
天気が良ければ宿泊機材を積んで淡路島、と思っていましたが、どうも東方面は台風の影響もあって天気が悪そうだったので西方面へ向かいました。
お盆休みだというのに、朝は寒いくらいです。いや、寒いくらいどころか寒かった。

アサメシ。関門海峡大橋。

軍艦マーチが流れてきそうな隊列でお盆の早朝から船が次々と海峡を通るんですね。ご苦労様です。

九州に入ってからもまだどこへ向かうか定まりません。
阿蘇方面は天気悪そうだしお盆休みで人が多そうだし、と福岡経由で糸島を抜けて唐津へ向かうことにしました。
九州1周をするために初めて佐賀県北部を走ったのは、VFR400Rに乗っていたころの事、記録によると’96年の8月でちょうど30年前でした。その時に九州の友達に「唐津へ抜ける峠にうまいうどん屋がある」と教えてもらって立ち寄ったのがおそらくここ。牧のうどん二丈バイパス店。
僕にとってはとても深い意味があるところ。人は生きていくだけで歴史をつくるね。

西方面に来て正解!お天気だし、気温もそんなに高くないし、夏を感じながら秋も感じる。なにより楽しいだけで、苦しくない。

唐津へ向かうバイパスは渋滞していたので、浜沿いの道に降りたのも正解。
おかげで出会えた姉子の浜。これはいいビーチ!

100万本の松林、虹の松原。
自然林なのか作られた林なのかが気になって調べてみたら、17世紀の初め頃(江戸時代の初め頃)にもともとの自然林から藩の庇護の下、植樹して増やしてできた松林そうです。
藩主は「この中に自分が愛してやまない松が7本だけある」と、どの松か明示せずに言ったそうです。そうすると住民は「もし自分が粗末にした松がその7本のどれかだったら‥」となって全ての松を大事にせざるを得ない、という圧力になったとか。面白い。

唐津市街から虹の松原から唐津湾を見晴らすことのできる鏡山。神社もありますが、今回はキャッシュを拾うために立ち寄りました。

急峻な斜面、座標めがけて降りてみたら、キャッシュは上の段だよ‥。でも、岩肌を見て歩くだけでも楽しい。

あらためてアプローチ。こんなところに御社を作るの、どうして?

思い切りカモフラージュされたコンテナでした。

展望台も、このマイクロコンテナ。

鏡山の展望台は、人生で1度は来てみた方が良いでしょう。なんというか、文句のつけようのない、唐津湾の出来すぎた景色に出会えます。
目の前に虹の松原が横たわるとか、本当に出来すぎなパノラマです。別府の十文字原展望台からみる別府湾よりもスケールが小さくて、全体を把握し切れる感じが良いです。

唐津城は海のそば。海のそばのお城って、いいな。天守から見える松原も、奥に深く続いていて見えるのでしょうね。

唐津という街の一風景。
河口のこちら側の岸は普通に住宅地なんだけれど、屋根や路地越しにお城が見える宅地っていうのもちょっと変わっていて良いですね。屋根や路地越しに六本木ヒルズが見える六本木の宅地とはまた対照的な、田舎のつくられた自然の風景でした。

今回の目的地は、RouteGrandBlue(ルート・グランブルー)という絶景ロードです。2023年に唐津城から西方面の約20km区間にこの名前を冠して人を誘い込むようになったそうですが、まんまとそれにハマってみます。
ルートGBっていうものがある事自体全然知らなかったのですが、九州のたぁさんが投稿したとある写真がきっかけになって今回の目的地となりました(後述)。

沿道の名勝その1。サボテンの先にサボテン風な岩山が見えてきました。

湊の立神岩。大したことないんでしょう?と期待していなかったら、見事にやられました。玄武岩の柱が折れて崩れてめちゃくちゃになってる!めちゃくちゃになってるー!

沿道の名勝その2。七ツ釜。ここは以前から訪れてみたいと思ってマーカーを立てていたところです。
駐車場から少し歩きます。開けた草原になっていて退屈しません。

抜けた先、玄界灘の白波に引き立てられる柱状節理群。節理の側面が見えたり断面が見えたり、それらが洗われて削られて、もうここだけでも満足。
振り返ると、

グッドクリフ(グッとくるクリフ©️みうらじゅん)!
心に迫る素晴らしい崖!

さらに崖には7つの洞窟、最深110メートルもあるそうです。
これは岩好き、崖好き、洞窟好きには堪らない景色だ。どれかだけでもパンチが効いてるのに、トリプルパンチだ。

あらためてグッドクリフを見てみましょう。
何なんですかね、何が起こったんですかね。これ、柱状節理が褶曲してできたのではなくて、一度できていた柱状節理の上に別の溶岩が冷え固まってできたんじゃないですかね。
詳しくないからよく分からないけれど、摂理の向きや角度や削れ具合が好き勝手な方向になっていて広げてしまった想像の翼を閉じることができません。

