GROM 江田島ツーリング

2017-01-05_08

寒い冬でも、速度域の低いGROMで島ツーリングすることの楽しさを覚えて4年目。通勤マシンにはグリップヒーターにナックルガードもあるので、ゴツゴツしたウインターグローブじゃなく薄手のものでも冬場楽しく走れます。今日は丸1日お休みをもらって8:40分のフェリーで江田島へ渡って島ツーリングです。

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広島の宇品港から江田島・能美島行きのフェリーはいくつかの航路がありますが、今回は宇品から一番近い切串港行きのフェリーに乗りました。切串港に向かう途中、島を見ると山肌を一直線に横切っている道路が見えます。まだ走ったことのない道です。これは行ってみなくては!

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この道は江田島北西部の大須山を東西に抜ける道でした。途中「展望所」と書かれた登山道があって、地図上では頂上まで距離がありそうだったので遠慮したのですが、帰ってから衛星画像をみてみると展望所は道路からすぐのところでした。今度また寄ってみよう。

とりあえず走ったことのない道をつなぎながら、遠回りで海上自衛隊の第一術科学校を目指します。

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「車両通行止め」と書いてあってもとりあえず行けるところまでは行ってみます。ここは車は通れませんが歩行者・自転車なら通れる通路を確保してあるがけ崩れの現場でした。バイクで通って良いものか思案していると、向こう側から工事のおじさんが「やばいのぉ、って思ったら声かけてください」と言ってくれたので、遠慮なく行ってみました。

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無事通過。大きいバイクだと厳しい、GROMでもサイドバッグ付きだとアウトでしたね。

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今日のメインの目的は、海上自衛隊の第一術科学校の見学。年明け初めの最初の回なので貸切(マンツーマン?)かと思ったら、30人くらいの見学者が集まりました。県外からも結構な人数がこられていて、ここの人気と特殊性が伺えました。江田島の第一術科学校は日本に4つある海上自衛隊の術科学校の中でも、砲術・水雷・掃海・航海・通信等の艦艇術科などを学ぶための施設なのだそうです。それとは別に幹部候補生の教育も行われています。

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こちらは大正6年に建てられ、戦前の海軍学校のころにも使われていた、術科生や幹部候補生の入学や卒業の式典を行うための大講堂。ささやき声でも響く石造りの大きなホールです。

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幹部候補生の宿舎。こちらは明治26年の建物。講堂といい宿舎といい、明治大正の贅を尽くしたといった印象を受ける建物です。

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入り口に「幹部候補生学校」の表札が掛かっています。

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戦艦陸奥の第4主砲。術科の勉強用に、陸奥の砲塔を取り替えるために外したものをこちらに設置したそうです。陸奥はその後、岩国沖で爆発して沈没しています。

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先ほどの東西に長い宿舎の側面には幅100m以上ある廊下を見通せる通路があります。日の差し方など条件が揃ったらもっと絵になる箇所でしょうね。

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当時のお金で1本1000円だったという柱の並ぶ教育参考館。施設見学の時間の大半はこの中の展示物を見て回る時間になっています。明治期の海軍の創設から戦後に至る歴史に伴う人物・出来事などを自分のペースで見学できます。

知覧の特攻平和会館はこれでもかというくらいの特攻隊員の遺書や手紙が展示されていて圧倒されてしまいましたが、こちらでは各都道府県出身の特攻隊員の写真や手紙が見やすく展示されていて、平均年齢で20歳にも満たないという特攻隊員の決意や家族への気遣いなどを直筆の書簡から知ることができます。みな達筆なことにも驚きます。

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屋外展示のひとつ、特殊潜航艇。特攻用ではないのですが、戦果も生還も難しかったとのこと。

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他にも日本海軍が世界に誇る酸素魚雷や、

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建造はしたものの使用されなかった特殊潜航艇「海竜」のスケルトンモデルなどの展示があります。

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集合/解散場所の江田島クラブの2階にも現在の会場自衛隊に関する展示物があるので、早めに受付を済ませても時間をもてあますことがありません。中でも目を引いたのが、屋外に向けられた測距儀!測距儀というのは、戦艦大和の艦橋のてっぺん付近についているアレ。砲塔の左右に張り出したアレ。昔から覗いてみたくて仕方がなかったのですが、これはちゃんと屋外の風景を見ながら距離を測ることができます。

左目の視界で対象物を見て、右目の視界で上下にずれて見える対象物がぴったりと揃うようにダイヤルで調整すると、距離がわかるというもの。面白くて、外のいろいろなものまでの距離を測りまくってしまいました。

