NUDA900R 三朝温泉ポイントキャンプツーリング

週末の朝、羅漢に集まっている人たちが三朝温泉に現地集合・現地解散する、いわゆる「ポイント(キャンプ)ツーリグ」をする、ということで初参加させて頂くことにしました。土曜日の朝、いつも通り夜明け前に目が覚めたらもう眠れなくて、阿品の海の朝焼けを写真に収めてからの出発です。

曼珠沙華が咲き、金木犀が香るころが春と並んでツーリングとしては一番良い季節だと毎年思います。が、早朝出発で山越えというのはちょっと寒くて、1日を通して走るとなると着る服に悩む季節でもあります。

一気に東進するために世羅高原ふれあいロードという広域農道を走っていた時のこと。スロットルストッパーでアクセルを固定して右手で地図をめくっていると、左側の茂みから大きな角の生えた鹿が現れて‥いきなり道路を横切りました。右手をハンドルから放していたので何にも出来ずにあわや激突!というところ。かなり焦りました‥。

みちすがら、「橋脚のない橋としては世界一」という夢架橋へ寄ってみましたが‥周囲にその橋を盛り上げるものもほとんどない殺伐とした風景のなかに、だるーんと中央部が重さでたわんだような形状の橋が架かっているだけ、という光景でした。赤い欄干が、風景のなかで浮きまくり。

その先、帝釈峡を抜けて東城へ来たついでに、以前携帯電話を海に落として以来連絡先の分からなくなってしまった古い知人の実家へご挨拶に伺ったところ、知人はご結婚された大阪に居るとのこと。連絡先を伺って10年数年振りにメールしてみました。お元気そうでなによりでした。

一気に蒜山まで走り抜けて、以前おかぢむや中T隊長と来た蕎麦屋で昼食。驚いたのはこの画像で昼食なうをつぶやいたところ、今回の参加メンバーのあやのすけさんが数時間前に同じ店で食べていたとのこと。このお店、大きな通りからは外れたところにある一見蕎麦屋に見えないようなお店なのに、「通りすがりに寄った」んだそうです‥こんなところで早々と空間的なニアミスがあるとは!

夕方、三朝温泉に到着すれば良いというものすごくアバウトな予定しか立っていないので、大山を環状に囲む道を時計回りにひたすら走り始めました。大山の写真スポットはやっぱりここ、鍵掛峠が一番良いと思います。

そのまま大山寺を通り抜けて流れで大山の北側に回り込んでの船上山。そこから倉吉を経由して目的地の三朝温泉‥も通り抜けて、もう数キロほど山の中へ入ります。

三朝温泉でキャンプ、という話を聞いた瞬間、頭に浮かんだのは‥投入堂!!中国地方の主要な観光スポットの中で一番訪れてみたいと思っていたところです。三朝温泉からはほんの数キロのところにあります。

受付で入山料を払おうとしたら、イケメンの受付のお兄さんが「投入堂まで行かれます?」と。当たり前じゃないですか、ここまで来て投入堂を拝まないとかあり得ません。そしたら‥「お一人では入山出来ないんですよぉ。中国地方の観光地としては一番事故が多いところなので、お二人以上じゃないと本堂までしか入れません」と。なんだとー!!「午前中なら結構お一人の方が来られるんですが、あと20分で入山時間が終わってしまいますので、ちょっと難しいかもしれません。家族連れやカップルは声をかけてもまずダメですよ」と。ななななんだとーっっ!!??

そこで10分くらいダメ元で待っていたら‥なんと京都から日帰りで来たというお一人様の男性が!その方とペアになって受付時間ギリギリ入山できました。まさにお互い渡りに船。

本堂までの参道は、普通に階段で登るのでなんでもないのですが‥

本堂の受付で投入堂まで入る追加料金を払って個人情報を記帳して、ゲートをくぐるといきなり普通じゃない角度の「参拝通路」になっていました。僕は先日購入したライディングブーツで「今日の天気ならOKです」と言われましたが、お連れの方は底がツルツルのサンダルだったのでわらじを700円で購入。でも、許してもらったライディングブーツではかなりキケンな道程でした。わらじはかなり歩き易かったそうです。

「迂回」とかいうことはしません。壁だろうが崖だろうが目的地まで一直線に向かって参拝通路が続いています。

沢山の人が限られた足場を使って往来しているので、人の歩くところ、触れるところは岩も木も摩耗してツルツル。とにかく滑るのです。おまけに尾根伝いに右も左も千尋の谷の岩場を歩くところもあって、妥協のない危険さです。

ものすごい勢いで上へ上へひたすら登って約30分、やっと投入堂に到着です。ここまでの苦労もあって、誰もが「何でこんなところに‥!」と思うこと間違いなしです。またここまでの苦労があるからこそ、スゴイ!と思う気持がひとまわりもふたまわりも増して感じるのだと思います。

投入堂か駐車場ら山を下ること数分で集合場所の三朝温泉の河原の駐車場。すでに3台到着済み。

投入堂までの登山で汗だくになったあとの温泉は本当に助かります。三朝温泉の河原の露天風呂でひとっ風呂浴びて戻ってきたら、テント設営大会になっていました。

NUDAでハンモックキャンプツーリングは何度もしてきましたが、テントはNUDAに積載するにはデカすぎて、これまで1度も持ち出したことがありません。今回サイドバッグにポールがギリギリ収まることが分かったので、サイドバッグにテント一式を突っ込んで持ってきました。久しぶりのテント泊。

