翌朝、珍しく寝過ごした!
起きたのは6時14分、窓の外がもう明るくなり始めているじゃない!僕にしては珍しい屋内泊&布団泊だったものだから、その快適さに包まって朝の大事な時間を逃してしまうところでした。
起きて10分後には出発、俵山からの朝焼けか阿蘇市方面の雲海か‥後者を選んで起床20分後には阿蘇の登山道を登っていました。
熊本市街方面でにぎやかに光っているのは熊本空港だね。
前日雨だったので雲海が出るかと思っていたけれど、阿蘇市方面は朝もや程度の低い雲が地面に溜まっているという感じの幻想的なモノトーンの景色。僕は特に雲海にはこだわりはないので、どちらかというとこのワイドに広がるカルデラの絵面の方が雲海より新鮮で面白く感じます。
しばらくすると外輪山の中でも標高の高い大観峰から日差しを受けはじめて温かみのある景色に変わってきました。
根子岳の横から日が昇る。昨年も同じ時期に来て見ていたので、春や夏と比べるとかなり南側から上がってくる太陽にももう驚かない。
今回の5大目的のひとつ、黄金色のススキの原の時間が始まった。
逆光に透けるススキは本当にきれい‥昨年より1週間遅く訪れているのだけれど、昨年よりもススキの生育が遅れているのは9月10月が暑かった影響でしょう。
本当に、一面輝く黄色の世界。毎日でも見たい風景だ。
黄色に染まる。
たまに干上がっていることのある草千里の池にたっぷりと水が張っているのは前々日朝の豪雨の影響かな。
火口の噴煙は今日も穏やか。風向きも火口観光には影響のない方向ですね。
無数にクロスする板目と影。米塚を見下ろすのはこの展望所の奥の端からが良いです。
米塚にも日が挿し始めて、このまま強い立体感を見せてくれるのかな、と思っていたら、米塚は濃いグレー一色になってしまいました。
どうも山頂付近だけ雲に覆われて、太陽はその上へ行ってしまったようです。
山を下って南阿蘇。
南阿蘇は北側に比べると観光地化される度合いが穏やかで土地の生活臭がたっぷりと漂っているところが魅力だし、しかもそれはおそらく何度か阿蘇に通うことで嗅ぐことのできる類いの匂いなのだと思える。
外輪山を南側に超えてカルデラの外へ出ました。
峠を越えたら見えてくるものは今回の5大目的のひとつ、メガソーラーの太陽電池パネル。といっても、舗装道路沿いのフェンス越しでは全容が掴みにくい。
そこでフェンス沿いのオフロードを進んで少し南側から北側を振り返る。太陽パネルそのものが地形の表皮なんじゃないか、という勢いの風景になっていた。
外輪山越しの根子岳、新しい景色だなぁ‥春には緑とパネルで塗り分けられた景色になるんだろうな。
動画での詳細はこちら。
地表を人工物で覆うという点に軸足を置いて考えれば、自分たちが生ていくために道路や家々で大地を覆っていくのと大して違いはないことにこれを通して気が付かなくてはならない。そもそも人が(楽して)生きていくこと自体が自然にとって不自然なことなのです。
行けるところまで入って行くという、自宅付近の山の探索と同じようなことをしていてふと我に帰る。こんなところで何かあったら本当に帰れなくなるから自重しよう。
そうはいっても。阿蘇を深く探るのにCRFで来るのは正解だし、CRFで来るならライダーハウスを利用して荷物の重さを最小限に抑えることは、行動範囲が遠慮なく広がるという点で大正解だ。せっかくなのでその大正解を愉しみたい。
時たま狙ったわけでもないのにご褒美のような景色に出会える。
この丸い木もとても良かった。
昨晩風呂に入らずじまいだったので、早朝から開いている温泉へ。
南阿蘇の四季の森温泉は朝6時半から営業している。夏場とか外が明るくなる5時スタートでひとっ走りした後に立ち寄ったりもできる、というわけで覚えておくと便利。
露天風呂こそないけれどサウナ付き、大きなガラス張りで阿蘇ビューの大展望の浴室です。ボディソープ・シャンプー完備。
今回番外でマークしていた超長い駅名の「みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん駅」に立ち寄ってみた。
22文字の駅名は鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」と並んで日本一長い駅名とのこと。自宅の最寄駅は味気ない名前じゃなくてこういう濃さのある駅がいいな。
駅舎は八角形でとてもかわいい。車内アナウンスで駅名をちゃんと呼んでいるのかがとても気になる!
