GROM ハイカムなど

これまでとあるピストンとシリンダに交換してインジェクタも噴き出し量の大きいものにして走っていました。その結果、低中回転のトルク感は太くなったのですが、高回転が伸びずにもっさりした感じになりました。インジェクタをノーマルに戻すと上はそれなりに回るのですが、中速域(4000〜6000回転くらい)のトルクが少し落ちる感じ。
先日乗させてもらったキョウちんの完全ノーマルGROMは全体的にシャープにエンジンが回って、高回転でもスルスルと加速するのに驚きました。とてもバランスの良い感じ。自分のマシンはクラッチミートから中域までは明らかにトルクが太いのですが、高回転は重たい感じなのです。例えて言うならノーマルGROMが「ナイフ」なら、うちのマシンは「こん棒」って感じ。

そこで今回、ユミナシさんのインジェクションコントローラーとハイカムを取り付けることにしました。

届いた荷物を開梱してビックリ。取り付けどころかセッティング方法に関するマニュアルも一切なしで、ホントに紙切れ1枚入っていません。販売代理店の製品紹介にも「取り付けに関するサポートは一切しません」と書いてあります。現時点でWebで検索をかけても取り付けたという情報は見当たらず、なにせ初めてなことなのでううーん‥となりましたが、とりあえず付けるだけ付けてみようとインジェクションコントローラーから取り付けてみました。
こちらはGROMのメインハーネスとECUの間に挟み込むだけ‥と思っていたら、それとは別に3Pカプラも割り込みさせるようになっています。同じ形状の3Pカプラは車速センサからメインハーネスにつながるところしかありません。まず3Pカプラを繋げずにとりつけてセルを回すと‥エンジンはかかります。次に3Pカプラを割り込ませると‥セルは回るけどエンジンがかからない。また3Pカプラを外して始動‥エンジンかかる。はて?

とりあえず3Pカプラを外したままで走ってみると、スピードメーターが0表示のままです。というわけで間違いなく車速センサ関係のカプラだと思うのですが、とりあえず放置。

コントローラーのセット方法も分からないので、セットを何も変えずに取り付けてみた結果‥「とあるシリンダ&ピストン」+「大きいサイズのインジェクタ」+「インジェクションコントローラー」=5000回転から上までこれまでになくパワフル&スムーズに加速します。例えて言うなら「こん棒」が「刀」になった感じ。8000回転のレッドゾーンを超えて9000回転に入ってもまだ回っていきます。ただ、何もセットしていないからか、3000回転付近に恐ろしいトルクの谷があって、普通にクラッチミートするとエンジンストール。インジェクションのセッティングで変われば良いのですが‥。
その他、エンジン始動時はオートチョークがかかるのか、しばらくアイドリングが3000回転くらいになります。この辺の動きも古いバイクの調子の悪いキャブセットのようなイマイチ安心感の持てないような動きなので、ちょっと様子見してみます。

続いてハイカム。上がノーマル、下がユミナシのハイカム。

カムシャフトを抜くのもスコンと簡単に、というわけにはいきませんでした。圧入とまではいかないまでも、カムの両端のベアリングがシリンダヘッドにピッタリと嵌る状態で挿入されているので、ただ引っ張るだけでは抜けません。カムスプロケットを固定するネジ穴にボルトをねじ込んだらシャフトが引き出されるようなサポートを使って抜き取りました。

ノーマルカムシャフトとハイカムを並べて比べてみると、ノーマルは左端に遠心力で位置が変わるような動きをする「デコンプレッサーウェイト」というパーツがついています。これが取り外してハイカムに使い回すパーツなのか悩みました。パーツリストを見るとクランクシャフトとアッセンブリなパーツで、バラすにしても左端のベアリングを抜かないと取り外せない構造になっています。

よくよく比べてみると、ノーマルの排気側カムにはでコンプレッサーウェイトを取り付ける軸受けになる穴がありますが、ハイカムにはその穴がありません。排気側カムからベアリングまでのシャフト形状もそれぞれ違っているので、デコンプレッサーウェイトは取り付けしない、という判断で組みました。(2014/1/9追記:デコンプレッサーウェイトは停車時のピストン位置によってシリンダ内の圧が高すぎてセルが回らないことを防ぐためのデコンプなのだそうです。GROMの場合ローギアでも車体を押し引きしてクランクを回すことが出来るので、セルがまわららなくても最悪降りてピストン位置を変えてやればなんとかなりそうです。とりあえずデコンプをつけない状態のハイカムで困っていません)

SOHCのエンジンはパーツ構成が少なくて単純だといっても、初めてだと勘所が分からなくて結構時間のかかる作業になってしまいました。でも一度経験しておけば次に活かせるような作業でしたので、次はサクサク整備ができそうです。
夜中に作業を終えて恐る恐るエンジンをかけてみたら‥気持ちよくエンジンがかかりましたがヘッド回りからカチカチカチカチ‥とヒドいタペットノイズが‥というわけで次はタペット調整です。

3 Comments

doi

インジェクションコントローラーの噴射は間違いなく薄いですよね、多分3500から8000あたりまで20%落としてると思います

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