
10年以上ぶりにキョウちんと2台でツーリング‥10年以上って、感慨深い。以前はGROMで走り回っていたので、普通自動二輪サイズでは初めてのペアツーリングです。
実は9年前の2017年に、V-STROM250は発表と同時に購入しようとショップへ行ったくらいには興味のある車両でした。その時はたまたまV-STROMの隣に置いてあったツーリングセローを購入した方がそれまでとは違った世界が見えるんじゃないかと、ショップを出る時にはセローのお買い上げ明細を持っていました。
その後は見事にオフロード・アドベンチャー寄りの生活になっていくことになります。
あそこで、あの店でV-STROMの隣にツーリングセローが置いてなかったらVストを買って帰っていた可能性が高いです。そうなると走る道もバイクライフも今とは大きく違っていたことでしょう。

毎年6月には暑さの中休みがやってくる。
5月に「いまからこんなに暑くてどうするの!?」と思っても、一旦6月には暑さの落ち着く時期が来ます。気温をみると実はそうでもなくて、本格的な夏へ向けて自分が暑さに対して構えてしまうからそう感じているだけなのかもしれないけれど、こういうのは数字より体感的なものの方が重要です。自分が過ごしやすいと思えばたとえ暑くても過ごしやすいことに変わりはない。
春が終わって初夏を迎え、山の緑が濃いのに、暑くない。気持ちが良すぎて写真も撮らずに一気に津和野まで走りました。

「農家レストラン むつみ キッチン ばぁ~ば」という道の駅のような施設の食堂に立ち寄りました。ここで印象に残るのは、料理の味よりも店の名前のとおり従業員の方が皆おばあさんなところです。物産店のレジも、調理も、中居さんもみんなおばあさん。
じぃ〜じはここでは働けない。

お、ハブステアリングですか。

雲林寺、というよりも「ネコ寺」の方が名前の通りが良いかもしれない。



猫愛に溢れてるお寺。何かにこだわりを持って突き抜けると、普段人が立ち寄らないようなところでも人が足を運ぶようになるってことの好例・典型だと思います。

僕はこの、宗教を超越した看板が好き。

さて、この日のとりあえずの目的地は壠(グロ)。

グロとは、この半島一帯にだけある、何のために作られたのかは分かっていない石垣群です。何かを囲っているようにも見えるけれど囲い切れている様子もなく、囲いの外にもただただ壁のように石が積まれていたりして、その労力を考えると何か目的を持って作ったのでしょうけれど、いまひとつ謎。
西暦600年台のものだという話もあるのですが、石の構造物というのは驚くほど時間を越えても耐えうる強さがありますね。

このアーチの門が象徴的。でもよく考えたらこのアーチの穴がなければただの石垣が続くだけで、そうなるとここはこれほど惹きつけられるものでもないように思います。
人が通れる穴がひとつ開いているだけで、長い石垣の意味を考えさせられてしまう。これって何かに活かせそうですね。

歩いて海岸線まで向かってみました。
以前バイクで訪れた時には気が付かなかったけれど、案内版をみると驚くほど見どころがいっぱいある半島なのです。

俺の月刊日本海。
ここ数年で気がつくことになりましたが、日本海側の海岸線は本当に面白い。地理やら地質やら地学やら、理科と社会の壁を越えて大地そのもののあり様に惹かれるようになって、この海岸線もそれが見たくてやってきました。以前は海岸まで降りられたように思うのに、

大・藪漕ぎ大会。諦めた。

この地域には緑暗いトンネルが随所にあります。歩いて潜るのも、バイクで通るのもとても楽しい。夏になって日差しがさらに強烈になったらもっと気持ちが良さそうです。

先ほどとは別の石のトンネルに吸い込まれるキョウちん。こちらは山口県内でも最大級と言われる円光寺穴観音古墳。
民家の私有地内ということで、ここへ辿り着くのに入り口がわからず前回もひと苦労、今回もひと苦労です。

帰りの道すがら、桜郷銅山跡農村公園へ立ち寄りました。名前からして期待もせず、風穴があるということなので見どころはそのくらいのものだろう、と軽い気持ちで訪れました。

