KTM 390 Adventure R 緑の昭和の日

昭和の日。天気予報では終始曇り空という、春の新緑と走りを楽しむには残念な予報です。それなら屋内イベントで温泉でも楽しもうと、あやのすけさんにお声を掛けて、日本海方面へ出かけてました。

待ち合わせはキハの置かれている安野花の駅公園。少し早く到着したので、キハを丁寧に観察してみることにました。

並型自動連結器。この時代の車両なんて1両だけでも無茶苦茶重たいだろうに、指の第一関節の先みたいな連結部の嵌合だけで別の車両を引っ張ることができる強度があるというのがすごい。

車両下側を覗き込んでみると、台車と車体は密着しているわけではなくスプリングとダンパーを介している。車体はフローティングマウントなんだな。

この車両はディーゼル車なので地面にかなり近いところにエンジンが吊り下げられています。

調べてみるとこのエンジンはDMH17型、直列8気筒。かなり初期のもので排気量17リットルもあるのに180馬力という、今時の乗用車よりもパワーが低い非常に非力なエンジンです。

サイドラジエータにエアを送るため横向きに開いた空気取り入れ口と強制ファン。この向きの方が跳石などの被害が少なそう。

かなり後方にあるエンジン(左側)から伸びているシャフトと、ユニバーサルジョイントを介して繋がるデフが見えます。いや、列車の車輪って車輪そのものにテーパーをつけることで左右の回転差を殺しているんだっけ?もしかしたらデファレンシャルギア不要なのかな。右に見えているこの車輪が動輪です。

後ろ側の台車にもシャフトが伸びていました。というわけでおそらく四輪駆動なのでしょう。

運転席側の台車。ひとつの台車には車輪が4つついているが、先ほどの動輪はこの左(車体後方)側の軸。

車体前方から見ると、台車の車体前方の車輪はただ転がるだけの様子。全部で8つある前後の台車の車輪のうち、動力が伝わるのは車両内側の4つ。

車輪に直接押し当てる仕様のブレーキパッド、かなりチビてる。

こちらのブレーキパッドはたっぷり。

それにしてもこの懸架スプリングの隙間の狭さよ。ほとんどストロークできなさそうだけれどレートどのくらいのスプリング使ってるんだろう?

こうやって動く仕組みを考えながら台車を観察するのはとても面白い。あ、こうやって鉄ちゃんって生まれていくんだろうか。台車に萌える鉄道マニアって、何鉄?

あやのすけさんと合流して、とりあえず温泉を目指して山へ入って潜っていきます。山が春の色をしている。

春の色というのは若葉の色だけを指すのでなくて、これから若葉が生えてくる木々の、なんとも表現しようのない少しだけ暖色を含んだグレーのことを言っています。昔は春の山は藤色っぽい紫色に見ていたな。

林道を見つけたら、とりあえず突っ込んでみる。いくつか抜けられる道も見つかって盛り上がってきました。

この道はここで終わっていた。

向きを変えようと思って地面をよく見ると、虫の巣なのか水玉の光る網があちらこちらにかけられています。小さな世界を踏まないように壊さないようにUターン。

春のツーリングだと思って選んだ服装のせいで、GW前の日中だというのに10度に届かない気温の中、寒い思いをしながら走る羽目になってしまいました。

温泉が目的で家を出たのに、相変わらず寄り道ばかりしてなかなか目的地へ辿り着けず体は冷えるばかり。

ただ寒いおかげでところどころで桜もまだ楽しめる。そのそばに黄色い木があったので近づいてみると、もみじでした。根元側は紅葉していて、上へ向かうについれてだいだい色から黄色へと色を変えています。この木は1年中こうなのかしら。

素の木の形をそのまま活かした柱の鳥居。あやのすけさんと行動すると、神社巡りの頻度が高まって楽しい。

ヌルヌルのお湯がとても気持ちの良いお風呂だったので、今回は美又温泉に再訪してみました。(写真はその後訪れた有福温泉)

相変わらずのヌルヌルの湯で、手のひらをお湯の中で擦り付けると潤滑剤がいつまでも取れないような感触がする。それなのにお湯の見た目はサラサラだし、風呂から上がると体もサラサラ。とても不思議なお湯です。

