
先週の三瓶で山口県の日本海側にある須佐のホルンヘルスの話が出たので、久しぶりに行ってみるか、ついでに有福温泉でもまわって帰るか、と大体の経路を決めて、選んだバイクはCRF。300kmくらいになりそうな距離を走るなら390AdventureRがいいんじゃないかと思ったのですが、何となくCRF。
CRFで走り出していつも思うのは、長い時間をかけて詰めて創ってきたバイクなので、クラッチをつないだ瞬間やコーナへの進入で気持ちとぴったりする感じはこの上なく気持ちが良い。4000rpmまでなら390よりも押し出し感強いし、軽いし、どこでも行けそうな頼もしさがある。

羅漢高原に上がってみると朝早かったので生憎の水分の大そうな景色でした。せっかくの景観を全然楽しめなくなるくらいまでに成長した木々を最近伐採したようで、昔のような広がりが期待できる場所に戻っていました。
どこが管理しているのかわかりませんし結構な広さなので大変でしょうけれど、環境整備の継続は人を継続的に呼ぶことにつながりますね。整備をしなくなったのが先か人が来なくなったのが先かわかりませんが、とびしま海道の豪華な展望所を思い出してしまいました。

山間部の学校って、ほとんど学校としては使われなくなって、集会所や公民館や地域の◯◯センター化しています。
ここで小学生時代を過ごした子供たちはもう大人でしょうけれど、中身は変わっても少年少女時代に過ごした景色が残っているのはありがたいことだと思うのです。

校庭の隅に何か居たけれど、こういうのって1世代分の時間くらいは壊さずに置いておいて欲しい。

OsmAndという地図アプリをGoogleMapと併用して使っています。このアプリはオープンストリートマップの地図データをソースにしながら、表示の切り替えができます。
オフロードモードにすると、点線で未舗装路が表示され、徒歩道と自動車道も線の太さで差をつけてくれているのでオフ活がものすごく、困ってしまうくらい捗ります。
これまで実線の道だけでできていた世界に別レイヤーが乗っかって、つながらなかった地域同士がつながる。世界が劇的に新鮮に変わる感じ。ジオキャッシングを始めた時も同じようなことを感じたなぁ。

まぁ、ハズレの道もたくさんありますよ。この道はもう全く整備されていないようです。

ハト標識トハ?新たな名所にしたい。

周囲の山の高さのせいだと思うのですが、田植えの時期にいつもバイクを停めてしまう場所。空の映り込みがとても綺麗なのです。

以前から訪れたいと思いながら、ついうっかり忘れて通り過ぎてしまっていた、深谷峡の風穴。
今回は路傍に小さな看板を見つけました。いきなりの急階段です。

階段を降りて、穴はすぐそこにありました。

どうしてここだけに風穴が開いているのでしょうか‥周囲は20度少々の気温でしたが、それでも冷たいと感じるくらいの冷気が流れ出てきています。こりゃ、夏場の帰り道とかに立ち寄るのにいいな。天然の冷風機だ。


川土手のフラットダートを見つけては、川の流れに沿って走ってみると、場所によっては結構長い距離のオフロードを走ることができます。

さて、今回地図上で妙に長い1本道のダートを見つけました。走ってみるとまさに林業のための林道で、使われる頻度が高いのかフラットな路面がしっかりと締まっていてとても走りやすい。

グイグイと一直線に山の中へ入っていくのでクマが出そうだなと思っていたら、クマが出るそうです。

白いラベルに「545と、る、548へ 林小班」。ってミステリー小説に出てきそうな暗号みたい。昭和63年現在、って昭和の最終年じゃないですか。良い時代だったなぁ。

どこまで続くんだろう、折り返そうかな、と何回も不安に襲われるくらいにはひたすら山の奥へ続くフラットダート‥地図上でもう少しでどん詰まりというところにチェーンが掛けてありました。
ここまでダート区間6.5km。1本道のリバース路だけれど、気持ちの良い道なので全然苦になりません。むしろ季節と時間を変えてまた訪れたい。

