SEROW 国道439号ツーリング

四国を横断する国道439号線、通称「ヨサク」。徳島市から四万十川の河口まで続く総延長約350kmの国道で、途中の荒れた路面の続く狭小路の多さから日本でも有数の「酷道」という位置付けになっています。

3年前、GROMで徳島側から四万十川まで国道439号を走ったことがあるのですが、その時に逆ルートでもいつか走ってみたい‥と思っていました。今回、尾道出張に続いて数日天気も問題なさそうだったので、セローで再挑戦することにしました。

そこでトランポ移送にありがちな忘れ物をひとつ。バイクのシートに取り付けて両サイドバッグを固定するバックルを忘れてきてしまいました。ロープで代替できるだろうと軽く考えていましたが、このロープワークは目立つので結構センスが問われます。とりあえず走っても大丈夫なくらいの固定はコレでなんとかなりそうです。

金曜日、尾道での仕事を終えてしまなみ海道を渡ります。途中25台積みのトランポを見ましたよ。

普段は現地付近までトランポ移動が多くて、セローで高速に乗ること自体が珍しいので、パーキングエリアで記念ショット。

初日の夜は松山でアシカさん・パパさんと飲むことになりました。ハンモックの宿営場所は重信川の河川敷の桜の木。そこから飲み屋へ30秒の好立地です。

かんぱーい。どこへ行ってもGROM関係の人と飲めるから楽しい。

パパがなにかガサゴソと‥なんと、今回僕が持ってくるのを忘れたサイドバッグをシートに固定するバックル。パパさんは片側のケースをMAVさんに譲って、両サイドケースとして使うことがないから‥と譲ってくださいました。すごい!本当にありがとうございます!

楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。パパさんのラフティングの話とアシカさんの川エビに噛まれる話しか覚えてないよ‥お付き合いありがとうございました。


土曜日。すぐ近くの駅にジオキャッシュがあるので拾いに行きましたが‥なかなか取り出しにくいものに仕掛けてありました。早朝で良かった。

朝焼けが見られるのと見られないのとではその日の満足度が大違い。この日も日の出15分前には広い田園地帯を走れるように出発しました。松山って綺麗な夕焼けを見ることが多いのですが、この日の朝焼けも空いっぱいが桃色に染まる素晴らしい朝焼けでした。しばらくウットリ‥。

松山を離れて一気に標高が高くなると気温もどんどん低くなって、アウターの上にカッパを羽織らないと寒いくらい。夏だというのにトンネルに突入しても温度が変わらないような気温です。

山の谷あいには雲海。この後、この中に突っ込んでいくことになるんですけどね。

四国八十八ヶ所にはジオキャッシュが設置されています。第四十四大寶寺。

少し迷いましたが、はっけーん!

初日のルートは夜に四国カルスト到着して泊まる予定で考えていたのですが、思っていたよりも松山からカルストが近くて早い時間に上がれそうだったので、松山側から直接天狗荘へ上がれる県道303号線を使って先に寄ってみることにしました。

早い時間は山のヒダヒダが彫り深く見えて、とても綺麗。つか、木々と空だけの風景です。

天狗荘の峠を超えたとたんに目の前に広がる、蒼く重なる山々‥いや、息を飲むどころか、ものすごい開放感に猛烈に息を吐きました。ため息の強烈なヤツ。

緑も綺麗なんですが、遠景の山の青さが、なんというか嘘がない感じで強烈に綺麗です。朝に登って良かった‥。

空も‥。

お決まりのヤツ。

土曜日だし、もっとバイクがウジャウジャ居るのかと思ったら、午前8時の時点でそれほどでもありませんでした。信じられない、超勿体無い‥。

あさごはーん。コーヒーを淹れます。

普段走らないルートへ入ってみました。

知らない道がまだまだみつかる。

時間に縛られないって、いいね。普段は計画通りにコトが運ばないと気が済まないのですが、この先のヨサクの道程と時間の関係が全く読めないのと日程にはかなり余裕をもっているのとで、細かいことはあんまり気にせず好きなところで好きな時間を過ごすことにしました。

