KTM 390 Adventure R 銅の記憶

最近目的地が見つからないときは「高速に1時間乗ったところから始めるツーリング」をしています。広島からだと西へ・東へ・北へ。どちらへ向かっても高速道路は途中でいくつかに分岐しているので、しばらくは楽しめそうです。

高速道路を降りた先は自宅周辺ほどの土地勘がありませんから、無目的に出かけてもそこから結構な新鮮さでルートを考えたりして楽しむことができます。今回は山陽自動車道を東へ。

390AdventureRは高速道路で追い越し車線に入らず走行車線の巡航で、燃費が30km/L超えました。もうちょっとダラダラ走れば32km/Lは超えそう。もしかしたらCRFよりも燃費良いかもな(ただしCRFはメーター補正しているのでほぼ正確、390は4~5%ほどハッピーメーター)。

府中市の近くに三郎滝というウォータースライダー状の滝があるというので立ち寄ってみました。

下流側から一郎滝、二郎滝と滝に名前がついていますが、ウォータースライダーは三郎滝のようです。途中川を跨ぐように隠れ家的な建物があったりして、奥へ奥へと沢沿いの道がまっすぐ続いています。

こういう多段の滝って遠巻きに眺めるところはたくさんありますが、すぐそばを歩いて登っていける、それどころかどこでも水遊びできるという環境は面白いですね。

二郎滝の上には金属柵があって、そのすこし上流にもロープの柵があります。誤って滝から落ちてしまわないように誰が認めるのか分からないけれど公認のウォータースライダーとして整備されているんですね。

通路と川を隔てる柵の通路側まで川の水が流れていたので、これは雨で水量が多めってことなのだと思います。

歩いて登れる最深部、三郎滝が見えました。ここからがウォータースライダーになっています。こりゃ水遊びしたい放題じゃないですか。

この三郎滝は広島県東部地域で有名なのはもちろん、地方のローカルニュースでは夏がくると定番の風物詩として水浴びの様子がテレビに取り上げられる場所のようです。

同じ広島県でも自分は西部に住んでいて気に留めていなかったのか、全然知らない滝でした。

知らない土地なので、知らない林道がたくさん。次の目的地まで、林道でショートカット。

まぁ、林道ショートカットって距離はショートカットできても、時間的にショートカットできるかは怪しいところ。

道幅が自動車の通らないサイズになってきたところで、全然使われない道なのか倒木が目立ってきました。

俺のノコギリが火を噴くぜ。

1本やっつけたあと、その先も草が茂って路面が見えないので、どうなっているか確認するために歩いてみると倒木だらけ。

その先、県道へ戻る道は絡まるように倒れた木々に覆われて藪の急傾斜‥ううん、無理だな。この道の走破は諦めました。

スイッチターンをしようとバイクを押し引きていたら、路面の凹凸にタイヤをとられて傾斜の谷側へバイクを倒してしまいました。

車体を起こそうと車体を動かそうと思ってもびくともしない。一瞬焦りましたがタイヤが穴にハマってる。

ハンドルを引いて穴からタイヤを抜いて、よいしょ。起こせはしましたが、結構重たい。390ADV-Rは装備重量で175kgとのことですが、これよりも重たいバイクだと林道では起こせない場面も出てくると思います。

僕の体力ではこのサイズで十分満足しておくのが良いのでしょう。

結局林道を経由したのはショートカットどころか余計なイベント盛りだくさんになってしまいました。

今回の一応の目的地。埋葬人骨が見つかることで発掘調査したところ、縄文時代の墓所ではないかというところに落ち着いた豊松堂面洞窟遺跡。

石灰岩の自然洞窟です。もともとは道路あたりまで岩が張り出していたようですが、道路工事の際に切り取っていたら壁面が崩壊して中の洞窟に人骨を認めたと案内板に書いてあります。

家を建てたりすることが当たり前ではない時代なら、こういう人が入るにはちょうど良いサイズ感で外光もそれなりに入ってくる穴はとても便利だったことでしょう。

地面に、折った紙。

洞窟の近くの、とよまつ紙ヒコーキ・タワーに来てみました。

子どもたちとずっと訪れたいと思っていたところのひとつです。紙飛行機を折って山頂の塔から飛ばす、なんて素敵な思い出になりそう‥と思っていたら、子供達もすっかり大きくなってしまって、家族で訪れる機会を逃してしまいました。