途中の枝道がまた、標高をグイグイ上げていく道でこれはこれで面白い。

いや、良い林道。夏の早朝とか気持ちがよさそう。

別の林道。
眼下に見えるのは津和野の町です。津和野城へ登るリフトや千本鳥居で有名な太皷谷稲成神社も見えます。これで場所は分かると思うのですが、青野山の中腹を取り巻くように林道が走っているのです。
こういう何度も何度も訪れたところに結構楽しめる道がまだ残されていることに、もう本当に感謝しかありません。世界に別レイヤーが載るとはこういうことです。

倒木。

俺のノコギリが火を噴くぜ。

やっぱり、ノコギリ必携だな。常に車載しておきたい。

廃道のようなので潜り込んでみた道の先には、封鎖されたトンネルがありました。

「しょうわとんねる」
あれ、トンネルの銘板も橋のように上りと下りとで漢字・ひらがな表記だったりするのかな。

Googleマップの案内では9時に到着するはずだったホルンフェルスに11時過ぎに到着しました。駐車場からは歩いて降ります。

歩いていると、道の途中にも小さな地層が露われています。横方向は質の違う層、縦方向は単純に節理なのかな。ブロック状に崩れている様子が伺えます。

高層建築‥シドニアか?
海辺の大きな地層の傾きを延長して考えてみると、それよりも高い層になる位置なのですが、大きな地層が傾いていることからわかる通りこのあたり相当地面が動いているので上にあるから新しい層とは限らなそうです。

横方向は層の境目で綺麗に剥がれるのなんとなく理解できます。でも石切場のようにパスンと縦にも割れている。この垂直水平の割れ方は、先ほどの集合住宅と同じ理由だからだろうかという問いが生まれます。

床面を上からみたもの。節理に規則性がありそう。




もう、何かのわざとらしいテーマパークのセットのよう。
ホルンフェルスは「Horn(角)とFelsen(岩石)=割ると角のような角の立つ硬い岩石」というドイツ語由来の言葉で、ここにあるのは海底に堆積していた泥岩と砂岩がマグマの熱で変成してできた接触変成岩です。
ずっと泥岩だけ、または砂岩だけでは面白くない。ここのように見えているだけで20回も泥岩・砂岩の切り替わりがあるからこそ和なんだか洋なんだかわからない紋様の露頭になって惹きつけられちゃうんだな。

縞々から目線を外してみると、別の場所には不定形の石灰岩が取り込まれている箇所もありました。これは謎。

縞々になっていない方の崖は、目を向けられる回数が相当少ないだろうな。こちらはこちらで均質の堆積物が見えているだけでこれだけの高さになっているのも面白いのにな。

須佐といえば須佐男命いか(すさみこといか)、男命いかといえばこのあたりで有名なのは「口福の馳走屋 梅乃葉」さん。昔は普通にフラっと訪れてイカを食べられたお店だったのに、国道沿いでアクセスが良いことと昨今の映え文化のおかげで休日には訪れにくい評判店になってしまいました。
別にわざわざ活きイカを食べなくても良いのですが、たまたま男命いかを扱っている別の店を見つけたので立ち寄ってみました。

この日、イカがあるようなので(天候等によっては入荷がない場合もある)定食をオーダー。

お店のおばちゃんが丁寧に説明しながらサバいてくれます。内臓は抜いてあるので、目玉以外は軟骨を含めて食べられるようです。

いやー、貸し切り。この日図らずも誕生日。おひとり様誕生祭だわ。

提供された次点でまだ生きているイカなので、足は動くし色素胞の点滅はしているし、で観察する時間の方が食べる時間よりもついつい長くなってしまう。
食べたら食べたで、口の中で張り付いたゲソの吸盤との闘いがはじまる。