なので、展望台まで歩いてみたり。一応四国カルストのアースキャッシュのGZ。

これまでにみたコトがなかったカルストの側面。

なかなかバイクを降りて歩くということをしないので、こういう体験はキャッシュのおかげ。

石灰岩が風雨の侵食でできた露頭なのですが、とても複雑な形をしています。どうやったら、何年かけたらこれだけ複雑な形になるのでしょうか。

涼しいので、何時間でも居られるヤツです。2時間くらいウロウロしていました。

四万十川の河口へ向かうのに寄り道。古いブログをみてみたら、前回訪れたのは2012年の夏だそうです。なんと7年ぶり。

この辺は記憶の通り。入館料800円。

MPCとか、僕らが中学生くらいのころはスターウォーズに登場するメカのプラモデルはMPCかもう1社くらいしかなくて、随分憧れたモノです。

これはいいなぁ、手に入らないかなぁ。

いやいや、いくらなんでも金田のバイク小さいだろう‥。

これはものすごく小さいんですけれどとても精巧にできています。

んで、こんなものも‥欲しい!シュトラール軍派で、PKAが好きなのですが、このサイズ感だとS.A.F.Sが欲しい!

と、思ったら、ガチャがありました!

前回来た時は6回まわしたようですが、今回は4回に留めておきました。ふふ、大人になったな(入館料をはるかに上回る散財)。

太 平 洋 !波の勢いが瀬戸内海とは大違い!

途中の道程で、何度か挫けそうにはなりました。一度走ってるんだからまたわざわざ起点から走らなくても‥とか、これから散々苔の生えた道を走るんだから今わざわざこんな道走らなくても‥とか。国道439号に入ってしまえば「その道を走るコト自体に意味がある」わけですからどんな道でもウエルカムなのですが、そこへ至るまでの道程が無駄に時間と体力を消耗しているだけの道に思えてしまうのです。ヨサクを走る上で一番大変なのはヨサクそのものではなくて、むしろそこへ至る道程とそこから帰る道程であると断言できます。

というわけで、四万十市(旧中村市)の国道439号線の起点からやっとスタート。ここまで来るのに350km。朝5時に松山を出て、今回ヨサク攻略の旅の本当の出発は、なんと13時ですよ。

はじめのうちはセンターラインのある対面通行の2車線路でしたが、山間部に入ったとたん1.5車線路に。山越えの道程のほとんどがこんな感じなので、たまに現れる川沿いの2車線路になると、なんだか楽をして距離を稼いでズルをして申し訳ない気分になってしまうくらいには酷道。

沿道にある津賀ダム。初めて訪れたのはVFR750Fに乗っていた時なので、多分28年来のお付き合い。ちなみに竣工は第二次世界大戦中のようです。

管理棟がないのかと思ったら、ダムを渡った先にひっそりとありました。携帯の圏外なのでダムカードを発行しているダムなのか分からず、突撃ピンポンして尋ねてみたら「ありますよ」と初老の管理人さんがカードを手に出てきました。実は‥と免許証を見せると僕の名字を見て驚かれていました。
この方、ホンダ党のバイク乗りの方で、しばらくバイク談義。楽しい時間でした。こういう経験が旅に厚みをもたらしてくれます。

昭和43年架橋と書かれていた赤い橋。

渡ってみました。スケスケでユレユレで、結構怖いです。明日かずら橋、もう行かなくてもいいや。

この日、ヨサクの全行程の半分も走れず、吾北むささび温泉(木曜定休 600円)までで走行終了。

どこにでも泊まれるだろうと町内一周しましたが、廃棄された遊具くらいしかハンモックが釣れそうなものが見つからず、ちょっとエキセントリックな吊り方でハンモックを掛けました。