思い立ったらすぐ行動しないと。過ぎた時は巻き戻せない例の典型です。

川沿いの道を走っていて目の端にとまった沈下橋。思わずUターンしてしまいました。

橋がダムのようになって、橋の上流側は水がタップンタップンで穏やか。下流側はダックダクに水が流れているのです。

豪雨時には完全に沈下する前提の高さ。この日は結構ギリギリを狙えてラッキーだったのかも。

採掘で栄えた吹屋の集落の近くにある吉岡銅山跡に来てみました。以前吹屋に来た際に、吉岡銅山跡への案内板は目に止まって気にはなっていましたが、実際に訪れてみると想像を超える規模でした。

開山は西暦800年代とも1400年代ともいわれ、かつては日本三大銅山のひとつに数えられました。操業は昭和47年まで。

明治期に岩崎彌太郎がこの吉岡銅山を入手して、それが現在の三菱グループの資源や金属事業の出発点となったそうです。

初めてみるタイプの遺構。これ、トロッコの軌道を採掘で大量に出るズリから守るカルバートだったそうです(分かりやすい参考写真)。

レンガじゃないし、石でもないし、この人造っぽい石は何だろうと思ったら、「カラミレンガ(鍰煉瓦)」という建材でした。銅などの鉱石を精錬する過程ででてきた不要物(カラミ)を型に流し込んでブロック状に固めたもので、青黒く独特のガラス質の光沢と重厚感があります。

コンクリート時代以前の明治から昭和にかけての日本の鉱山や製錬所で広く使われていたそうで、これ自体が歴史を物語る遺構です。

特殊な形状なので、ここを代表するオブジェとして写真に使われるのもわかります。

敷地は広いのですが、なんとバイクで移動できる。車両侵入禁止のところには柵が用意されています。

これを見ると、カラミレンガの対角線上に斜め方向のパーティングラインが入っていて、同じ型でいくつも成型されたことがよく分かります。

‥よく分かりますとか言ってますけれど、この時現場では何でこうなっているのかが分からず気になっていました。不思議に思って帰ってからいろいろ調べてみた結果分かったことです。

沈殿池、3つの広いプール。

このギザギザした形状も意味があるんだろうなぁ。抗廃水を外へ流す前にここで金属や鉱物を沈殿させて薬剤を投与して水質を改善した、という情報がありました。

この一面だけギザギザした形状にも意味があるんだろうな。底に溜まった泥を排出する穴も開いていました。

もう、リアルマインクラフト。カラミレンガのブロックで造形し放題。

お城のようです。石垣の用途が違うけれど。

ついつい上を見上げて歩いてしまいますが、

落ちたら出られないような穴もあるので要注意です。

円形シックナー(沈降分離装置)跡。これは地中に埋まっていますが、金属で漏斗状につくられた円形シックナーは現在でも濁水処理に使われています。

三番坑へ。ダートを移動します。

三番坑と選鉱場はよくわかりませんでしたが、レンガの建物が。

トイレかな?

と思ったら、配電か何かに使われていた施設のようです。

せっかくなので吹屋地域にも来てみました。以前訪れた時は人がたくさんいる時間帯だったのでただ通り過ぎただけでした。歩いてみます。

トトロのバス停(バスは停まりません)。

自然のオブジェ。

実は昼食を摂るのを目的に吹屋へ立ち寄りました。10時半でも開いている店があって助かった。きいろい台所さん。

ネパール人のシェフがワンオペされていました。

え、カレーに豆腐?と思ったら、ネパールのチーズなんですね。

ベンガラの街。吹屋は銅山で栄えた街です。副産物としてできるベンガラを再利用しまくったので、何から何まで赤錆色。

6月下旬だというのに涼しいくらい。お昼前の人がいない街並みを散策しました。一棟一棟が当時もので、来歴が小さく掲示されています。作られた風景ではなくて、こうなってしまった景色というのがいいですね。

天気予報を信じて出てきたのに、雨降らないんじゃなかったの!?標高を上げると霧雨が降り始めてしまった。それでも林道を見つけると入ってしまう‥路面のグリップとか関係ないもんな。

あと10mで林道が終わる、ってところで倒木。

再び俺のノコギリが火を噴くぜ。

本当はこのあと温泉を目指していました。でもシトシトながらすっかり雨に濡れてしまったのでそのまま帰ることにしました。せっかく岡山県まで来たのにな。

途中から高速道路を利用していろんな走りを試してみました。タイヤの特性なのか太さのせいなのか、ワンサイズ幅を細いものにしていたBSのAX41では高速走行でギャップ超えしたときだけはどうにもできない不安感がありましたが、今回純正幅にしたミシュランANAKEE WILDは大変具合が良いです。

400ccクラスのアドベンチャーバイク、林道も高速も、もちろんオンロードもどこでも満足行く走りが楽しめる。今日のツーリングも振り返ってみたらオフロード率かなり高め。こりゃ楽しくてキケンな乗り物だな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です