SEROW 夏の阿蘇ツーリング(後半)

内牧に宿泊した朝にまずチェックするのは、空。もやもやしていたら雲海が出ている可能性がありますが、この日は青空が見えています‥。内牧の街並みは何のことはない昭和っぽい建物の並んだ街並みなのですが、街灯のがレトロ感を高めることで古い建物の並ぶ雰囲気を良くしていますね。

トナミゴン君は阿蘇が初めてなのですが、古い付き合いなので彼の好みに合わせて阿蘇の独特な地形が把握しやすいルートを考えました。というのもあるのですが、実は初めて阿蘇を走る人を僕がどうアテンドしてどこを走るのか、僕自身がこの日のルートがどうなっていくのかが楽しみな感じ。

雲海が見えないなら外輪山は後回しで、阿蘇山上からの朝焼け狙い。阿蘇駅前から坊中線の登山道を走る、いきなり阿蘇ツーリングのハイライトなコースに加えて、朝は最高の背景!

スコリア丘、米塚。彼はこれだけでご飯3杯はいけそう。

前日「雲が近いので、見える風景と雲のスケール感が何かおかしい」と写真を撮ったところ。雲ひとつで随分雰囲気が変わります。

昨年新しくなった草千里展望所。まだとても新しい感じがしますし、記憶の上書きもまだ完了していなくて新鮮。

ここからは米塚を見下ろせますが、朝の斜めの光が米塚の綺麗な形を際立たせています。太陽が雲に隠れたときの見栄えは随分落ちます。朝日って大事。

この日は熊本の市街と雲仙まで見えたのですが、なんと熊本市街方面に伸びるエンジェルラダーが通常なら上から下へハの字になるのに、この時下から上にハの字になっていました。太陽を真後ろに受けて遠くへ並行に伸びるエンジェルラダーが、朝早くで太陽がまだ低いので陽の光の角度が鋭角になってその分遠くへ差し込むものですから、遠くへ行くほど収束した形に見えるのです。街から空へ向かって放射状に何かが吹き出しているようにも見えました。

ここへあやのすけさんが登場しましたが、僕からするとあやのすけさんは僕にジオキャッシングを勧めた人、トナミゴン君は僕がジオキャッシング を勧めた人、という関係者勢揃いな感じで感無量‥じーん‥。

火口手前の駐車場。ガスってますし、そもそもこの時間では火口へはいけません。

阿蘇吉田線で南側へ少し下ると、山上からは伺えなかった南阿蘇側の天気が掴めてきました。抜群に晴れています。前日通行止めが解除になったという情報が流れてきたケニーロードのあたりとか、バッチリ日が差しています!

無茶美しい南阿蘇。ケニーロードの看板の支柱がフロントフォークだって前回気がつかなかったので確かめたかったのよね。

「結構しっかり埋まってるんだね」彼は食いつくところが違ってました。

なんかね、トナミゴン君とケニーロード走るなんて、思い出の1枚だわ。

外輪山登り切ったところで折り返そうかと思ったのですが、熊本側のだらだら標高を下げていく道も地形を知る上では面白いだろうと走り抜けました。熊本側の看板の支柱はフロントフォークじゃないのね。

写真じゃわかんないけど、眼下に広がるというより横たわる熊本の市街。ここ、いいね。

せっかくケニーロードを抜けたので、俵山経由で戻ることにしました。僕、俵山のトンネル未だに走ったことがありません。旧道の峠道は30年も前に初めて阿蘇を訪れたときに走った道で、その思い出が強烈すぎてつい旧道を走ってしまいます。
発電風車ができて、熊本側の道が随分良くなりましたが、ここから見える風景は変わらない。

これから走るワインディングが見える、というだけでワクワクした30年前。

南阿蘇、塩井社水源。南阿蘇は水源・湧水が数えきれないくらい点在していますが、その中でも気に入っている場所を紹介。

湧水地を巡ることだけをテーマにツーリングをしたことがありますが、そのときここは気がつかずに見過ごしていました。後日ジオキャッシュが置かれていたので知った次第。トナミゴン君もキャッシュを発見。

ここのお社は熊本地震の際に崩れて、文字通りペチャンコになっていました。再建された社は、彫刻で装飾を施された古い社の木を一部しているようです。

キャッシュの中に現金が入っていたので、賽銭しました。訪問帳にでもログを残さないと気が済まないトナミゴン君。

もうひとつローカル水源、寺坂水源に寄りました。

鉄道のガード下が水源になっているという、ちょっと変わった水源。

南阿蘇の水源では一番大きくて整備されている白川水源。

「ぜひ おのみください!」というのが面白いね。

毎分60トン、ということは秒あたり1トン。1立方メートルの水が毎秒湧いているって考えると、すごいね。これが継続して流れ出て底をつかないというのがすごい。

阿蘇のカルデラに湧く水がどこに流れているのかという何気ない雑談のなかで、国道57号沿いで熊本へ抜けるところ以外カルデラの抜け穴がないね、とか話をしていて突然気がついたのは、南阿蘇を流れているのが白川、内牧のあたりを流れているのが黒川‥なるほどなるほど‥。内牧は黒川(温泉)とは全然関係ないのに、どうしてあのあたりの黒川っていうんだろう‥ってずっと思っていました。これと白川水源の「白川」とが頭の中で繋がっていませんでしたが、突然その関係が見えた次第。