穴の中から10度程度の風が結構な勢いで噴き出しています。延々とひんやりした風に身体を晒せて、これはイイ。

案内板を見てみると結構な広さで銅山跡が遺されているらしいので‥ってちょっと歩いてみたら急斜面に城跡のような水選鉱跡がドーン!これはすごい。
この上に露天掘りの採掘場跡がある、と案内板に書いてあるのですが、山道の階段は見る者を拒む勢いの急傾斜で、登るのは端から諦めていました。ところがその隣にある文字がかすれて読めないような看板に、どうも上まで回り込める車道があるようなことが書いてある。
アドベンチャーの匂いがぷんぷんと漂っています。

ご褒美のようなフラットダートと、一瞬躊躇するようなガレ気味急傾斜ダートを乗り越えて、やってきました山頂付近。V-STROM、17インチオンロードタイヤで余裕で登ってきました。

「展望所」。一面掘り出された小石の原の中にベンチがひとつ。何を見ろというのか。展望している人を展望してみました。

山の斜面はいろんなところが掘り出された小石で覆われたままになっています。採掘の不要物を積んでできたいわゆるボタ山状態です。ということはこの先に採掘場があるはずです。

突然大穴が広がっていました。写真じゃ伝わらないやつ。

露天掘りの採掘場跡は、本当に山の上かがゴリゴリと力技で掘り込んでいった様子伺えます。結構びっくりするスケールです。

ジェネリック根子岳。阿蘇に来た気分になれる。いや、なれない。

第二採掘場、第三採掘場と、真下に掘り込んでいった露天掘りの跡を見学できるように柵と周遊路が設けられていました。これは見る価値あり!だと思うのに、全然宣伝されていない。予想外に規模が大きくて、面白い。
下の駐車場から歩いて登るにはかなり骨が折れる場所だけれど、バイクなら廃道まっしぐらな道を楽しく走ってこられるし、オンロードタイヤでも上がってこられたという実績をキョウちんが作ってくれたので、ここはかなりオススメできる(いや、初心者にはオススメできない)。

さて、いつもは時間に縛られず気ままに走るところを、この日はこの時間にここへ来ることを目的にしていました。時間通りに船平山展望台。
一見、周囲を山に囲まれた盆地に見えるところですが、この平原は津和野の青葉山を中心とした火山群の噴火で川が堰き止められて出来た湖があった場所で、昔は湖の底だったとのこと。

ここをJR山口線が南北に貫いていまする。津和野駅を16時過ぎに出発したSLやまぐち号がここを通過する時間です。

間近に走る蒸気機関車!
動輪が大きいので、速度の割にクランクがグイッグイッと秒2往復くらいのゆったりした勢いで力強く伸び縮みするのがよく見えます。あの回転力を得るためにこんなに大きな鉄の塊の構造物が必要なのか、と驚きもするのですが、後ろに何両も続く客車の列をみていると、それ相応のものすごい力が必要なことも分かって納得です。

この日はグロと日本海が目玉だと思って出かけたのに、ジェネリック根子岳とSLやまぐち号に全部持って行かれたなぁ。山口県って予想外に地味で面白い物がいろいろ埋まっていて、それに出会ったり掘り起こしていくのが抜群に楽しいな。

今回のトピックスはまだあります。
普段、(あやのすけ氏とツーリングしているときの)390AdventureRの燃費は26km/L台。この日、キョウちんと別れた時点での燃費、31.5km/L。
キョウちんのV-STROMの今日の燃費は「いつもより悪かった」そうです。いろいろお察しください。
V-STROM250にも乗らさせてもらいました。「平地を淡々と走る」という目的に軸足を置くなら、必要な物がぎゅと詰まっていてとても良い車両です!ツインの250ccって普段乗っているシングルエンジンのバイクに比べるとモーターのようにスルスル走って綺麗に上まで回るし、車体の重さもそれほど気にならなかったし、ダートも普通に走れてびっくりしました。飛ばして走ろうと思うと頭打ちが早いし高い回転数を維持しなくちゃいけないので、連続高速走行は疲れそう。なのでそこを狙わずに、そこを避けて走ればとても良いマシンだと思います。1話完結の映画、というより4クール50話のドラマ的な楽しみ方ができる人向けかな。



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