一体何が起きてしまったのか、というくらい周防大島へ通っています。
1ヶ月前までの僕の周防大島に対する認識は
「東西に40km、信号なしで島の中央部を背骨のように通っているオレンジロードを冬でも大型バイクで走れる島」
「英文でちょっと訳のわからないミステリーキャッシュが3個あったけれど、1つアーカイブされて2個だけになってしまった残念な島」
「海が綺麗な以外とりたてて何もない島」
だったのです。でも、ジオキャッシュを置いてみようと思い立っていろいろ調べてみると、何気に訪れてみたいところがたくさん見つかる。設置しにいくとさらに島の深い文化が見えてきて、さらに置きたくなる。置きにいくとまた面白さがわかってきてさらに‥の連鎖が始まってしまいました。
Googleマップで訪れたいところに緑の旗マークを立てて、現地でチェックしたらハートマークに変えてるのですが、これまで旗なんて1本も立っていなかった地図が、もうハートマークでぎゅーぎゅーです。
というわけで、今回は朝からハイエースにセロー2台積みであやのすけさんと巡ることになりました。
今回もピンスポットで訪れたい場所があらかじめ確定した状態で来たので、迷うことなく最初の目的地、庄地の灌漑用地下水道へ。あ、ここは住所が特定できずに実は少し迷いました。坂道を歩いていた現地のおじいちゃんに場所を大雑把に教えてもらいました。
300〜500年程前につくられた、総延長160mにも及ぶ灌漑用の水路が山の手の耕作地に埋設されている、っていうんだから面白そうじゃないですか。
水路そのものは地下なので、目に見えるのはその水の出口と周辺の石垣です。
子供なら潜っていけそうな、石垣で固められた穴が奥深くまで続いていて、今でも水が流れています。
そこから200mも進まない道路脇に設置してあった案内板を見ると、古墳群があるそうです。これはノーチェックでした。「大雑把な地図だなぁ」とあやのすけさんが指差しています。
大して期待もせずに竹林へ入ってみると、おおお、なんだこりゃ。一号墳。
二号墳。
三号墳。人ひとりが安置できるだけの空間が今でも確保されているじゃないですか。現存しているのは一・二・三号墳と、少し離れたところにある七号墳ということですので、ついでに七号墳にも行ってみました。
こりゃスゴイ‥。
ものすごくしっかりと玄室が残っています。今回、庄地の灌漑用水路にキャッシュを置きに来たのですが、こっちの方が断然スゴイ。ホント、この島とは50年近い付き合いなんですけれど、全然知らないことばかりで驚かされます。面白いなぁ。
この日、午前中はとても暖かく、走ると程よくひんやりというとても気持ちの良い気温。
3週続けての石風呂シリーズ。1週目に「家房の石風呂」・2週目に「地下室の石風呂」と巡ってきましたが、久賀(くか)にも石風呂があるということで立ち寄りました。
ここは道を挟んで民族資料館のあるところで、環境も整備もとても整っています。先の二つは管理されているのかされていないのかわからないような、勝手に中に入れる状態ですが、ここは立ち入り禁止となっています。昭和初期まで使われていたそうです。
その近く、周防大島最大瀑布の延命の滝へ。5分ほど気持ちよく樹間をトレイル。
これが、最大瀑布。落差22mですが垂直じゃなくて岩肌をツラツラと水が流れてくるという感じです。僕が訪れた感じではこの島は水には恵まれた島という印象ですが、昔から水には悩まされたとのことで、先の灌漑用水路もその表れだと思います。しかし、他で水が枯れてもこの滝だけは枯れることがなかった、ということで地域の支えとなった滝なのだそうです。
滝の水源となっている周防大島最高峰、嘉納山(691m)へ。
舗装道路の終点の登山道から登ろうと思ったら、その先にほぼ標高差のないフラットダート(車の轍があったのでおそらく整備用車両の通る道)がつづいていたので、さらに山深くまで進んで別の登山道入り口へ。こんな600m近い山の上でダート走行が楽しめるとは思いませんでした。
かなり標高の高いところまで上がってきたので、歩いたのは10分程です。
嘉納山山頂。8角形のコンクリートの台座がありますが、戦争時代に電探が置かれていた基礎だそうです。
山頂でラーメンタイム。箸を忘れてしまったので、小枝をブッシュクラフト。
ラーメンを食べるまでの間に九人もの人に山頂で会いました。結構な人が山歩きしているんですねぇ。
今回嘉納山へ登ったのは、ここに昔から設置されているミステリーキャッシュを探してみよう、という思いがあったからで、あわよくば見つけられない報告をあげて管理されていなさそうなこのキャッシュをアーカイブしてもらおう(そしてここに自分が設置しよう)という狙いがあってのことでした。が、藪漕ぎすること5分、8年間誰も見つけていなかったキャッシュを見つけてしまいました!まだスマホアプリもないジオキャッシング黎明期の2005年に設置されたこのキャッシュに敬意を表して、これはそっと元にもどしておきました。
嘉納山のミステリーキャッシュは、あります!
