KTM 390 Adventure R パラボラアンテナと石灰岩

地図でダートを探していたら、山口県の徳山の山の中に防空砲台跡があるのを見つけたので、そこに立ち寄りながら山口県を横断して角島まで行こうと早朝家を出ました。

平野部で0度でしたから、山間部の気温はきっとそれ以下だったんでしょうね。グリップヒーターなしでもハンドルカバーでなんとかなりましたけれど、指先は冷えました。

山道に入ると、朝靄の舗装林道に差し込む光が神々しくて、眼福。

目的地の杉ヶ峠(すぎがたお)防空砲台跡に到着。

広島湾の対艦船用のカノン砲の砲座とはまた違った形状をしています。5インチ(12.7mm)高角砲ということで、弾薬庫も少し小さめ。

なぜ徳山に?と思ったら、近隣の山に設置した探照灯や聴音機と連携して徳山の海軍燃料廠の防空用に設置されたそうです。3座あったようですが、現在はこの1座が残るだけです。

水不足でどこへ行ってもダム湖は満水位ラインより下の岩肌が見えている状態です。ここから上限ラインまで水で満たされた時の水の体積とその重さと、それが下流域に対して物理的に持つパワーとを考えると‥ダムによる治水の大切さが見えてきます。

石風呂は僕のブログにちょいちょい登場しますが、こんな山の中というのは珍しい。岩野谷の石風呂。鎌倉時代前期のころのものだそうです。

中を覗くと、4人くらい入れる広さ。熱した石に水をかけて、その湯気に浴するという方式。お風呂も皮膚をお湯に浸けます、熱い湯気に肌を触れさせるということも体温をあげたり疲労回復といった似た効果を得るのか。

島の石風呂は水が確保しづらいから、という理由がありますが、ここはすぐ前を川が流れています。浴槽を使った風呂を使わなかった、なんらかの理由があるんだろうな。

子どもの頃山口県民だった僕は、県庁所在地の近くにあるこのパラボラアンテナに、ものすごい未来を感じていました。山口市の山口衛星通信所。パラボラとは放物線のコトです。

いつも(夏場)は家を4時や5時に出発することで到着する時間が早すぎて前を素通りなのですが、冬場の朝7時過ぎに家を出てここへ到着すると、なんとゲートが開いている時間じゃないですか。

KDDIパラボラ館が見学できるじゃないですか!

うれしいなぁ‥ずっと立ち寄ってみたいと思っていた施設でした。

特に予定も決まっていなくて時間に追われていないというのはこういう時に良いですね。ガイドさんにものすごく丁寧に案内していただきました。最前列左のシートは、つい数ヶ月前に宇多田ヒカルのMV撮影でご本人が座られたそうですよ。

静止軌道の36,000kmからは地球表面の1/3の範囲を通信エリアとしてカバーできるので、インド洋・太平洋・大西洋上に衛星を設置してしまえば全球がカバーできます。もともと旧KDDの衛星通信施設は太平洋上の通信衛星を使ってアメリカと通信するために茨城県に設置されていましたが、太平洋だけでなくインド洋上の通信衛星とも通信ができるエリアにあるということで、ここ山口県に衛星通信所が設置された、という経緯があります。

話を伺ってからアンテナをみると、その向きからそれぞれの狙っている通信衛星の存在に気付かされます。

スターリンクの法人・自治体向けStarlink Businessのアンテナが展示されていました。民間向けよりも一回り大きく、帯域も広いんですね。

北九州を母港とする海底ケーブル敷設船、KDDIケーブルインフィニティ号。特殊な形状をしているのは、海底ケーブルを搭載できるようにするためで、

5000km分のリールが船底に内蔵されています。

昔から疑問に思っているコトのひとつで「日本海溝とかケーブルがプラーンとなっているんですか?」とお尋ねしてみたら、「海底を這うように敷設します」だそうです。8000mくらいの深海までケーブルを這わせているのだとか。

これ、解体したパラボラアンテナの中央の軸部分の送受信機。

三菱製のアンテナはフレーム剥き出し。

NEC製は裏にカバーがある。このタイプは南極に設置されているものと同等で、昭和基地へ赴任する方はここのアンテナで研修をしてから南極へ向かうそうですよ。

一番大きなアンテナ2機は、最初期に通信アンテナとして使っていましたが、衛星の出力向上に伴って地上のアンテナもここまで大きくする必要がなくなったので、今は国立天文台(NAO:National Astronomical Observatory)に譲渡されて電波望遠鏡として利用しています。

