CRF250L ぶらり阿蘇1日目

阿蘇は夏じゃなくて春だろう!?って30年くらい思っていたけれど、今年もススキの季節に阿蘇へお出かけ。

三連休の初日は前日から警報級の大雨が降ったこともあって中国自動車道は昼になっても美祢〜下関が通行止めでした。ダメなら山口県ツーリングになってもいいや、とお昼過ぎに見切り出発したら、ちょうど良いタイミングで高速が開通。

そのまま九州入りして、ルゥさんに連絡がついたのでルゥ邸にちょっと寄らせてもらって、久しぶりにマイロに挨拶です。逞しくて可愛いよ、マイロ。

ルゥさんが量産中の、『見た目はモトコンポ・中身はGROM』のグロコンポ、なかでもこのJC92を使ったモデルは純正メーターに加えてナビ付き。フロントフォークはカブタイプとは違ってトリプルツリーからフォークを通すタイプ。こちらもすごい、逞しくて可愛い。

ルゥ邸からもう少し阿蘇寄りに進んで車中泊の翌朝4時ごろ、車内からスモークガラス越しに見ても満天の星なのが分かるくらいの星空になっていたので、もう眠れない。寒くても天体観測と撮影大会だよ。

残念ながら天の川の濃い箇所が見えない時間帯だったので、Pixelの天体撮影モードで撮影したのはCRFとオリオン座。

耶馬溪って、裏耶馬溪やら深耶馬溪やら本耶馬渓やら奥耶馬渓やら、この看板もよくみると「深」の下になにやら消した跡もあるし、耶馬溪のバリエーションいくつあるんだろう。

普段は阿蘇方面への最短ルートの耶馬溪を通るけれど、今回は時間に追われる行程でもないので‥というか各種耶馬渓のコンプリートも目指してもいるので「裏」耶馬渓に少し踏み込んでみた。

合格祈岩、あれか。落ちたら面目丸潰れで大変だな。

このあたりも、もう半月もして岩肌に絡む木々が紅葉したらさぞかし綺麗で絵になるだろうな。

家の裏にこういう岩山を抱えた生活って、ちょっとハラハラするね。

新しいルートを開拓しているという実感に気持ちを昂らせて走っていたのに、あれあれ、この景色と看板見たことあるぞ‥という残念感。こういうの、携帯の地図アプリを使って走るようになってからの弊害だよね。

ツーリングマップル時代なら地図上の走ったことある道を忘れることなんてなかったもの。

どうすればこんな形に岩が削られるのか不思議な石柱。

日の出は6時半ごろだけど、山間部は日光の入りが遅いです。山にやっと色が入りはじめました。

ジークジオン。と言うために寄った慈恩の滝、ジークジオン。

慈恩の滝から山に入る道に上がってみると上からも滝を拝めるけれど、結構スリリング。ちょうど赤い列車が彗星のように通過して景色が華やぐな。ジークジオン。

今回のツーリングで特別に訪れたい目的(地)は5つ。
ひとつは毎度水害でフラれ続けている杖立温泉の無料半露天風呂の元湯。
ひとつは九州のヘソになる座標の原点
ひとつは内牧のハト標識
ひとつは黄金色のススキの原
ひとつは外輪山南斜面のメガソーラーパネル群

まず杖立温泉へ向かうのに、天気が良いから亀石峠越えを選びます。北からこの峠を越えると空しか見えない景色がいきなり開けて大パノラマに変わるのです。横に長い地平は高さそろった外輪山の連なりで、その先にというかその線に載るように阿蘇五岳が見える。

こんな景色が広がる亀石峠は、この世界とあの世界の境界です。

杖立温泉の元湯へは車1台分の道幅の川沿いの道を遠慮なく進む。バイクなら全く問題ないけれど、車だとすれ違えない狭さなのでちょっと厳しいかも。

前日から朝にかけての警報級の豪雨で今回も杖立温泉元湯にフラれるかと思ったけれど、問題ない様子。橋の上からの視線も気にしながら、脱ぎます。

ふぅぅ。熱すぎず、ぬるすぎず、15分くらい浸かって冷えた身体はポカポカ。身体の芯まで温まらないと服を着るのに寒い気温なのよね。

川に架かる歩道橋を下から見るとジャラジャラしたものが見えて何だろうかと上がってみると、ちょっと変わった形の絵馬?