前回訪れた際に、「いつまでも湯に浸かっていられる」というか「いつまでも浸かっていたい」と感じたのは今回も変わりません。

温泉施設や温泉街の建物や場所柄や雰囲気を楽しんだり、熱いお湯に浸かったという入浴体験のための入浴ではなく、単純にお湯が気持ちよくて惹きつけられるというのは、美又温泉のお湯が本当にいいお湯なのか、僕の肌にあっているのかなのでしょう。

有福温泉にも入るつもりで訪れてみたけれど、こちらはまたの機会にとっておいて、とりあえず食事。

林道を見つけては潜っていくスタイル。

俺のノコギリを忘れてしまったので、倒木は力技で処理していくスタイル。

これまた林道目指して走っていたら、その道は風力発電機の作業道のようでした。

1本20mはあろうかという鋭い刃物のようなブレードが最高所からものすごい勢いで落ちてくる。ブレードの真下からみると大丈夫だとわかっていても巨大なものが迫ってくるのはかなり恐ろしい。

発電機越しに、海が見えました。

今月の月刊日本海は、江津の真島からお届けします。

写真じゃ伝わらない、落ちたら死ぬで、の稜線階段。

海に突き出した岩塊というか、岩塊が大量の砂で陸とつながったような場所です。

「海沿いの、ワイドな窓越しにふたりで並んで海を眺めながらコーヒーでも飲めるカフェ」を探していたのに、僕たちにはそれを見つける嗅覚が整っていなくて、コンビニでコーヒーを買って岩山へやってきました。

これはこれで。おじさんふたりにはカフェよりこちらの方が似合う。

轟々と響く潮騒に包まれながら飲むコーヒーはおそらくカフェで飲むコーヒーよりも思い出に残るでしょう。

帰りも新緑まみれになるような林道で幹線道をショートカットしながら、といいながらその林道までは結局遠回りになる道を選んで走りました。目的地がなく、強いていうなら目的地は林道なのでしかたがない。

この2台ともオフロード専用とまでは行かないまでもそれなりに悪路を走れるブロックパターンのタイヤを履いています。また、390は車高を落としている。おかげで今日は適度にスリルを味わいながらも転ばずに楽しめるような、適当な難易度の林道をいくつも走り抜けることができました。おそらく吊るしの車両では2台とも日本人には車高が高く、先がどうなっているか分からないような林道探索には向いているとは言えないバイクでしょう。

今日学んだこと。
がれ場・ヌタ場のフロント荷重は非常に重要で、スタンディングでもただステップの上に立つのではなくフロントタイヤの上に頭を置くくらいの前傾姿勢をとると、フロントタイヤの食いつきがずいぶん変わって驚くほど走りやすい。リアはその分抜けて暴れるけれど、前へ進んでいる限りリアはどうでもよく、フロントがしっかりとグリップしていればオフロード走行の怖さがなくなっていく。

あ。

人力で処理。

こちらは701は潜れても、390だと高さ的に引っかかる倒木。

帰り道のワインディングとフラットダートで701エンデューロにも乗らせてもらいました。

うん、オフロードに入った瞬間に701の化けの皮が剥がれた。超軽くて超パンチがある。飛ばしてもついてくる足。オフロード専用車って、こういうことか!と思い知りました。701も390と同じくオンロードや高速道路も十分走れるバイクだけれど、輝くのはオフロード。

反対にあやのすけさんは390のリエゾン区間の乗り味に唸っていました。オフロードも走れるけれど、道程のほとんどを占めるオンロードの乗り味が僕の390は抜群に良い。地面に張り付くように走るので、ワインディングが猛烈に楽しい。これは390だから、というわけではなくセッティングの問題だけれど。

明るいうちに帰宅して、洗車。どうせ次もヌタヌタを走って汚れるのに、洗車。洗車までをセットにして走りに出るようにしないと、気が付いたら汚れが蓄積してしまうからね。

昔TTR250を持っていたころは全然見つけることができなかった林道も、嗅覚が磨かれたのか何かスイッチが入ったのか(外れたのか)、意外と楽しめる程度には見つけることができるようになってきました。またオフロードを走るためにオンロードを捨てることもなく楽しめるマシンに行きつくことができたのは時代というか、非常にラッキーなことだと思っています。

しばらくは林道開拓ブームがつづくだろうな。あ、夏はバイク押し引きするのやだな。

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