CRF250L ハトを探す旅

周防大島のある山の頂上にあるキャッシュを探しに早朝出発しました。海側に開けた山で絶景だということもあって、ちょっとした登山も伴うのも厭わず淡々と目的地に向かって海岸線を走りました。

ところが。行程の半分を過ぎたあたりから雲が増え始め、しまいには山でもない海岸線だというのに濃霧の中に突入してしまったじゃないですか。

せっかく山に登るのだったら景色も楽しみたいところ。この日は諦めて柳井の街でも散策しようと白壁保存地区に入ったあたりで、ふとX(旧Twitter)を見るととなみごん君が「全国ハト標識マップ」というものをリポストしていました。

憧れのハト標識‥ここから1時間もしないところにある。早速この日のテーマを切り替えて、ハト探しをすることにしました。

標高の高いところへ行くのでこの日はもうずっと雲の中なんだろうと思っていたら、どうも海霧だった様子で高いところは青空が広がっていました。

6月に入りましたが朝は寒いくらいだったので、日差しがとてもありがたいです。

あった。本当にあった。

ハト標識は随分前から意識していたけれど、一度も巡り会ったことがありませんでした。

見えた瞬間、思わず口から「ハトっ、ハトっ!」となぜかハトを連呼する声が漏れました。妙に可笑しくて、嬉しい。

僕が初めて見る、立派なハト。

全国ハト標識MAPを見ると、それなりの数があるように見えるけれど、広島県にはなんとたった1つしかないようです。これに対して山口県にはハトが6羽もいる。

これは‥とりあえず山口県東部の4つを巡ってみるしかない。

道端で出会った無人販売所。目に留まったのは売られている商品ではなくて、

感性のままに書かれている文字。ポストが代金入れになっているけれど、見過ごしてしまいそう。

やさい、と書きたかったんだと思うのだけれど、かさりって書いてませんか。

ガンバル人を応援してくださっています。ありがとうございます。

タコツボとかツナギとかも売ってるんですね。野菜とかツナギは安いのにタコツボは妙に高いんですね。

標識が気になり始めると、妙にトだけでも気になっちゃう。

ひっくり返せば無理やりトノって読めるんじゃないか、とか思ってみたり。

山口県内2羽目のハト。この日見た中で一番の街なか。

周囲の様子。地元の人はハト標識全然気にしてないんだろうなぁ。

山口線の徳佐駅。抜け道を探してたまたま駅前を通りったところ、建物の昭和っぷりに惹かれて立ち寄ってみました。

単線の山口線もこの駅では複線化していて、上り線と下り線でホームが違うため跨線通路を渡ることになります。日に1往復SL山口号がここを通っていますが、蒸気機関車が山口方面へ向かうとこの跨線通路は下からモクモクと排煙に炙られるんだな。

津和野南部の盆地を往く。

もともとこのあたりは正面に見える山の向こう側へ水が流れる川の谷あいでした。ところが火山の噴火に伴う土地の隆起で正面あたりの標高が上がったため、川が堰き止められてできた湖の底に土が溜まり、それが干上がってできたのがこの盆地、ということです。川の水は向こう側(島根県側)へ流れることができなくなったので、手前側(山口県側)を経由して日本海へ注ぐことになりました。

1日に走る本数なんて限られているのに、1両編成のキハが走っていきました。

高台の展望所からは山口線が大きなカーブと直線で盆地を貫く風景が一望できた。

あ、また一両、さっきと違う向きで気動車がやってきた。

峠越えして萩市へ。

以前から気になっていた畳ヶ淵に立ち寄ってみました。

山口県内は今でこそ活発に噴火している火山が見当たらないけれど、10万年単位で遡ると結構活発に火山活動のあった土地で、この場所も40万年前に噴火した火山の溶岩が14kmも沢沿いに流れていったその中間地点とのこと。

駐車場から2分ほど歩いていくと、柱状節理の河原が見えてきました。

やぁ、これは見事な剥がれっぷり。

天然の造形とは思えないくらい、幾何学的に摂理に沿って岩が剥がれ落ちている。

奥の方を見ると削られずに残った節理の絶壁が。

摂理に沿って柱状の岩がゴロゴロと転がっています。この既視感は‥崩れていくラピュタだな。

奥の方とか、階段状になっていて、面白い。この絶壁は手前の低い部分を川が侵食することで柱の側面が露頭として現れたもの。

川が岩を摂理に沿って剥がすので、この小さな崖もどんどん上流へ遡っているとのこと。

玄武岩の摂理って全部六角形だと思っていたら、

そうでもないんですね。

基本的に全面が柱状節理なのだけれど、川の水と小石による侵蝕は摂理とか関係なく行われているので、曲線的なラインとそれにお構いなしに入る直線的なラインが入り混じって、妙に人工的に見えるところがある。

何かの意思が作為的に削って研磨したんじゃないか、みたいな造形。

3羽目のハト。

そして、このハで予告された狭路の先の反対車線に、

もう1羽のハトがいました。

ハト巡り、思いの外、面白いです。おそらく読める文字に見えるからでしょうけれど、4箇所中3箇所で、「ハトっ、ハトっ!」って声に出して笑ってしまいました。

全国は無理にしても、中国地方ならいけそうな感じがする。そして四国と九州はハトがとても希少な地域なのね。

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