「静電気対策」というと、以前トヨタが自動車のバンパーに帯状のアルミテープを貼って、大気との摩擦で発生した静電気を放電することで車体の安定性を高める、という国際特許を申請したということが話題となって、一時期あちらこちらでこの手の情報を見かけることがありました。また、車体の静電気をコロナ放電する花弁のような突起の付いたボルトが「魔法のボルト(インジェクターチューニングボルト)」としてハーレー用を謳って売られていたこともありました。
先日、このボルトを取り付けている写真を見たのであらためて調べてみたところ
- スロットルボディとシリンダヘッドをつなぐインレットを固定しているボルトを交換することで、吸気がスムーズに行えるようになり、エンジンフィーリングが向上する
- 摩擦を繰り返しているフロントフォークまわりの静電気を放電することで、フォークの動きがスムーズになる
などと書かれていたので、これは試してみようと思いました。
ところがこのボルト、頭の部分に放電部を溶接加工されているものは1本2000円以上します。コロナ放電について調べていくうちに、金属のエッジや突起から放電するので、ギザギザした感じは必要ですが必ずしもボルトの先にこの花弁のような突起がある必要はないということもわかってきたので、一般的には「菊座金」という名前で売られている外歯タイプの皿型歯付き座金を購入してワッシャー代わりにボルトに挟み込んで取り付けてみることにしました。よく分からないのでM5、M6、M8の座金を調達しました。
インレット取り付け部。ボルトはM6ですが、これにM6用の座金を使うとボルトの頭の部分が皿状の広がりを押しつぶしてしまうので、M8用の座金を使って、ボルトも頭の小さいヘキサゴンボルトに交換しています。
反対側にも取り付けてみました。こちらはヘキサゴンボルトだと締め付けが面倒くさい位置なので、M6のナットの穴をドリルで大きくしてスペーサーとして使い、純正ボルトと菊座金の間に入れました。
フロントフェンダーの取り付けボルトのうち、一番後ろのボルトを頭の小さい4mm穴のヘキサゴンボルトに交換して菊座金を締めこみました。
リアサスの動きも良くならないものかと、サスに近いところでインナーフェンダーの取り付けボルトに挟み込んでみました。
合計5箇所取り付けたこの状態でいつもどおり出勤してみたところ‥エンジンはスムーズに回転数が伸びるようになった、ように思います。ガサガサいう感じがとれて、雑味のない気持ちのよい回転の伸びを感じます。
驚いたのはフロントフォークの動きで、こちらもスムーズで細やかに路面の凹凸に反応するようになったように思えるのです。このフロントフォークには以前スラストニードルベアリングを入れてスプリングの回転方向のよじれを逃がすような加工をしてあるのですが、不思議とそれ以上のスムーズさやしなやかさをフォークの動きに感じます。というか、実はスラストニードルベアリングを入れたことでプリロードがかかってしまい、理想よりもちょっと硬く感じるフォークになってしまったので、油面下げて誤魔化そうとずっと思っていたのに、今回サスの動きが良くなったので「あれあれ?これでいいんじゃない?」と思ってしまったくらいです。
こうなると他のマシンにも取り付けて様子をみてみたくなってしまいます。追加で購入したいのですが座金そのものは値段が安く、モノタロウで購入すると送料を無料にするために座金の何倍も無駄な出費をしてしまいそうです。そこでネジ屋専門店の田尾田鋲螺さんに行ってみました。
皿型のステンレス製座金はM8までしか設定がないようですが、さすが専門店、なんと在庫されていました!試しにM10とM12の平型のステンレス製座金も購入したので、効果の程を確かめてみようと思います。これだけ買っても200円少々のお手軽チューン♪
コメントを残す