何でもないところなのだけれど、南阿蘇の道と線路が並走するこのあたり、観光者向けに何も媚びていないぶっきらぼうな様子がとても好き。
以前湧水池を巡ることだけに絞って阿蘇ツーリングをしたことでほぼほぼ全ての南阿蘇の湧水池を巡ったものだと確信していたのに、地図も見ず時間にも縛られずに南阿蘇をしばらくぶらぶら流していると、2つも知らない湧水池を見つけてしまった。
ここは以前訪れたことのある明神池なのだけれど、日当たりの良い表側のその裏にこんなにひっそりと静かで綺麗な湧水池があるのも知らなかった。
そんな湧水池の脇にあって、湧水池の名前を冠した蕎麦屋さんが丁度開店する時間だった。良い水を使っているのでしょう、期待しかありません。
その日に打っている蕎麦の枚数が決まっているようで、順番待ちの札でその枚数をカウントしている。
二八にしようか十割にしようか悩んでいたら、二つ盛りという両方の味が楽しめるメニューがありました。
奥がつるりとした食感の二八。手前が噛み応えがあって香り高い十割。どちらも甲乙つけがたい。
このお店、蕎麦湯で割ったつゆがものすごく鰹の香りが立って滋味深いのだけれど、急須から注ぐ熱い蕎麦茶が際限なく飲んでしまうくらい抜群に美味しい。水の良さもあるかもしれな。それはそれは素晴らしい美味しさ。
箱石峠を見下ろす高台から。写真以上、動画未満で現地の様子がつかめる360度パノラマはこちら。今度春に訪れたら青々とした緑の箱石峠のパノラマ写真を撮ってみよう。
箱石峠のワインディングは上りも下りもとても楽しいので、ついつい気持ちがそちら全振りになって箱石峠の名前の由来の「箱石」や、途中にある人面岩をいつも素通りしてしまう。そろそろ大人になってきたので、今回は人面岩を落ち着いて探して観察した。人面岩は鼻筋が通っていてちょっと洋風でバタくさい顔をしている。
僕らの世代では人面岩というと勇者ライディーンの格納されている岩を指すけれど、どちらかというとこれは仮面ライダーアマゾンの十面鬼のひとつが樽のようなボディから顔をのぞかせているようにも見えるな。
豆腐アイス。豆腐の味がする。
さて、お昼過ぎになってまだまだうろつきたい時間帯だけれど、車に戻ってからさらに家まで3時間の道程が残されているので、阿蘇を自由にブラブラするのもここまで。田んぼの中の道をつないで外輪山へ向かう。
外輪山の縁にある城山展望所から望むカルデラ。
最近やまなみハイウェイを使って阿蘇へ乗り込むようなことをしなくなったので、この風景はいつもさようなら阿蘇の風景だ。
やまなみハイウェイを北上していると、気になる看板が。
牧草地の中を突っ切るダート。
行きついた先にNOK。
これ、オブジェを切り株に載せているのではなくて、ここに生えていた木の幹を直接彫りこんで作ってある。とってもウェルカムな感じではあるのだけれど‥その先は森でした。大型機械で茂みを伐採している最中で、結局ここは何のためのスペースなのか分かりませんでした。立ち入っちゃいけないところだったらごめんなさい。
※帰宅後調べてみたら、熊本NOKという会社の植林事業地だったようです。
すごすごと帰ります。
広島方面へ戻る帰りのルートで中津方面を選ぶと、ちょっと変わった屏風のような岩山の前を通ります。自然の岩山なのかと思ったら、人工的に水平に彫り込んだ跡があったりして。もしかしてこれ登れるの?
いつもは帰路の途中で時間的にも立ち寄る余裕もなく、気にはなりながら何度も素通りしてきたけれど今回はこの時点でまだ14時半。立ち寄ってみることにしました。こちらの登山も長くなったので詳細は別記事にしてあります。
→【阿蘇ツーリング-古羅漢】
まぁ、登ってみたら冒険心をくすぐる巨大なアスレチックのような山でした。
ただ真面目に危険が危ない。命懸け。30分ほどの格闘でした。
お土産に、むら上食堂のからあげを800g。
いつも揚げあがるまで待たされるので、オーダーしておいてトランポにバイクを積んでから取りに寄ろうかと思ったら、この日は揚げたてが用意してありました。
バイクで持って帰ることになるとは思わなかったので詰め込むスペースを作ったけれど、おかげで荷物は唐揚げの幸せな匂いでいっぱい。
無事帰着。あ、トランポまで、無事帰着。
ここからさらに300kmの帰路。帰りは車中泊しないから、バイクは端に寄せずに真ん中にドーンだ。
土日で晴れるなら、阿蘇へ行こう!1泊でも密度高く十分楽しめるし、2泊もするときっと持て余してしまう。ほんとは長崎へ行きたいんだけどな、阿蘇にはついつい足が向いてしまう魅力と安心感があるんだよなぁ。
[…] 翌日に向けて、21時過ぎにはお開き。2日目に続く。 […]