風呂まで徒歩1分。

先に町をウロウロしてみつけた商店で、エサフィィィをゲット。つまみになりそうなものを探して棚を覗き込んでいたら、品揃えが少なくてごめんなさいねぇ、と申し訳なさそうにお店のおばあちゃんが声をかけてくれましたけれど、ビールがこれだけキンキンに冷えていたらそれだけで感謝です。ヒグラシの大合唱を聞きながら、美味しくいただきました。

他にすることもないので、21時まで開いている温泉の休憩室でテレビを眺めたりマッサージしてみたり。それでも間が持たなくて19時過ぎにはハンモックに戻って就寝。夜はシュラフを軽くかけて寝てちょうど良いくらいで、夏のツーリングは夜も暑さとの戦いになるのかと思っていたので全くの拍子抜けでした。


20時あたりに寝て4時起床。たっぷり8時間睡眠。普段二度寝ができないのですが、ハンモックだと寝心地が良いのと這い出すのが億劫なこともあって、僕でも何度寝かができてしまいます。

5時、周囲が明るくなりはじめてから出発です。普段と違ってハンモックを吊って寝ただけですから、シュラフとハンモックを畳むだけ、あっという間の超簡単な撤収です。

高知の真北、ヨサクの全行程350kmのちょうど中間地点あたり。でも、やっと中間か‥とか考えない方が幸せかも。

ヨサクには難所と呼ばれる1000m越えの峠が2箇所あります。そのうちのひとつ、京柱峠。

ん、え?
この案内については何を示しているのか、結局分かりませんでした。

峠の手前、ダートをちょっと下ったところにある屋根のある施設。雨が降ってもここなら安心。トイレもあります。何の施設なんだろう。

京柱峠、難所と呼ばれていますがヨサク全体を通して言えるのは、車だと離合困難な道幅で対向車にイライラすることもあるでしょうが、バイクだったら基本的になんでもない道です。小排気量車ならなおさら。

1133mの峠に到着‥雲海!

7年前に初めて来た時はなんでもない峠越えでしたが、今回は早朝なこともあって美しさがまるで違う!

これは、あさごはーんでしょう。午前7時過ぎ。

徳島側へ下り始めてすぐのところで、国道は通行止めになっていましたが、林道の迂回路がありました。

事前の情報では未舗装路ということでしたが‥迂回路の方が国道よりも道が良い‥。民家が隣接している林道で、普段から使われている道のようでした。

もうひとつの難所、1410mの峠、見ノ越峠の高知側は剣山の登山リフトの発着口になっているせいか、早朝から駐車場に入りきれないくらいの車が溢れていました。結構な山奥で、どのくらい山奥かというと「日本郵便から交通困難地の指定を受けているため、地外から当地宛に郵便物を送付することは出来ない」とウィキペディアに書いてあるくらい。

峠はトンネルで、トンネルから徳島側は路面の浮き砂や砂利がひどく、道幅はそこそこあるのですが全行程の中で一番路面の荒れている道がしばらく続きます。

山から流れる水を道路の下を通して崖下へ流している導管がつまっているようで、水が路面に溢れて川になっている区間もありました。ちょうど太陽が真正面で、水面の反射がとても綺麗なところでした。

山間部の過疎地と思われる集落に何箇所かヘリポートが増設されているのを見かけました。練習場ではありません。ヘリポートです。

ここに来るまでに平日は規制時間帯の定まった通行止めになっているところが何箇所もありましたが、土日は解除してありました。ここも通行止めの看板は出ていましたが、解除中の札が規制時間表に貼ってあったので先へ進みます。(実のところ、解除とは書いてありましたが、自動車は通行できない状態になっていました)

以前GROMで走ったときは、徳島側はここまで来ました。ここから東は未体験ゾーン。

剣山スーパー林道の標識に呼ばれているようにも思いましたが、これだけ荷物を積んでいると、オフロード走行は残念ながら楽しめないです。

徳島まであと20kmほどのところ。橋が落ちています。

や、よく見ると橋板がワイヤで繋がれている。どうも増水などで橋が落ちるの前提で設置しているようです。賢いなぁ。人が渡る専用で自転車も厳しいような橋だからこそ、こういう簡便なつくりができるってやつですね。

あ、この橋自体はヨサクじゃないですよ。

暑い暑い街なかを抜けて、徳島側の起点到着!メーター読みで360km、2日間で11時間かかりました!