丘の草むらの中に路頭があったり、ってことはこの丘の下全部柱状節理。ゾクゾクするぜ。

角が丸まってかわいい。剥がれ落ちた岩も小銭をばら撒いたみたいになっていて、かわいい。

ルートGBから少し逸れて、イカ屋に並ぶ人の列ができている呼子の町はスルーして加部島へ渡りました。
風の見える丘公園からみる景色。高い山がないのね。だいたいどこへ行っても火山岩なんだけれど、溶岩が吹き出して横に広がって台地をつくっているんですかね。

この加部島もこれまでに数度訪れたことがありますが、今回はジオキャッシュをいくつか巡るので島の中央通りから外れたところへ行きます。
海沿いにある田島神社。

境内に置いてある石は元寇で蒙古軍の船のイカリとして使われていた碇石だそうです。これは海から引き上げたもの。こうして現物と触れると元寇も歴史の教科書の中の出来事じゃないということが受け入れざるを得ない事実として実感できます。

昔ソロキャンプした、島の北端。

昔結婚したての頃、妻と歩いた道。
九州の果てみたいなところに、ちょっとした思い出が落ちている。
ルートGB! pic.twitter.com/shpkY8L7bV
— たぁ (@Pankun_james) July 10, 2026
さて、今回このルートGBを目指すきっかけになったのは、この↑ポスト。

そして、リスペクト。
ルートGBの終着点、波戸岬。

岬を少し歩いてみました。恋人たちの聖地みたいなオブジェもありますが、気になるのはこれ。

玄海海中展望塔。日本には北海道から沖縄まで7つ海中展望塔があるみたいですね(高知の展望塔は2026年に渡り廊下の老朽化で閉鎖になっています)。

夏のツーリングって、走りっぱなしだと暑さにやられちゃうじゃないですか。なら昼間は屋内施設を観光するのがいいんじゃないか、って最近思うようになったのです。
最近は沿道の博物館や美術館をチェックしてます。

浅学寡聞なもので佐賀県の北部に10万人を超える大きな城下町があったということを知りませんでした。名護屋城城址にある佐賀県立名護屋城博物館。
展示物は写真撮影のできるものとできないものが混在していて、キャラクタービジネスに使えそうなものは軒並み撮影不可。県の収蔵物をこうしてわかりやすく展示することで、地域についてさっぱりな僕でもこの安土桃山時代の息吹が強く残っている土地柄が見えてきて大変勉強になります。

特別展示の暗室に設けられた金の茶の間(復元)は三畳に床の間というコンパクトさ。
子供の頃はこの広さにした意味が分からなかったけれど、大人になるとこの広さで人と向き合う距離感というか空気、空間になるほどな、と思うところがありますね。二畳じゃ狭い。四畳半じゃ広い。

茶器。指紋、つけたくない。

赤い障子紙には豊臣家の桐紋が並んでいました。

せっかくこの辺りに来たのですから、童心に帰って玄海エネルギーパークで原子力発電について学びましょう。ま、いつも童心だけど。

核分裂によるエネルギーの放出の仕組みとかは知っていても、それをどうやって制御して発電に使っているのかは知りませんでした。子供向けにわかりやすく展示が並んでいました。というか、これでもかという勢いで原子力発電について理解させようという熱意が伝わっている大量の展示物。
通路の壁に、スリーマイル島原発やチェルノブイリ原発や福島第一原子力発電所など、過去に事故を起こした発電所の構造と、何がどのように事故へと繋がったのかという説明パネルが並んでいて、これが大変面白かった。設計・運用・思い込み、いろんなことが重なって必然だったり偶然だったりで事故が発生して、それを検証することで同じ失敗を犯さないように取り組んでいることがよくわかりました。

一気に平戸へ。玄海町から平戸って結構面倒臭い距離だけれど、無料の高速道路規格のバイパスが通っているのでかなり楽に移動できるようになっていました。
平戸大橋の見える、ここで入浴。九州って無料のお風呂も多々あるなか、平戸たびら天然温泉 なごみの湯は1000円とお高いですけれど、お湯はアルカリ泉のヌルヌル系でとても気持ちが良いお風呂でした。

無計画に家を出たのというに自分でも驚きの完璧な時間配分で、入浴も宿泊場所のロケハンも済ませたところで生月島の西岸に日の入り前に到着しました。

当社比ですが、日本に数あるサンセットロードの中でもここはピカイチ贅沢な道のひとつだと思います。単に素晴らしい夕日が沈む水平線を眺めるだけじゃない。

太陽が沈みゆく中を走るこのロケーションが素晴らしいのです。絶壁の縁を通る道。他に何もない。
ここは過去に数々の(主に自動車の)CMで使われた場所です。

時の流れを縮まっていく水平線と太陽の距離で感じる。

あれ、水平線に沈まないのか‥。

ピンクに染まる夕映えの中、投宿も完了しました。

20時半にトイレに向かっていたら、花火が上がりました。毎年8月13日は「生月漁協花火大会」なんだそうです。20時半なんてずいぶん遅い時間だと思いますが、20時前くらいまでは西の空に明るさが残っていますものね。

