメグミルクもBVDもずいぶん変わってしまっています。プロミスも黄色くないし。グリコ、綺麗すぎです。

繁華街の看板、ド派手。ごちゃごちゃ感が他の地域よりも細かくて複雑な感じがします。

「千日前通りの わなかでたこ焼きを食べると大阪通です」と言われたので、その通りにしてみました。まだ10時台だからかお客さんは少なめ。でも恐ろしい勢いでたこ焼きが量産されていました。

店内でも食べられるということで裏手へ回ると、「表で注文してや」と言われました。全然システムが分からない。

12個入り。調子に乗り過ぎたかと思いましたが、あっという間にペロリです。大振りで食べ応えのあるたこ焼きでした。

道頓堀と並んで、僕の中で大阪を象徴するものといえば何といっても通天閣。ついでに足を延ばしてみました。

「通天閣に行かれるなら串かつの だるま に寄って2度漬けしてシバかれるのが大阪通」と言われたので、その通り寄ってみました。ここもまた食事するまでのシステムがよくわからなくて困りました。

周りを見て、食べ方を学びます。2度漬け、もちろんしませんでしたよ。そのくらいは社会人なら知っていて当然でしょうw
いや、安くて美味しくて驚きました。串カツって苦手なんですが、ここのはいくらでもいけそうです。また家族と来たいな。

それにしても昼間からたこ焼き屋でもここでも、周りの人はビールをよく飲んでます。僕はこの後仕事なので控えましたよ。

通天閣前のだるまとは道を挟んで向かいに銭湯があるのですが、そこの木製のキリンが店外からでもとても気になりました。

もう、このあたりの色使いとか看板、学園祭的なノリを感じます。

通天閣のジオキャッシュを拾ったところでさすがに時間切れ。自転車をポートに返して大阪駅へ地下鉄で向かいます。市街地はまったく初めてなので「なんば」とか「御堂筋」とか聞いたことのある名前の地名を聞いても地下鉄だと特に位置関係が全然わかりません。凄く新鮮です。

真面目に仕事。4時間で6講義の詰め込み研修でしたが、とても充実した内容でした。

研修後、職場の人と小一時間話し込んで、解散。

JRなのに東西線?と関東の人は思うハズ。

さて、仕事を終えてこの日の夜は大阪のMAVさんと呑むことになっていました。待ち合わせまでの2時間、今回の大阪出張で大変楽しみにしていた大阪駅地下街のアースキャッシュ(GC563MN:-Urban Geology in Umeda Underground-)の回答を見つけるツアーを開始しました。

「アースキャッシュ」というのはジオキャッシングの中でも火山や特別な地形の生い立ちなどを学んで地球そのものに興味を持ち、指定されたタスクの回答を設置者へ送って認められたらカウントされるというキャッシュです。阿蘇や秋吉台などなら分かるのですが、大阪駅前にアースキャッシュ?と昔から不思議に思っていました。

このキャッシュのミッション。A~Dの場所の壁や柱を見て、そこにどんな化石があるのかを調べるという内容です。(一部ネタバレ的な内容を含んでいますが、ここにある情報だけではすべて解答できないので、ご容赦ください)

げげーん!普通にアンモナイトがスライスされている!

普通に歩いて通り過ぎると全く気が付かないと思いますが、ちょっと気を付けてみるとその模様が不規則なものではなく、幾何学的な美しさを伴った形状をしていることに気が付くと思います。

なんでもなさげな柱ですが‥

貝の化石が大量にスライスされています。ここに埋まっていた「貨幣石」について調べてみると、6000万年くらい前のものだということが分かります。この壁、6000万年くらい前の堆積物。

表面をきれいに研磨していない壁面には少し立体的にアンモナイトの化石が埋まっていました。

他にも。

地下街でよく見る風景ですが‥

群生サンゴだそうです。

ここまではっきりと見えているのに、知らなかったら単なる模様だと思って見逃してしまうでしょう。感謝。感動。感激。スバラシイ。

カンパイ。

仕事を終えて、梅田までMAVさんが出てきてくれました。案内してもらったお店は貝の専門店。貝尽くしです。

カツオの藁焼きもただならぬ太さ。食べ応え十分でした。さすがMAVさん、面白いお店を紹介していただきました。美味しかったです。

帰りも方向が違うというのにJRの駅までエスコートしていただきました。明日も仕事なのに、遅くまでありがとうございます。

今回の宿泊は、新大阪の駅前のカプセルホテル。カプセルホテルは比較的抑えやすいし廉価だし、テント泊に近い感じで寝られるし、で東京でも宿泊せざるを得ないときに利用することがあります。でも、この「nine hours」というカプセルホテルは、これまで利用してきたのとはちょっとは違う様相です。受付には若い人しか立っていません。建物は妙に綺麗です。

