CRF250L 雲と滝

広島県のどんぐり村近くの龍頭山に登ってみた。10年以上前に訪れた際、道の突端まで行ったけれど大した展望もなくて僕の頭の中の地図には全くマークされなかった山だ。

どうも展望台があるらしい。舗装道路の終端から500mほど歩くと山頂、という案内があった。10年以上前の自分、なぜこれを見落としていた?

うわぁ、と声が漏れた。

全面雲の海とはまではいかないけれど、谷間にはたっぷりと雲がたゆたゆとしている。雲の湖、雲湖だ。

いや、こういう山の谷間に溜まった雲を「雲湖」と呼ばなかったのは、読みの音の響のせいだろう。雲の池でも同様だ。

龍頭山は独立峰なので、北東から南をぐるりとまわって北西までの300度くらいの視界が開けていて、この日はどっちを向いても雲海が見えた。

ツバメを大きくしたような形の鳥が、羽を広げたままパシューッと風を切る音を立てながらすぐ頭の上に突っ込んできては遠ざかっていく。

10羽くらいいたかな。パシューッ、パシューッと空気を裂く気持ちの良い音にこの景色。時間をかけて滞在する理由には十分すぎる。

海の半島や岬を「鼻」とはよく言ったものだ。

真上から俯瞰する地図を見ているだけでは、海に突き出した地形をどうして鼻というのかわからなかった。

少し山を下ったところに駒ヶ滝という、滝の裏側に入れるという落差36mの滝がある。

確かにオーバーハングした岩の陰で滝の裏に入れる滝ではあるけれど‥これは近づくだけでびちょびちょになってしまう。夏向きかな。

よしおさんで家族分のたい焼きを買う。

出来立てを包んでもらうので持って帰るとしとしとになるけれど、トースターで軽く炙るとパリパリになったものを食べられる。

この店には朝9時の開店直後だというのに自転車のお客さんがひっきりなしにやってくる。朝の涼しい時間に広島市内を出発して到着するとこの時間、ということだろうか。お手頃な値段で食べられる甘いもの、という取り扱っている商品と広島からの適度な距離感というロケーションとがうまいことマッチしている。

夏の暑い日でも少しひんやりとする渓流、深山峡にある五段滝。結構お手軽にこんな作り物みたいに立派な滝が見られるんだな。

一回見たら良いや、と思える滝が多いなか、この滝はこの先何度見でもしたくなる滝だった。

山深いところにある白井の滝。この傾斜の緩さで、どうやってこの滝壺を掘った?と思うような、穏やかで広い滝壺のある滝。

家族連れで遊ぶには穴場ではないだろうか。アプローチが険しいのが難点だけど。最近はどこへ行っても「熊注意」という看板がぶら下がっているが、ここは山奥すぎて一般の人向けにその案内さえないくらいの山の中だ。


GW前と路傍に彼岸花の咲く季節が、バイクに乗っていて一番気持ちの良い季節と毎年思っている。この日は残念ながら動きの悪そうな雲が出てきたので午前中で帰宅したけれど、ここから2週間くらいが秋の入り口のハイシーズンになる。

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