雲がモコモコと出ていて、ペルセウス座流星群の極大の日なのに諦めて寝ました。
夜中の1時に起き出してみると、満天の星。古い携帯を持ってきていたので天体撮影モードでいくつかRAW撮影してみました。天の川もバッチリ写っていますね。流れ星も大小20個くらいみることができました。
予定を立てずに出てきた割には、訪れてみた2つの博物館の内容にも深く書かなくてこの密度ですからね。とにかくイベントてんこ盛りの1日でした。

翌朝。綺麗に焼けた。

アサカツ。

泊を伴うツーリングで濡れたタオルなどをどうするのか問題。
無印良品の目の荒いメッシュケースを用意してみました。濡れたタオルなどを入れて走ると、夏場はあっという間に乾きます。カラビナとサイドバッグのベルトとでバタつかないように固定してあります。全然目立たないのでこれは良いのではないでしょうか。

せっかく生月島に来ているので、島に10個ほど設置されているジオキャッシュを巡ってみます。

昨晩日が沈んだ水平線。普通サンセットロードから夕焼けを眺めるのが一般的でしょうが、この場所は高台なので人知れず夕照を愉しむのには良い場所です。

アサカツ。

生月島北部の断崖の柱状節理。こっちらもしつこいくらいに多角形に割れた岩が並んでいてグッドクリフ!

こんなにでかい観音像があるかと思えば近くに100年前に建てられたカトリック教会があったり、この辺が長崎らしくて面白い。

次に来るのはいつかなぁ。30年後かなぁ。90歳近くになってるよ。

訪れ甲斐のある地の果ての島、生月島。
訪問する度に思い出に残る景色をありがとう。

阿蘇に来なくても少しだけ阿蘇成分に満たされる、平戸島の川内峠。

草原のワインディングと海の景色が楽しめるところ。

これまでは通る度に、だからどうしたって感じがして、平戸に来てもスルーした回もありました。今回はなかなかグッと来る峠でした。
この景色、10コーナー分くらいしかないんですけどね。

タマムシ。

サスをいじろうとバイクを停めたら、足元でギラっと光っていました。子供の頃はそれなりに見たけど、大人になってからは珍しい?
ハンミョウなんかも子供の頃は珍しくなかったけれど、最近は山道を歩いても全然見なくなりましたね。

武雄市のミステリースポット、以前からマークしていた永野の風穴。バイクを降りて600mほど歩きます。最後はロープ伝いの崖登り?

もっと天然な感じかと思ったら、しっかりと造作されてる入り口。

周囲は巨大な岩が折重なっているところなので、おそらくたまたま岩がうまい具合に重なって空洞というか空間ができたのだと思います。中は6畳くらいの広さがあってヒンヤリしています。
先日九州で大きな地震があったことを思うと、申し訳ないけれどあんまり長く滞在するのも気が退ける‥。

初日の詰め込み具合はなんだったんだ?というくらい淡白に2日目終わり。もうね、このあとどこかを巡ろうにも体力的に厳しいです。
給油直後に高速道路に乗りました。そこで帰宅するまで走行する距離も時間もたっぷりあるので、燃費走行するといったいどのくらい燃費が伸びるのか試してみました。
普段特に何も気にせず走って27km/Lです。33km/Lくらい出ればいいな、と思っていたら34km/Lとかあっさり出ました。これは空気圧をあげるともっと伸びるんじゃないか?とR2.0、F1.7までエア補充。いや、普通の空気圧でしょ?って思うでしょ。普段はかなり低めで走ってます。

時速80kmでスロットルはパーシャルで加速は極力せず、減速は一気にアクセルオフ。そうしたら伸びる伸びる、2時間、140km走って最高37.4km/Lまで伸びました。空気圧の影響があったかどうかはわかりません。
バイクらしい楽しさは一切なくてただただ移動するだけですけれど、これはこれで2時間も暇つぶしができました。

バイクの燃費は伸びても人間の方はエナジー切れ。中国自動車道の関所、王司PAのうどん屋で蕎麦にゴボ天と肉を載せてエナジー補給しておきました。ここで食べておくと、残りの2時間なんとかなるんだよな。

あっさりとした2日目ですが高速に4時間ですからね、それなりに距離と時間は走ってるのです。帰宅したら朝露に濡れたテントを乾かせるくらいにはまだまだ日が残っていました。
せっかく生月島まで行ったのに、行って帰ってくるだけって感じで勿体無いようにも思いますが、まずはとにかく体力不足。
それとなんとなく巡ろうと思ったところを初日でほぼ回収してしまったので2日目の予定が立たず、どこかへいくにも南下して長崎方面、でも平戸からそっちへ向かうと帰りが面倒で、南下できませんでした。もう一泊できたら違ったかな。翌日用事があって1泊2日しかできなかったんだよな。
泊に応じて綿密に計画立てても良かったかなと思いますが、なにより複数日のツーリングを計画しても初日にエナジー全開しすぎて2日目以降がガタガタになるのはここ数年感じているところです。体力のせいでバイクの遊び方が変わってしまうのはちょっと悲しいぞ。
家を出るまでは結構よっこらしょという感じでも、走ったら色々発見があって楽しいですね。もう少し390を使い倒せるように頑張ります。



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