基本的に通信アンテナは常に衛星の方を向いていますが、この2期は好き勝手動いて星の観測をしているわけですね。ただ、観測精度を上げるために、この2機は大体同期して同じ方向を向いているそうです。

いろんなパラボラアンテナの、それぞれの役割を伺えて大満足。訪れた際にはぜひガイドをお願いしてみてください。

川沿いは土手道を選んで走り、

林道を見つけては潜っていく。全然西へ進めない。

1週間ほど前に秋吉台の野焼きがニュースに取り上げられていました。

観光地って、まずは「普段通り」をみるのが基本ですが、普段通りも見慣れてしまうともうそこへ訪れる意味が薄れてしまいます。そこで野焼き直後の秋吉台を訪れてみたのですが‥普段通りじゃなさが半端ない。

初めて秋吉台をみた時と同じくらいの衝撃。いや、普段通りを知っているからそれ以上かも。

黒と白の世界。

が、遥か遠く、見渡す限り全てがこれ。

いや、あらためて春先の若葉の秋吉台を訪れることに、意味を持たせられるな。

大正洞の食事ができるお店でシンプルなゴボ天蕎麦。ゴボ天に濃い味付けがしてあって美味しい。

カルストロードの途中からダート経由で西へ。荒涼とした景色に突っ込めます。

銀を掘っていた坑道。秋吉台を挟んで反対側には銅山跡もあります。石炭の坑道も近くにあって、この辺りをテーマに周辺散策してみるのも楽しそうです。

お邪魔します。

ここは長者ヶ森のその奥の山の裏側、って言ったらいいのかな。カルストロードから見える山の稜線の向こう側って言ったらいいのかな。秋吉台の西側の山の裏手。野焼きはその辺りまで行われているんですね。道は荒いですが近くまで車であがってこられます。写真の道は駐車場から歩いてくる歩道ね。

ドリーネ。

ドリーネ。

石灰岩が雨水の侵食ですり鉢上に侵食されたもの。下草が焼き払われているので普段よりも観察しやすく、あちこちでみられます。

広島に住むようになって、信州と比べるととんでもないスケールで異世界感を味わえる場所がないなぁ、って思っていました。秋吉台も最初は良いのですが、カルストロードを走るだけでは5分で異世界感も終わってしまいます。

でも、季節を変えて、歩けばよいじゃない?ということに気付かされました。

先ほどは西側に居ましたが、今度は秋吉台東側から秋吉台を覗いてみます。

ぐは。みたことのない景色だ。どこまでも黒々とした世界に敷かれた道。

この道がなければ、恐ろしく不安になるだろうな。道はどこかと繋がっているという安心感がある。

決してA級グルメには勝てないB級グルメ、でもA級に勝る満足が得られることもあります。ここなんか全然観光エリアじゃないけれど、僕には最高に響くものがあるなぁ。何もなくて、何もかもがいい。

小一時間ほど歩きました。どこを切り取っても、いい。

んー、春に再訪問だなー。また全然違った色になっているんだろう。

展望ベンチ、夏あつそ。

いつのまにかカルスト台地って草原の中に散らばる白い羊のような石灰岩の路頭というイメージが出来上がっていますけれど、僕らが知っているそういう景色は作られた景色で、本当だったら秋吉台も雑木林なんですよね。上の写真はそれがわかる境界線。

大草原は野焼きを行って草木の成長を抑えているから維持できている。不思議なのは四国カルストにしても阿蘇にしても、草原は牧草として利用するためですが、この秋吉台の広大な草原は何のためなんでしょうか。観光のため?

ということで、日の短い季節ということもあってタイムアウト。またしても山口県斜め切り失敗。角島まで辿り着けませんでした。

車高下げした390AdventureRで初めてのロングランでしたが、どこを走るのも我慢の必要がなくなりました。これについては別記事書きます。諦めかけていた林道も、足が届くようになったことでジタバタしやすくなって、フラット林道だけでなく藪漕ぎ系もこれならいける!

季節外れの秋吉台が思いの外、楽しくてびっくりしました。この季節に秋吉台まで足が伸ばせるのも、390AdventureRのおかげ。これまで何年もその機会があったのに、一度も訪れたことなかったもんな。

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