天井にもびっしり。

橋のたもとにある、もともとは旅館だったんじゃないかと思われる雑貨屋さんで、

願掛けの絵馬と絵鯉とくまモンが並べられて販売されている。

お泊りの浴衣姿の女性が数名。風情あってとても良いね。

この橋は旅館のものなのだろうか、完全に私物化されているようにも見える。

杖立温泉には何か所かに蒸し場があります。

今度は生卵を持参しよう。肉まんとかもいいな。蒸し卵は15分で出来上がるということだけれど、風呂に入っている間に蒸すのではちょっと慌ただしいかな。

街の真ん中に沈下橋。川面との近さから察するに、おそらく沈下橋として大活躍しているのでしょう。車でもこちら側へ渡ってこらけれど、こちら側は上の道路へ上る道がないので、水位が橋を超える前に戻らないと大惨事。

あるもの利用で、ふんだんに沸く熱水と蒸気を活用しているんだね。

1本道を間違えて林道に突っ込んでしまった。今回の荷物は1泊分の着替えと防寒着なのでカバンの中身はスカスカ、重量的にはオンロードでもオフロードでも走りをほとんど阻害しない。構わずガンガン車体を揺すりながらダートを走ってみた。楽しい。

抜けた先のマゼノミステリーロード。やっと阿蘇の周辺らしい、シンプルな景色にたどり着いた。

今回の目的地のひとつ、九州の座標の原点となる、地図の源。座標は東経131度00分00秒、北緯33度00分00秒と無茶苦茶キリが良い。

案内のプレートがあるので読んでみると「人工衛星を使った測量により、ずれていることが判明しました」「この原点の位置が約400m南東へ移動することになります」‥なんですと?

読んでから記念碑を見るんじゃなかった‥

説得力が‥ここで携帯のGPS座標をスクショしようと思ったのに。

400m程ずれた座標へ行ってみようかと思ったけれど、完全にやぶの中なのでやめておきました。

菊池渓谷方面からツーリングライダーがひっきりなしにブイブイと走って来る。誰もここを目に留めないんだろうなぁ。以前は僕も知らなかったから素通りしたし。

外輪山へ到着したので、ひと休み。このまま日が暮れるまでここにいても良いなと思える景色だし、せっかく阿蘇まで来たのだから走らにゃ損損と前へ進み続けるツーリングをしなくても良いと思えるくらいにはなってきた。何が贅沢なのかが分かってきた感じがする。

江戸時代に外輪山越えのために整備された豊後街道 二重峠の石畳。以前、カルデラの底側から途中まで登ってみたことがあるので、今回は上側から覗いてみた。

これ。車両は入れないので歩いてみる。

外輪山の内側は傾斜がとても急なので、細かく何度も折り返しながら石畳が下へ伸びている。石畳にしないと雨に洗われて道がすぐに崩れてしまうのでしょう。

一般車道を下りながらダートの脇道を見つけたので入ってみたら、石畳はここにつながっていて、石畳はこのダートを横切ってさらに麓へと向かっていた。

このダートへ入ったのは山肌の崩落跡の近くまで行けるのかと期待したからなんだけれど、近づいてみると水平に堀跡があって、岩肌が露出しているのは崩落ではない様子。

結構昔から大規模に砕石していたんですね。

このあたりの地名の元になっている的石。阿蘇神話で健磐龍命(たていわたつのみこと)が往生(どんべん)岳の頂上から的石に向かって弓を射るための的にした石が、矢の狙っている坂の上の岩とのこと。

今回の5大目的地のひとつ、良い感じにヤレている内牧のハト標識。ぶつけられたのか、標識の向きが変わっていて、どっちの誰に向かって案内しているのかわからなくなっている。

全国ハト標識マップによると、九州にはハト標識が2箇所しかないようです。

椅子まで出してのんびりしようかと向かいの山のてっぺんから麓を眺めていたら綺麗なS字カーブが見えたので、そのS字まで来て向かいの山を見上げる。訪れてみれば何でもないところだけれど、こういう時間の過ごし方も楽しいな。

2016年の熊本地震を忘れないためにつくられた震災ミュージアムKIOKU。2023年にオープン。

屋外には山崩れで倒壊した阿蘇大橋のひん曲がった鉄骨が展示されていて、それが雨ざらしだから腐食も進んで心に刺さる被害の深刻さに輪をかけていた。

被災物の展示や地震のメカニズム紹介、関連ビデオの上映などがされている屋内施設の鑑賞は有料(500円)です。せっかくなので見学しました。

外輪山を思わせる、優美なアーチが特徴の建物。

屋根がカーブしているだけでなく、建物そのものが傾斜地に建っているのでより複雑な形状に感じる。

当時の地割れがそのまま残されていました。

そして地割れの延長上にあるこの大学の1号館という建物‥なんと断層の直上に建てられていたので、建物の両端は被害がほとんどないのに、建物の中心部だけがバキバキに割れている。結構衝撃を受ける展示。

もう、本当に文句の言いようがない秋晴れだね。気温も少し肌寒い程度でとても快適で、良い日を選んだな。

ここは地獄温泉の源泉。

他に行くところもないのでローカルな道を選んで阿蘇の山上へ向かってみた。立ち入りできるようなら久々に噴火口のお釜でも見てみようかな、と。

山上へ到着してまだ14時半。あれ?もしかしたらあの稜線まで登る時間があるんじゃない?この気温とこの天気は滅多にないチャンスなんじゃない?とここで突然登山することにしました。登山の記録は長くなったので別記事で紹介しています。→【阿蘇ツーリング-阿蘇登山

登ること約1時間、あこがれていた火口を見下ろすという景色をついに見ることができました!

