
梅雨が開けて、日中外に出るのが辛い季節がやってきました。
今回はtonamigon君の作成したアプリ、「風来坊」のおまかせ機能を使って、アプリに示された目的地を巡ってみることにしました。このアプリ、設定された目的地の付近に到着するまでどこの何が目的地なのかはわかりません。
おまかせ機能といっても「目的地まで何キロ以上何キロ以内」という範囲と任意の8方位は設定できます。今回は漢らしく「北方面で50km(←最大設定値)以内」という範囲で見つけてもらった場所を目指して、夜明け前に出発しました。

1時間少々かかって最初に到着したのは深山渓。ここはつい最近ジオキャッシングで知った場所で、もし初めて訪れたとしたら「おおお!」と思わず声が漏れてしまいそうな見事な多段滝に肉薄できるのがよいところです。
風来坊は目的地の方角を示す矢印と直線距離しか表示しないアプリなので、山とか川とかを間に挟んでいてもお構いなしに目的地の方向だけを示します。おかげで延々迂回させられたり、大幅に逆戻りさせられたりしまうこともあります。
深山渓も、ここが目的地だとわかっていたらそこは通らないだろう、というルートを延々走って到着しました。意外と、その寄り道したいわけじゃないのに寄り道してしまう感じとか、道中で自分由来では発見する事のできない新しさや面白さを拾うことが楽しいのです。

近頃やっと「走り続ける」だけじゃなくて「落ち着く」のもツーリングの楽しみのひとつに加えられるようになりました。これまでは前へ前へ進み続けないとなんだか1日を損しているような気分だったのです。最近、そのこと自体が損だと感じるようになりました。体力的なこともあるのかもしれません。
わざとバイクと離れる展望所へ登ったり、そこでカロリーメイトの封を切ったり、自宅で淹れたコーヒーをゆっくり味わったり、というのが全然悪くないと思えるのです。

林道が目に留まったらとりあえず踏み込んでみる→都合よく風来坊の矢印の方向へは進めない‥を繰り返して全然目的地へ近づけない。
地図上では確実に目的地方面へ向かっている林道でショートカットを狙ってみても途中から獣道になっていたりして、やっぱり目的地へ近づけない。

綺麗なドッグラン見つけた。

どこへ続くのか、急傾斜の砂利道を下っていくと、

バラスで整備された道が終わって、登山道のような道になっていました。
このくらいの道でもCRFならもう少し踏み込むけれど、390AdventureRではこの道幅で行き止まりだとリカバリーが難しいので、こういう道は先に歩いて確かめてみます。いずれにしてもこのくらいのサイズの道がCRF向けと390ADV-R向けの境目といえます。

またまた面白い林道を見つけた。

山肌を舐めるように、とはこのことだ。
どこか遠くへ行ったり、目的地へたどり着いたりしなくてもこういう道をスタンディングでトコトコと走るのがとても楽しい。

GoogleMapどころかOSMにも表示されない道だったりして。どこへ抜けるのかわからないのも面白いし。



今日は林道、豊作。
折り返しじゃなくて抜けられる、しかも全く車の通った感じのしない緑の道がたくさん見つかって、これこそこのバイクでやりたかった中国山地アドベンチャー!

俺たちのジェネリック阿蘇、雲月山(あ、雲月山はこの山の稜線の左側の画面外にあります)。

もう、1日ここでのんびり過ごすのでもいい。

この時点で、午前8時半。
東屋の下を抜ける風は少し涼しいくらいで気温はそれほどでもないのに、日差しにやられてしまう。日なたは暑い。

どうしてもこの道を使わないと目的地まで大回りになりすぎてしまう。という道には幾度も出会います。
この道は苔が生えている、というレベルを超えてる。もりもりふかふかに苔が生えていて廃道まっしぐらな道。

このラウンドアバウト、どこにあったんだっけ?と最近ずっと考えていました。島根県道5号線の途中ね。

さて、風来坊で指定された2つ目の目的地は、幻の広浜鉄道今福線のトンネルでした!渋い!
今福線は広島県と島根県浜田市を結ぶ計画で建設を進めていたものの、戦前と戦後の二度にわたって計画が中止されて一度も列車が走ることなく未成線となってしまった鉄道路線です。
トンネルや橋が貴重な土木遺産として今でも遺されています。