QRコードのついたカード管理で上着などは個人ロッカーへ。

トランクなどの大型荷物はロッカー下の手すりにワイヤーロック。

なんか、未来的。寝室の仕切りは上から降りてくる薄いブランドウ1枚ですが、フロアごとに男性専用・女性専用になっています。建物自体は6階建て。

カプセル内も角がなくてとても有機的。天井高もあって、座る分には何も不自由しません。

100V電源とUSBポートがそれぞれ1つ。

1フロアにシャワールームが3か所。真上から柱のようにお湯が落ちてきて「まるで入浴している気分」を味わえるシャワーです。

共用スペースはガラス張りで開放的な感じ。

スリッパの脱ぎ加減からするとほぼ満室だったはずなのですが、僕の利用した時間では数人の方とすれ違っただけで、ドミトリー特有の変な気遣いなどは全くありませんでした。とても快適に過ごせました。ああ、暖房がそれなりに効いていて、空気が乾燥していたので、明け方喉は軽く痛くなりました。

ホテルを出たら松屋さんがすぐ近くにあったので食事。こんな朝食が360円で食べられるうちは、日本は平和なんだと思います。

縦横間違っていますが、これはこれで不思議な感じがする地下鉄御堂筋線の新大阪駅。休日の早朝なのでガランガラン。

前日の失敗の轍を踏まないように、女性専用車両の列には並ばないぞ、と思ってその隣の車両に乗ったのに‥よくよく見ると女性専用は平日の終日だけでした。またまた都会の洗礼を受けてしまった‥。おまけにこの車両へのドアは平日の往来ができなくなるように自動ドア化されているのですが、取っ手がついているので一生懸命閉めようとしたら、新聞を広げて読んでいたおじちゃんにチラ見されて「そら、勝手にしまるでぇ」と言われる始末。いろいろ都会は難しい。

街の中まで移動して、レンタサイクルをお借りします。

この手のレンタサイクルで気をつけなくちゃいけないのは、自転車の型と空気圧と電池残量。ポートに何台残っているのかは事前にサイトで調べればわかるのですが、調べずに行ったらここには2台置いてあるだけでした。そのうち1台はフレームの形も違う旧型。OSKに続く番号が大きい方が後に納車されたタイプなので、なるべく数字の大きい車両を選んだ方がハズレ車両を引く可能性が下がります。今回は選びようがなくこのOSK00265号にしましたが、走りだしてすぐにタイヤの空気圧が低いのが分かりました。割とメコメコ。おまけに電池の残量が40%。どこか別のポートの近くへ行ったら乗り換えるつもりで、朝7時半に徘徊開始。雪が舞っていました。

繁華街を避けて、市井の人々の生活をみるために宅地の中でジオキャッシュがたくさん置かれている地域を目指してペダルを漕ぎました。地元の人でもあんまり来ないんじゃないかというようなところをたくさん巡りました。

こんなのとか。どの町にもありそうなものですが、知らないと来られないですよね。

石の記念碑なんて、古臭い‥って昔は思っていましたが、最近見直しています。100年経っても後世に出来事を伝えられるわけ情報メディアです。なるべく読むようにしています。

カモメに逃げられないようにどれだけにじり寄れるかチャレンジ。結構寄った!

途中のポートで乗り換えです。東京のレンタサイクルはフレームは同じでもシート・ハンドル・前かごなどがそれぞれ様々でしたが、大阪は東京ほど車種ごとの違いは激しくないようでした。ここに並んでいるのも、違いは前かごくらい。

SLをビルの1階に展示している企業の建物など他にもいろいろ、よその土地の人があまり訪れなさそうなものをたくさん知ることができます。

淀川沿いや川に架かる橋に仕掛けられた大阪のパワートレイル、ジオキャッシングを始めたころから気になっていました。ついに巡る日がやってきました。

ちょっと待て。

ギリギリですよ。人間はもちろんコサックダンス。

川沿いのパワートレイル、獲っても獲ってもきりがない。だんだん食傷気味になってきたし、出張着で這ったりよじ登ったりするのにもくたびれたし、で、15時くらいに阪急の駅近くで自転車を返却して、MAVさんのお店へ行くことにしました。ちなみに、ジオキャッシュの発見は2日間で50個でした。都会ってすごいなぁ。

阪急宝塚線。何でこんな渋いツートンカラー?

以前東京帰りに家族で寄りましたが、今回は一人旅なので頭刈ってもらいます。いいな、家の近くにあればいいのにな。

新大阪から自宅の駅まで丁度2時間くらい。なんというか、大阪は全然遠い感じがしませんでした。普段の移動は車やバイクがほとんどですが、あらめて拠点間移動の新幹線の便利さを思い知りました。車内販売の売り子さんに尋ねたところ、アイスクリームは年中買えるそうです。新幹線移動だとお酒が飲めるのでビールを買ってしまいます。でも、カチカチの車内販売のアイスクリームに(スキットルなどで持ち込んだ)ウイスキーをかけて食べるのが、時間もかけてじっくり飲める(酔える)ので良いらしいですよ。

東京の街は大阪と比べると起伏が結構あって、自転車で走るとそれがセクションというか地形や地域の特徴になっているのを感じます。初めての大阪は街の地名や区分けを知らないこともありますし、また昔は大阪城あたりまで海だったということで今回走ったエリアはほぼ埋め立て地ということもありますが、どこまでも無茶苦茶平坦でいろんな意味で境界を全然感じないという印象でした。

これまで大阪は街の規模も雰囲気も全然分からなくて、「まわり全部関西人なんでしょ、どうしよう」とかビビってましたが、ほかの都市と同じく市内の大きな観光地ではまわり全部外国人でした。安心しました。

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