下山途中、あともう少しで駐輪場という砂千里のど真ん中で、アレアレ?のどが急に痛くなってきたぞ。したくもないのに咳が出る。空気に硫黄臭を感じて、感じた匂い以上にのどが刺激されて、これはまずい!と何かが訴えてくる声に身体が応じてる。

駐車場では職員のおじさんがピーピー笛を吹きながら「早く下山してください!」と急かしています。風向きが変わって観光ルートに二酸化硫黄の含まれたガスが流れてきているんだね。

のどの違和感の症状は山を下りてもしばらく続きました。気管支に不具合のある人は、本当に無理をして火口見学をしないように気をつけなくてはならないですね。

光り輝くススキを求めてとある展望所に来たけれど、ちょっと時間的に間に合わなかったようで。山の影がどんどん伸びていきました。

初日だけでも十二分に楽しかったな。そろそろ宿へ。

今回初めて南阿蘇のライダーハウスを利用させていただきました。

この日、宿泊者は2名。部屋は2つあるので、それぞれが各部屋貸し切りという贅沢さ。素泊まり1,500円。

宿泊用建物は玄関入って正面に小さな談話スペース、その両脇に宿泊用の部屋。

北側の部屋は阿蘇ビューを堪能できる。

別棟にはコンロや電子レンジやフライパンがあって自炊もできます。

「明日の出発の時には声をかけなくても良いですから、そのまま出発してください」と本当にストレスのない素泊まりの宿だ。多分またお邪魔します。

もう一人のSV650の宿泊者は常連さんのようで、夜になってビール片手に二人きりの談話が始まりました。

SVさん「レースでもされているんですか?」
僕 「ジムカーナ専門です」
SVさん「僕もジムカーナしています。MG9ってご存じですか?」
僕 「(MG9主宰の)中西さんとは長い付き合いです!僕は広島でTractionって団体つくってイベントしていました。つがたくっていいます」
SVさん「ええ?ホンモノのつがたくさんですか!?」

と、名前だけは知られていました。

この方、自称炭鉱マニアで「大牟田の海には炭鉱の吸排気のために海上につくられた人工島「初島」がある」とか「福岡市にある垂直坑道の志免鉱業所竪坑櫓が形が面白い」とか、炭鉱関連の面白い構造物についていろいろ教えてもらいました。大牟田とかって、そういう用向きがなければまず訪れない位置にあるので、ちょっと楽しみになってきた。

翌日に向けて、21時過ぎにはお開き。2日目に続く。

3 Comments

orcival

おはようございます。以前グロムのジータのブレーキレバーでコメントをしたものです。九州大分にお越しになられたのですね。私は大分在住なので興味深くブログ拝見させていただきました。
バックミラー内の補助ミラーに関してお聞きしたいことがあります。
つが様のミラーinミラーが以前から「玄人」っぽくてカッコいいなと気になっていたました。
(グロムでも同様にされていますが、)補助ミラーを付けることで後方の浅い角度の視界を得ることを目的に付けられているのでしょうか?

差し支えなければ使用している補助ミラーを教えて頂けませんか?

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>orcivalさん
コメントありがとうございます。
すごいところに目をつけられましたねw 補助ミラーは死角をなくすために取り付けています。残念なことに僕が気に入って使っていたものは廃盤のようで、それも随分昔のことですから昔から使っているものを車両を入れ替える度に剥がして付け替えて使っています。車用として売られているものはバイクのミラーにはちょっと大きいので、なかなか代替の良い品に巡り会えていません。
僕が使っているのはタナックスとかの普通にメージャーなブランド品で、昔は1000円程度でカー用品店で普通に買えていました。これを機に、カブとかDUKEにも取り付けたいので、ちょっと人柱になっていくつか試してみますね。

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orcival

つが様のジムカーナで培われたであろう、理に適った「質実剛健・硬派」な車両作りが好きです。一ファンとしてこれからもブログ拝見させてください。私は「the_cannonball_run_81」というアカウントでインスタグラムで記録を残しています。お暇な時に見てやってください。
只のノーマルグロムですが、つが様のブログからインスパイアされています。
GROMナックルガード、ブログを見て丸パクリさせて頂いておりますw
「ミラーinミラー」続報 楽しみにお待ちしております。

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