徳島の街は阿波踊りの準備真っ盛りで、この日が前夜祭だそうです。見てみたい気持ちもありましたが、ヨサクを走破した達成感で十分満足してしまったので、帰路につくことにしました。高松から岡山県の宇野港へ渡るフェリーが高速を使ってギリギリ間に合う時間だったので、徳島には全く留まらずサクサクと高速へ。

高速を走りながら計算してみたら、フェリーと高速道路を併用で帰るのも瀬戸大橋を渡って全線高速で帰るのも金額的には大差なく、時間は圧倒的に瀬戸大橋の方が早かったので、そのまま200km、ハイエースを置いてある尾道まで高速で移動することにしました。

さようなら四国。九州とは違った魅力のある不思議な島。

夏の3時間耐久。午前中はアウターにカッパを羽織るような服装で走っていたのに、昼間の高速道路上はひたすら暑い。セローで高速道路というのも80km/h以上の巡航が苦行で、総じてずっとしんどい時間でしたけれど、昔若い頃にバイクに乗っていたときは、年に何回かバイクでこういう逃げ場のないしんどい時間を過ごしていたなぁ、と懐かしい感じも。

自宅には16時過ぎに帰着。本当ならもう1泊の予定だったので、思っていたよりも随分と早い道程で第2回ヨサク走破ツーリングを終えました。

以下、今回走りながら考えたことや気づき。

  • ヨサク、2年越しでほぼ全線上りも下りも走りました。現在ダート区間ありませんし、ひたすら時間はかかりますが大抵のバイクなら全線走行可能だと思います。しんどい車種はタイヤの太いSSかな。
  • GROMとセローとどちらが良かったかといわれると、GROMの方が(初回で先が全く見えなかったということもありますが)アドベンチャー感強くて楽しかったように思います。セローだと普通に走れすぎちゃって。
  • いわゆる酷道と言われるような道はそれなりに長いのですが、他の国道と被っている区間や路面改修が進んでいる区間も結構あるので、感覚的には距離で言えば半分くらい(時間で言えば1/5くらい)は普通の道です。
  • 全線350km、しかも両端が徳島と四万十だと、どこに住んでいようと1日で全線走って自宅に帰ってくるというのは非常に難しい‥そりゃ無理すれば高速使って日の変わらないうちに帰れない事もないでしょうが、700km以上を休みなく走ることになります。
  • 徳島側からでも四万十側からでも早朝出発すれば夕方か夜には全線走破できる距離です。が、その後宿泊必須。今回僕は昼にアタックを始めて中間地点付近で宿泊しましたが、今回のように吾北むささび温泉に入って現地に泊まるというのは良い計画なのではないでしょうか。河川敷には無料のキャンプ場があります。コンビニも数分のところにありました。
  • 平日だと時間規制の通行止めが何箇所もあるので、足止めを食らって計画通りにコトが運ばない可能性が大きいです。
  • 基本的に田舎道なので給油についてはGROMで走った時はかなり心配しました。両端からの中間地点付近一帯(高知自動車道と交差するあたり)が割に拓けている地域で、ガソリンスタンドには事欠かないのですが、そこまで両端から200km弱です。航続距離250km以上のバイクなら、中間地点の1回給油で全線クリアできると思います。ただし、日曜日はその地域の当番店以外が閉店していたり、18時頃には閉店を始めるところも多いので、時間と曜日については注意が必要です。
  • 1000m級の二つの峠は、冬季通行止めです。僕は前回も今回も天候には恵まれましたが、霧が出ると恐ろしく視界が遮られるようですし、低地との気温の差も激しいのでいろいろと準備が必要です。

では、ハッピーヨサクライフを!

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