予定通り日本海側を北上しながら有福温泉へ行こうと思ったら、予想外に遠い。80kmくらい離れています。
まっすぐ国道を走るのが一番の近道なのだけれど、ついつい道を外れてしまう。

西堂寺六角堂。浮島がまるまるお寺の境内になっているところです。

80kmをダラダラ走るのも面白くないので、10kmおきくらいに立ち寄れるところを見つけては立ち寄りながら‥と思って湊海水浴場という名前を目指して走っていると、水没注意な感じの道になってきました。
この先バイクで行けるのかと、バイクを傍に寄せて先まで歩いてみました。

ここも確かにビーチなのですが、地図上の「湊海水浴場」はもう少し先の表記になっています。ここの時点でコンクリートの道は途絶えているのでバイクではもう無理。

日本海の、潮位差がないからこそ、の道。

白い岩山を回り込むと‥おお、おお?

おおおお!地形に沿ってコンクリートの道が続く。

澄んだ海に潔い水平線。黄色い落石注意の看板がすごいアクセント。

何のために作られた周遊路かわかりませんが、ここまでするからには何かあるのでしょう。

最後はこれ。超バリアブル。子どもは絶対に降りられないし登れない。

うーん、これはすごいな、玄武岩と緑色凝灰岩。

なんて場所だろう、完全にプライベートビーチな入江。洞門まであって、これはこのためだけに来ても良いところ。

場所が場所なら東映の文字が浮かんできそうなくらいザッパーンな日本海なのに、ここはなんと穏やかなのだろうか。

しかも、岩とか好きな人にはたまりませんね。玄武岩と砂岩と緑色凝灰岩がゴロゴロと適当に埋まってます。それぞれ溶岩と砂と火山灰の岩です。何が起きたのか考えるだけでもワクワクします。


萌え。

帰りの道中も面白い。

ついでにいうと道中の鉄を含んでいそうなこの白い砂岩も色んな意味でこの場所のコントラストを高めてくれています。


日本海側って海岸線の景観だけでもかなり面白いので、もっと観察したりのんびりしたりしやすいように整備すればよいのにな。

ここまで整備しなくていいからさ。

まだ夏じゃないのです。この日差しでも嫌な感じがしない。5月って素晴らしい季節だな。

荒れた日も、寒くて厳しい日もあるでしょうが、毎日こんな景色を見て育ったら頭の中の構造が変わりそう。

そうそう、日本海沿岸は国道9号線をひたすらダラダラ走る印象でしたが、2か月ほど前に益田~浜田間の山陰自動車道がつながって、これを使うと40km一気にワープできます。
使ってみて驚きました。無茶苦茶ラクチンに拠点間の移動ができます。
すっ飛ばした地域に面白いものを見つけに行くのは、また別の機会に。

有福温泉の共同浴場、御前湯さん。建物は内外から大正浪漫が漂ってくるところ。入り口の先に独立した番台があって、昔の駅舎のようにも見えます。

深めの8角形の浴槽には透明なお湯がたっぷりと溢れかえっています。アルカリ泉なので近くの美又温泉と同じく、お湯の中では潤滑剤が手に就いたようなぬるぬる感があるのに、湯上りさっぱり。建物2階の休憩所も広さがあってとても良い。古さはありますが清潔感のある建物で、大変気持ちの良いお風呂でした。
美又温泉に比べると湯温がちょっと高いのかな。長湯向きではありません。

帰宅して、洗車。
久々にCRFで400km近い距離を走りました。オフロード走行を意識しながらも、オンロードをいかに気持ちよく走ることができるか、ということを意識して手を加えていったバイクです。これだけバラエティ豊かな道を走って、途中給油なし。走りに専念できる素敵な1台。
390AdventureRは決定打となるタイヤがまだ見つからず、タイヤによって性格ががらりと変わるのでどうせ別の銘柄に交換するならセッティングはそこからでいいや、と詰めていません。なので、今回は久々にロングツーリングをしてみて、CRFの出来の良さが光る1日となりました。



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