ちなみに今調べてみたら、北の黒川と南の白川の合流するあたりに、黒川と白川の間に川が1本繋がっているのですが、この川の名前は「濁川」。なるほどなるほど‥。カルデラの中の川を地図上で追いかけていくのも結構楽しいですね。

朝だというのに、買ったソフトクリームがすぐ溶け始める。

高森から箱石峠へ。峠越えしてカルデラへは降りずに外輪山の縁を通ってミルクロード。僕は阿蘇は夏の繁りまくった草原よりもGWの若葉の季節の方が断然良いと思っていました。今でもそれはそうなのですが、この日は強い風に吹かれて、ミルクロードの視界一杯に広がる大草原がザワワワワワワワワワーッッッと動くのです。物凄いスケールです。知らない風景じゃないのに、感動してしまいました。夏も良いですね。

もうひとつ水源に立ち寄りました。湧水量も豊富で、水源池あたりはあまり手の入った感じがしない池山水源。途中の橋は何をどうやったら橋の欄干がこんな壊れ方するんだろう?というくらいの壊れ方をしていました。

針葉樹に囲まれたこの水源は、木漏れ日が差し込むと神秘的な感じが倍増してとても良いところです。

九州の人が「赤牛丼ならここ」と教えてくれた正という焼肉屋さん。

普通に食べたら肉が絶対に余る分量で赤牛の肉が載っています。霜降り肉とかもう、美味しく食べられない年頃の身としては、ほぼ赤身の赤牛丼は最後までとても美味しいくいただけました。満足。

やまなみハイウェイ〜ミルクロード〜大観峰。王道だけど初めての人にはオススメですね。

根子岳が雲をかぶっていません。あやのすけさん、今回この東峰に登る予定だったんですよね‥。雨予報だった割には天気が粘ってくれました。

もう、一人の時には日中来ることはないなぁ、大観峰。人と車が多すぎるんですよね。

地層について学習するアースキャッシュで、鹿児島で噴火した火山の灰の層を観察しているところ。

阿蘇は地層の露頭がいろんなところでみられますが、ある特定の層が鹿児島の大噴火で降灰したアカホヤ火山灰の層なのだそうです。上下の層とはあきらかに特色が違うので、他の場所でも地層を観察するのが楽しみのひとつになりそうです。

とかなんとか楽しんでいたら、一気に雨が降ってきました‥。宿に帰るか。

コインランドリーとケーキ屋とスーパーへ。内牧の街角の椅子、でかいなぁ。

天気も回復しないので、もう一泊ライダーハウスで‥と思ったら、もう満室ということで、トナミゴン君は別の宿へ、僕は帰る方向でここでお別れ。雨予報の割には十二分に楽しめた初めての人の阿蘇巡りでした。

ハイエースまで戻ってきたついでに近くのるぅさんの家に寄って、モトコンポの皮を被ったGROM、グロコンポを見せてもらいました。これは走りそうだ‥!

このリアビュー、たまんない。

ハイエースを拾いに行ったら、虹。

この日、るぅさんはお庭で奥様と食事をするということで、着々と準備をされているところでした。僕は帰る途中にちょっと寄らせてもらったはずなのに‥気がついたらカンパーイっ‥心が弱い‥。

でも、幸せな空間でしっかりと話こめて良かったです。時間があっという間に過ぎていきました。

翌朝。せっかくもう1泊して朝から九州に居るのだから「早朝のやまなみハイウェイを流したい」と、るぅさんに付き合ってもらうことにしました。

日の出とともに出発。

動きの早い雲のつくる、ダイナミックな朝焼けでした。

この人と走る時、一緒のペースでコーナーに突っ込むのは要・注意。進入ドリフトかましますからね。同じスピードで突っ込むのはヤバイよ。普通のコーナーもGROMとは思えない頭悪そうなペースで走っていくけどね。

この石橋、以前NUDAで渡ったことのある橋ですが、橋桁がこんなトリッキーな形をしているとは思いませんでしが。薄っぺらい。

周辺全体象。下を流れる川の奥の方を見ると‥沈下橋?

おお、沈下橋。しかもT字型の珍しい橋です。

雨が降ってきてしまったので山奥へいくのはやめて、るぅさんの地元のちょっと珍しいものを見物。椅子。

椅子。

実はすごくデカイ。

3泊4日、実質2日ちょっとのツーリングでしたが、朝早くから動くのでたっぷりと楽しめました。フル装備で走っていたので今回は阿蘇から長崎やら鹿児島方面へ向かうことも考えていたのですが、ひとつは雨が不規則に降り続ける予報だったこと、もうひとつは機材フル積載だと走りの楽しさはかなりスポイルされてしまうことが理由で、遠方へ出かけるのが少々億劫になってしまいました。
移動すること自体を楽しむなら、トランポ泊やライダーハウス泊を前提のルートを考えて、もう無理に野宿しなくてもいいかな。また少しバイクライフやらキャンプ生活が変わりそう。

3 Comments

ひらき

「記憶の上書きがまだ済んでない」を頂きました。中々の表現力ですね。使わせていただきますww
阿蘇はモノクロの頃から何度も訪れていますが、テーマを決めて訪れると更に楽しそうですね。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です