全部で5張り。テントもバイクもそれぞれ。

予約して頂いていた三朝温泉の「きらく」というお店は魚介の料理がとても美味しいお店でした。思う存分飲み食いして、「走り処、羅漢」の歴史など楽しい話題で盛り上がったあと、帰りに温泉街を歩くとムチャクチャ右に傾いた看板があったり。

参加されていたあやのすけさん・エリザベスさんはジオキャッシャーで、三朝温泉にもジオキャッシュが隠されていたことから、僕も「ジオキャッシング」デビューさせてもらいました。新しいおでかけの楽しみと目的ができました。

そして、テントに戻って第2部スタート。いつでも入れる露天風呂にビールにバイク友達と空には星。シンクさんをみんながつつくという羅漢の人間関係の構図もよくわかりました。様々な広島ローカルな話のなかで、今日初めてお会いしたCBRさんと共通のマイミクが居ることがわかったり、これまでにも練習会やジムカーナイベントで実はいろいろな人とニアミスしていたことが分かったり、結局バイクという趣味を通じてお互いかなり近いつながりがあるということがよく分かりました。

深酒した翌朝、いつも通り4時起き‥。朝羅漢に集まる人たちというだけのことはあって、夜遅くまで飲んでいたのに皆さん朝の行動時間が当たり前のように早い。

河原の露天風呂で朝風呂してきました。つい立ての裏側が脱衣場になっていますが、橋や対岸の道路からはケツ丸見え。2つある浴槽のうち川上側が熱めなのですが、普段利用されている方の話では「今朝は昨日より熱い」ということだそうで、温度は日替わりのご様子です。

風呂から戻るとコーヒータイムになっていました。

ひとりのツーリングだと朝7時には走り出しているというのが僕の行動パターンですが、昇ってきた日に当たると気持ちが良いような気温では走り出しても凍えるだけなので、のんびり歓談しながら過ごします。

朝露が軽く乾いたところで荷物撤収。テントを畳むのも汗だくにならなくていいですね。

みんなそれぞれのペース。このポイントキャンプツーリングの面白いところは、朝の出発も片付けが終わって整った人から三々五々散って行くという点。ホントに現場に集まって飲んで泊まって、それ以外は完全に自由なのです。

帰りのルートも特に決めていませんでしたが、折角天気が良いのでまた大山に戻って昨日と含めて大山を1周してみました。

山を下って米子。20年前、まだVFR750Fでジムカーナをし始めたばかりのころ、昨日ご実家に突撃訪問した知人が就学のためにその当時米子に居たので、それこそ九州から京都までジムカーナ仲間が集まって合宿して練習した米子港。20年経った今でも、KTMがノーヘルで8の字しているくらい非常にオープンで恵まれた練習環境でした。

中海の江島へ渡る江島大橋、通称「ベタ踏み坂」。鳥取側がこう配5%、島根側が6%だそうです。島根側から上ると、それこそジェットコースターのスタート前の傾斜を上るような「頂点の向こうは空」な風景が楽しめます。

出雲で出雲蕎麦を食べようと思ったのに、お昼になってしまったので松江で割子蕎麦を頂きました。神代そばさんは人気店なのか3組15分ほど待ちましたが、出てきた蕎麦は腰が強くてしっかりと食べ応えのある、満足感タップリの蕎麦でした。

出雲や日御碕を巡って帰ろうと思っていたのだけど、もうクタクタになってきたので、松江からまっすぐ帰ることに。途中宍道湖の出雲方面を見ると水平線上にはモヤモヤとしたものが浮いています。とても天気の良い日お昼時の、まさに白昼夢ともいえる蜃気楼。バイクを降りてしばらく眺める価値のある風景でした。

この度初めて参加させて頂いて、人とペースがあまりあわなくて独りで走ることが多い自分にとって現地集合・現地解散のポイントツーリングというのはまさにピッタリなスタイルのツーリングということがよく分かりました。いろんな新境地を開拓することができたことにも感謝。飛び入りでしたが参加させて頂いてホントに良かったツーリングでした。

3 Comments

グリーンライン

初めまして、隣の県でグロムに乗ってます いつも色々参考にさせていただいております ちょっと気になったことがあったので質問させてください 三朝のあの場所はキャンプ大丈夫なんですか?
問題なければ、是非行ってみたいので宜しくお願いします

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>グリーンラインさん
初めまして。
今年も泊まりに行った方々によると、自動車で芝生に乗り入れての宿泊もされているようです。それだけおおっぴらに宿泊をされて「宿泊禁止」と表記がないということは容認‥というよりは黙認されていると考えます。
これからどうなるかは、あそこを利用される方々のマナー次第ということになるのではないでしょうか。静かな芝生敷きでトイレも近く、対岸を少し歩けば無料の露天風呂や歓楽街ということで、キャンプ地としては最高の場所です。素敵な時間をお過ごしください。

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