新設したキャッシュをあやのすけさんに巡ってもらおうと千本桜の海沿いを走っていたら、通行止め。バイク余裕で通れるのに「ダメ」と言われて超迂回。前週は普通に通れたのになぁ。
3週目にして初めて海の中に建つ鳥居を見ることができた厳島神社。片足陸上にあって、微妙だけど。
スタービーチであやのすけさんがキャッシュのメンテナンス。ちょっとした一工夫でビーチを守る防波堤もおしゃれになる好例ですね。
四ツ小島を東側から見下ろす高台に、新たにキャッシュを設置。
新明和PS-1の見えるキャッシュ‥そこGZです。
戦艦陸奥記念館。なんだかんだと立ち寄れる場所がたくさんあります。
トンボロ現象で渡れる真宮島の、渡れない状態を見にきました。
ほんとに渡れなくなっていました。サンダル履きならまだいけるかな。
朱の鳥居が海中に、というよりは港の中にポツンと建つシュールな風景。白鳥八幡宮。
島内のあちらこちらに史跡や名勝の案内板を見かけます。周防大島について調べていくと、島を語る上で避けて通れないのが「四境の役」です。大雑把に説明すると、幕府軍が幕末に今で言うところの下関・岩国・益田・周防大島の4箇所から長州を攻め込んだのですが、その長州征討の火蓋を切ったのがこの大島口の戦いで、島のあちこちには古戦場が見られます。ちなみに、「長州征討」というのは幕府側からみた呼称で、長州側からみると「四境の役」となります。
四境の役についてはこちらで学ぶことができます。当時は6万人近い島民が住む海上航路の要衝というのも、今の島の姿を知る目で見ると驚きです。
この島で登っておくべき山は5つと踏んで、そのうちのひとつ、源明山(625m)へ登りました。この山もバイクを停めたところから登りで15分ほど。軽く息を切らしながら登った頂上には「四境の役大島口戦跡碑」がありました。展望はそれほどでもありません。
周防大島唯一のダム、屋代ダムはダムカードを貰えるのか伺いに管理棟へ立ち寄ってみると、「3kmほど下った日本ハワイ移民記念館へダムへ行った証明写真を持って来い」と書いてありました。でも、今はコロナ禍の影響で、返信用切手を貼った封筒を日本ハワイ移民記念館備え付けポストに入れておくと郵送でダムカードを送ってくれるようです。
セローについて。
テクニクスのリアショック・フロントスプリングを入れてYZのフロントマスターシリンダーを入れて調整した、というのが今の足なのですが、もうね、猛烈に楽しいバイクになりますよ。ノーマルが「オンもオフも走れる。」という感じだとしたら、この足まわりのセローは「オンは攻め込んで楽しいだけじゃなく、平坦地の直線でも腰の踏ん張りと前へ出る感じが楽しく、オフも安心してアクセルを開けていけてブレーキもしっかりとかけられる。」マシンです。エンジンが上の方で回らないというネガな面も中回転域をうまい具合に繋いで走れば十分楽しい。乗る度に「ヤバい、もうコレで良いんじゃないか‥」と言う声が頭の中で漏れ聞こえるのはあやのすけさんも同様のようです。どこでも走れて、どこを走っても楽しい。
で、「いやー、今回も朝から夕方までたっぷりと楽しみましたねー‥と」か話していると、車を停めた大島大橋の袂の駐車場から海へ続いていそうな階段を歩いていくカップルが見えました。なに、ここから海へ降りられるの?
お。なんだこりゃ。恐ろしいくらい不等ピッチの急階段を降りていくと、大島瀬戸を轟々と流れる海流を間近に見られる護岸まで出られます。
この日、周囲の海一帯に波頭がたつくらい風も強烈で、とても豪快な風景が広がっていました。
来れば来るほど深く深く文化と歴史と魅力とが紐解けてくる周防大島‥もし来週4週目を迎えてもまだ飽きずに楽しめそうな勢いで、むちゃくちゃ面白いです。今日もうひとつ分かったことは‥曇天よりも晴天の方が何倍かこの綺麗な海に囲まれた島を楽しめる!ってことでした。是非晴れの日に、青い空と青い海、30個を超えたジオキャッシュを巡るのを楽しみに訪れてみてください!
[…] 2021/02/28 SEROW 山口県東部沿岸ツーリング 2021/03/06 SEROW 3週連続の周防大島 2021/03/24 GROM 桜を見る会2021 2021/03/30 GROM 桜を見る会第2部 2021/04/03 GB250 […]