タケガワの5速クロスミッションに積み替えたので、クランクケースを閉じます。 コンロッド、指より細いよ。知ってしまうと不安になる太さだわ。
クランクケースは左右分割構造なのですが、クランクやミッション類は2つに割った右側のケースにくっついているので、ケースの左半分が蓋のようになります。接合面に液体ガスケットを塗布。 そして蓋をしたら、カウンターシャフト(チェーンを回すドライブスプロケットがつくシャフト)のオイルシールを破損してしまいました。聞くところによると、カウンターシャフトの先端部を保護せずに突っ込むと先端のギザギザがオイルシールの裏側のスプリングをちょうどひっかけやすいということで、例に漏れず自分も見事にシールのスプリングが外れてしまいました。スプリングはベアリングとシールの間の空間で外れる状態になるので再起不能。
とりあえずここは後で外からシールの交換ができる場所なので組み立て作業をすすめました。パーツも発注。年末ですがラッキーなことに商品が年内に手に入る最後の日でした。
シリンダの下側、エンジンの地面側になる部分は前輪の巻き上げる石で塗装が剥がれて見事なまだら模様。
散らかってるからガレージに来ちゃダメと言っても遊びにくるムスメ。部品を別のバットに移すのホントやめて‥。
クランクケースはミッションを組み込むと右にも左にもシャフトが飛び出すので、ワークベンチの前後に開く天板の間にシャフトを突っ込んでやるとケースを寝かせて置いても水平に保てて良い感じ。おまけに2本のシャフトを突っ込むことになるのでパーツを組み付ける最中の回り止めにもなります。。車体にエンジンを載せる前にケースにいろいろ組み込んであまり重たくしたくはないのですが、シフトドラムはタケガワ製を使うので、これを先に組んでおこうと思います。
左のピンが3本のシフトドラムが純正。右のピンが4本のものが5速用。ギアを入れるとリンケージの爪がこのピンを押し引きしてシフトをチェンジするという仕組みです。ローやトップギアの時にそれ以上シフトペダルを操作してもスカスカした状態になるのは、シフトリンケージの爪が引っ掛かかるピンがなくなるからなんですね。
ギアシフトリンケージの組み込み完了。シフトドラムの動きがむちゃくちゃ渋いんだけど‥多分潤滑が足りてないからだと思うことにして作業を進めます。
作業環境。それぞれの作業箇所別にパーツをバットにまとめています。100円ショップの天婦羅用プラスチックトレーが本来パン粉や卵を分類するために都合よく3分割されているトレーなので、細かい物を分類するのに便利です。ミニバイク用のレーシングスタンドを持っていないので、車体はリアタイヤをフロントホイールクランプに突っ込んで水平に保っています。
土曜日の午後に頼んだパーツが日曜日の9時に届いたとバイク屋さんから連絡があったので、早速ゲット。クランクシャフトののウッドラフキーもどこかに落っこちてしまったようで、結構探したのだけど見つからなかったので注文。これ、圧入してあって簡単には外れないものだと思って油断していました‥。
クランクシャフトにウッドラフキーの収まる穴があります。これ、非常に重要な部分で、
プライマリーギアが空回りしないように止めているいるのです。駆動力の源がこんな180円のパーツで引っ掛けてあるなんて‥。
クラッチの組み込み。
手に持っているのはオイルセパレーターという受け皿みたいなものなのですが、これはクラッチのユニットと同時に車体に取り付けるという工程を踏まないと後でいずれかの部品を外すことになります。ハウジングが先でも、クラッチが先でもダメです。というわけで、この写真は失敗例。
リフタプレート中央のベアリングも圧入ではなく嵌めてあるだけで、指で押せば抜けます。リフタプレートをボルトで止めてクラッチ盤を押さえておいて、ベアリングは抜いて作業した方がクラッチの取り付けは楽です。
遠心フィルタも取り受け。三角形のガスケットの内側はオイルに混ざった不純物がたっぷり堆積しているのでこそぎ取っておきました。
ケース左側の部品の取り付け。カムチェーンテンショナーのアームの先端が覚えがないのに変形しています。機能上は問題なさそうなのでこのまま組み込みます。
フライホイールの組み込み。機械的に作業するだけ。
カウンターシャフトのオイルシールを嵌めます。シャフトの先端部はサランラップやビニールテープで保護するのがよく使われる手段ですが、うちはシリコンテープをのびのびに伸ばして先端部に貼りました。
こうするとオイルシールはスルリと入りました。オイルシールはNSRでも痛めて潰したことあるので、僕にとっては鬼門です。
左、今回外した物。右が新しく入れる物。
通常コンロッドにピストンを取り付けてからシリンダスリーブにピストンを通しますが、ピストンリングを押さえながらスリーブに通すのが慣れないと結構時間のかかる作業になります。どこかで見た作業手順なのですが、先にシリンダにピストンをリング部分まで通しておいて、それをケースに寄せてコンロッドと連結すると、これなら一発で作業が終わります。
洗浄済みのヘッド。気持ち良い。
排気系と電装を組んで出来上がった車体にセル一発、あっさりエンジンがかかったので驚きました。各所にオイルがまだ回ってないだろうに‥。
最初は聞いたこともないようなメカノイズがしていましたが、しばらくアイドリングさせていたらだんだん収まってきました。それでも肝心の4速5速あたりのシフトの入りが悪くてまた組み直しか!?と思ってかなりガッカリ。でも、それもオイルが馴染んだら完全に解決。
後日追記:エンジン組んだらクランクをグルグル人力で回してオイルを全体に行き渡らせてからエンジンを始動するとメカノイズにビビらなくて済みます。というかそうしないとエンジンに悪いです。
最後まで気になったのはクラッチの握り心地。納得がいかなかったので右のケースカバーを開けて再確認しましたが、問題なく、これもしばらく走っていたら解決しました。
車体をこのくらに寝かせると、右のケースカバーを開けてもオイルが漏れてこないのでそのまま作業ができます。オイルフィルタのメンテナンスで開ける機会も多いところですから、これ知っておくと便利だと思います。ちなみにRケースは4回くらい開けましたが、ガスケットは破損がみられなかったのでこれまで1回も変えていません。オイル漏れたら変えようと思うのですが大丈夫なもんで、予備が2枚もあるよ。
エイプのFスプロケット交換でジェネレータカバーを外しますが、ガスケットは必ず破れます
破れないように外すコツとかあったら教えて下さい
>Mt.Sugiさん
初回開いたときにホンダ純正状態のガスケットが破れなかった理由はわからないのですが、僕は紙製のガスケットを組む時は両面にモリブデングリスを薄く塗っておくと使いまわせるという話を聞いて実践しています。本当に綺麗に剥がれるし、何回か使い回しできますよ。
ありがとうございます、次に外した時の参考にします
…モリブデンじゃなくてもいけるかな?