トンネルには中央にタイルが敷いてあるけれど地面は基本的に自然のまま。側面も全部コンクリートではなくて一部岩肌が露出している。これを通り抜けられるようにしてくれているなんて、感謝しかない。

これ、トンネルを抜けた先なのですが、おそらくこの先は川沿いに軌道を敷設しようとしていたのではないかと思います。でもこの橋の先は山も削られておらず全く整備されていません。本当にトンネルまでつくって途中で投げた、という感じが伝わってきます。

一応の僕の目的地、美又温泉さん。
美又温泉国民保養センターは2026年3月に営業を終えて、2026年12月に「美又温泉 うるる」として新しく営業を始めます。
国民保養センターのうちに入っておけばよかったと後悔しています。

夏の林道巡りは蜘蛛の巣との戦い。

この温泉街は派手に賑わっていないのがイイ。
いつもは美又温泉会館さんに入っていますが、今日はもうひとつの日帰り湯、亀屋旅館さんに入ります。

美又温泉会館さんと比べると、少し時代が現代に近い。泉質は同じっぽくて、頭を洗って流しても、「え、シャンプー流れた?」と思うくらいいつまで経ってもヌルヌルしてる。けど、湯上がりはさっぱり。日本一の美肌の湯と言われています。

足湯アイスなんて、こたつアイスに近いくらいの贅沢。夏だけど。
このお湯、亀屋温泉さんよりも熱いです。長湯ができない足湯というのも珍しいのではないでしょうか。

倒れた倒木。頭痛が痛い。今の現状。病気の病人。

俺のノコギリが火を噴いた。
倒木もこの太さになるとある程度刃が入ったところで木の重さで切削した隙間が潰されて刃が動かなくなります。そこでV字に切れ込みを入れることになるので、これだけ切るのにもかなりの時間を要します。

暑くて熱い闘いだった。でもこの先、もう倒木ないのかしら。

倒木はなかったけれど、崖崩れしてました。
崖崩れ箇所は石を埋めたり動かしたりと路面整備すれば乗り越えられそうだったけれど、ひとりじゃ面倒なのでまた誰かと来よう。
そこへ至るまでの藪漕ぎ加減も結構なもんだし、次は夏じゃない季節がいいな。


細麺の蕎麦!好き。細麺の方が、というよりは蕎麦は太くても細くてもそれぞれに良さがあると思う。
このお店は天ぷらも最後までバリバリで。うちからも程よい距離なので、リピります。

風来坊で導いてもらった本日3箇所目。お昼も随分すぎてしまっているけれど、やっと3か所目。これまた渋いところへ案内してくれる。

吉川元春のお屋敷跡なのだけれど、学校のグラウンドか?と思うくらい広い。ここも初めてだったら思わず声が漏れそうな場所。風来坊、穴場的な場所へのガイドレベル高いな。

と、思ったら地味だけれど過去の水害碑が目的地だったり。この石碑には側面に大正12年とかいてありました。
ここ以外でも、崖崩れの跡地の石碑に風来坊で導いてもいました。昔の、人が逆らえないような災害は、地名として残したり石碑で伝えていかないと、口伝ではその事実が薄れてしまいます。

だいたい行きたい方角を絞って、距離には制限をつけずに風来坊で目的地をおまかせし続けてみたところ、6箇所を巡って12時間ほどのツーリングになりました。
ランダムに設定される目的地は、そちら方面へ向かうきっかけみたいなもので、この遊びの面白いところは目的地に到着することよりもその途中で見つかる林道やら温泉やらに立ち寄りながら界隈をうろうろする事にあります。目的があるようでないような、僕みたいに「どこかへ行きたいわけじゃないけれどバイクにのりたい」という欲を満たすのには風来坊というアプリがピッタンコです。
これまで積み重ねたツーリングライダーとしての経験から、旅慣れてしまうことで目的地を決めるとそこまで最短で最も効率の高いルートを選ぶ癖のようなものが身についてしまっています。そこに風来坊を使うとそのあたりが見事に崩されて、「南のあそこへ行きたいのに、微妙にズレた向き」へ向かわされます。まじかーそっちかー!とモヤモヤすることがあったりもしますが、それが自分の想像の外にある新しい刺激にも繋がるので、これがまた面白い。
まぁ、完全に暇人向けの遊びですね。

風来坊



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