VTR250 キャブ清掃

4ヶ月前に購入して一度ジェット類の掃除はしましたが、先日乗らせていただいたインジェクションVTRの滑らかな加速に比べて低回転でガサガサする感じもあったので、また蓋でも開けてみようとキャブを外しました。

前回はフロート室内の掃除だけでしたが、今回は時間的にも余裕があるのでこの汚い外側も清掃します。

別に塗装やコーティングされているわけでもないので、パーツクリーナーかけてワイヤブラシでゴシゴシ。ひどい腐食も消えてそれなりに綺麗になりました。組んでしまえば外側からはほとんど見えないパーツなので、これを綺麗にするのは気持ちの問題ですね。

ガソリン臭の漂う作業なのでシャッター解放で作業していますが、2月だというのに夜間にこれができるのはありがたい。

前回フロート室内は綺麗だったのに、今回は赤い粉のような堆積物。サビ?今考えたら、マグネットでも近づけてみて鉄粉なのかどうか確かめればよかった。

反対側も。燃料のラインにフィルタ咬まして様子見することにします。以前NSRでガソリンコックに繋がっているタンク内のストレーナーの目詰まりで燃料の供給不良があったので、このバイクも外してみましょうね。

ジェットの穴を通す工具を買っていたので、使ってみました。これまで銅線を撚ったものを使ったりしていましたがさすがに強度がないものは使いづらい。この工具は軸の途中からザラザラしたローレット加工のような状態になっているので、差し込んだあと穴の周囲のゴミを落とす能力もあります。ただ、太さもいろいろで何種類もありますが、バイクのジェットの穴掃除には一番細いものしか使いませんでした。

固形物が付着している風でもなかったので、パーツクリーナーとエアガンで掃除して、目視で穴の確認。まだ穴とジェットの番手はハヅキルーペ使わなくても見えましたよ。

なんというか、キャブレターって、必要な構造がデザインになった典型のパーツだと思うんですよね。かっこよく見せるための媚びたデザインが一切為されていないというか。バイクも本来走るために必要な部品を寄せ集めた結果の形だったのに、最近はわざわざ懐古的に見せたり逆に未来的に見せたりするためのデザインのためのデザインの塊になっているように思います。もっとキャブレター的な魅力のあるシンプルなバイクが出てきてもいいんじゃないでしょうか。時代は繰り返すといいいますが、そういう時代は来ないのかしら。

チョークケーブルの二股部分。VTRはキャブレターが横並びではないので、チョークケーブルが途中から2本になっています。購入以来、チョークが引けてないな、とワイヤ切れを疑っていましたが、分解してみたらこのジョイント部分が1本抜けていました。

組み終えて走り出してみると、暖気が終わったと思われるくらい走ってもエンジンがバタバタいって吹け上がらない。こりゃ片肺なんだろうと、前バンクのエキパイを触ってみると全然熱くない。前側のキャブへ燃料の供給ができていないのかとまた分解の工程を思い出してガックリきましたが、もしかしたらと思ってイグニッションコイルを覗き込んでみると‥線が抜けていました。ちなみに片肺125ccでは吹け上がりませんが走ることは走ります。

VTRにお乗りの方ならわかると思うのですが、前バンクの上のタンク下、正しくはエアクリーナーボックスの下にあるイグニッションコイル、ちょっと奥にあるんです。この線が抜けていて、手では差し込めない。ラジオペンチや口の細長いホースプライヤー、その他うちにある工具をいろいろ駆使してみましたが、ダメ。結局タンクを外してエアクリーナーをずらして‥と地道に作業するのが一番の早道でした。急がば回れ。無理して作業すると傷が増えたり無駄に時間がかかったりするので、こういうケースではさっさと諦めて確実な方法をとるのが一番です。

プラシーボ効果でもなんでも、気持ちよくなった気がすれば良いと思うのです。低回転の安定化と吹け上がりのつながりが綺麗になったように思います。あんまり気持ち良いので、翌日20km/h弱で10km走る仕事にVTRを持ち込んでみました。

これまでこういう業務では最適だろうと思われるGROMやセローでも走ってみたことがあるのですが、単気筒だと極低回転でストールしそうになるのでクラッチを切ったり繋いだりしながら走るハメになって、走行後バイクの調子が必ず悪くなっていました。ところがVTRは予想に反して3速〜4速のアイドリング付近の回転数で、クラッチ繋ぎっぱなしでも問題なく走ります。ファイナルのギア比下げているせいもありますが、ツインエンジンって意外と粘るんですね。

キャブ外して清掃するだけでも、いろいろ付帯的に勉強になります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です