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3インチ砲のカットモデルは炸薬の量に驚きました。これに火が点くなんて、薬莢内は大変なことになるんですね。

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艦対空ミサイル、シースパローや無人標的機の展示なども。

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第一術科学校に思わぬ長居をしてしまいました。次の目的地は、江田島最高峰の宇根山(野登呂山)。地図を見る限りでは山頂まで車道が続いているかのようでしたが、山頂の手前300mほどで舗装道路が終わっていて、最後は徒歩で登ることになっていました。

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帰ろうかと思いましたが、ここへわざわざ来た目的もあるので歩いて登ります。それなりに急な傾斜道を10分も歩かないうちに、山頂が見えてきました。

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山頂付近のものすごく古そうな八角形のコンクリート柱には「天測点」と書かれたプレート。天測点は全国48箇所(現存43箇所)の天文測量のための観測点ということを以前何かで知ったのですが、その中のひとつが江田島にあるということで訪れてみました。

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そのすぐ脇には三角点を示す標柱。

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全国974箇所、広島県内17箇所の一等三角点のうちのひとつだそうです。

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天測点や三角点があるということは、以前は開けていたはずなのですが、その後景観の望めない山になったそうです。現在は南の海側が整備されて、しまなみという言葉がぴったりの風景が開けた場所になっています。

が、天測点や三角点マニアの方以外にはこれといってお勧めというような山ではありませんでした。

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来た道を戻ります。ハンモック吊り放題だわ。

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途中の登山道路からは江田島湾と江田島越しの呉の街並みが見渡せます。ここはなかなか良い眺め。

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初めての道をつないで走りながら、ふと水平線付近を見ると、蜃気楼が。夏場は見ることがありますが、こんな寒い日でも見られるんですね。

 

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能美島と倉橋島をつなぐ早瀬大橋も普段見慣れないようなアングルから。このあたりもかなり深い道まで走りこんだと思っているのですが、まだ開拓しきれていません。

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古い方の音戸大橋をくぐって思い出しました。音戸渡船!

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というわけで、橋を渡らずに渡し舟で本州へ戻ります。大人100円+バイク200円の300円かと思ったら、バイクにライダー込み料金設定でした。タンデムだと300円。多分。午前5時半~午後9時までというのはなかなか気合の入った営業時間です。

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本州と倉橋島の間は泳いで渡れそうな距離ですが、ここ「音戸の瀬戸」は急流で有名な難所。500mほどの狭い水路、その前後はブラインドのS字になっています。おまけに広島~松山間の最短路ということもあってかなりの交通量。

浮き桟橋で直前に本州側へ行ってしまった渡船を待ちますが、浮き桟橋自体かなり揺れています。

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時刻表というものはなくて、対岸にお客さんが現れたら渡船が戻ってきます。写真では左から右へ潮が流れていて、舟が斜めにドリフトしまくりながら浮き桟橋へ近づいてきました。

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接岸、といっても船の側面を浮き桟橋に押し当てるのに、船頭さんがロープで引っ張っているだけ。隙間から海が見えるような状態で、バイクを甲板に載せます。これならNUDAでもいけるかなと、「バイク」というのがどのくらいの排気量までを指すのか聞いてみたところ、船上で方向転換できるものじゃないと困る、ということで最近は250ccもお断りしているとのことでした。やぶへびでした。

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船上ではバイクを固定するわけでもなく、前後方向に乗下船のための開口部がありますから、ギアを入れたうえにブレーキレバーを握っておかないとちょっと不安。

流れる潮に抗いながら、対岸まで1分少々。こちらもロープを引くおじさんの腕力でGROMの運命が決まってしまいます。

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アレイからすこじま」に寄りました。ここからはかなりの近さで海上自衛隊の潜水艦を見ることができます。今日は年始なこともあってか、8艇も浮いていました。

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帰り道ついでに、灰が峰へ。遠くは四国から近くは眼下の呉市街だけでなく広島の市街地までも見渡せる展望です。新しく設置されたキャッシュをゲット。

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8時半スタートの16時終了といった感じで、さらに途中2時間半も第一術科学校見学を込みにした距離を稼ぐようなツーリングじゃなかった割には楽しめました。写真を撮りませんでしたが、GoogleMapsの衛星画像で見つけた沖美町のオレンジラインだったかオレンジロードも、実際走ってみると抜群に楽しい道でした。江田島、冬の間にもう一回いってもいいかな。

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