隠岐の島々渡航前夜

「隠岐の島へ行こう!」と思い立ったことはこれまで何度かあります。そして何度も諦めました。理由はふたつ。

  1. 島前・島後で全部で4つの島があってよくわからない。

    「おきのしま」とひとくちで言っても、そこにはいろいろな意味が含まれています。隠岐の島界隈を地図を見ると3つの島の塊と1つの丸い大きな島があるのがわかります。本土近い側に西ノ島•中ノ島・知夫里島の3島を「島前」と言い、少し北にある島後島を「島後」と呼んでいます。この島後島の自治体がややこしいことに「隠岐の島町」なので「おきのしま」はこの島後の島が本体だと考える人も少なくないと思います。
    隠岐といえば「隠岐の島流し」。なので歴史の授業で習う後鳥羽上皇と後醍醐天皇は島後島(隠岐の島町)へ流されたものだと思ってしまうわけなのですが、実際は後醍醐天皇は島前の西ノ島(西ノ島町)に、後鳥羽上皇は中ノ島(海士町)に流刑となっています。隠岐の島流しは「隠岐諸島島流し」なのです。
    隠岐といえば自然たっぷりで断崖絶壁の上に牧草地が広がっていて野生馬が絶景のなかで草を喰んでいる‥事前に僕が抱えていた隠岐のイメージ。ところがこの風景も島後島ではなく、西ノ島なのです。
    NHKで若者が隠岐に魅力を感じてIターン転職先として隠岐を選んだ、というニュースを報道していました。これも現地に行ってみてわかったのですがここで紹介されていたのは中ノ島のことでした。

    これらのことから分かる通り、世間でいう「おきのしま」とは地理的には隠岐島諸島または隠岐群島、行政的な区分けとしては隠岐郡(隠岐の島町・西の島町・海士町・知夫里村)の4島全体といえます。隠岐の島と言わずに、隠岐の島々と呼ぶと分かりやすい。
     
  2. フェリーの制約があって時間的計画を練るのが面倒臭い。

    いざ渡島計画を立てるとなると、まずフェリーの時間から調べることになります。隠岐の島へは松江市の七類港から1日2便、境港市の境港港1日1便就航しています。隠岐の島諸島から本土へ戻れるのも3便。島同士が少し離れている島前・島後間の移動にはこのいずれかの船を利用しなくてはならず、これらがまず大きな制約になります。
    島前の3島は小型のフェリーが1日8便、それぞれの島をピストン運行する形で往来していますが、一番小さな知夫里島へは1日2便しか就航がなく、これらの制約から各島をうまく巡ろうと思うと少し腰を据えて計画と立てなくてはならず、「ちょっと隠岐まで」とか軽い気持ちで調べ始めると面倒くさくなってそこでノートパソコンをそっと閉じてしまいます。
    4島の地に足をつけるだけで良いのであれば1日のうちに全ての島を巡ることは可能です。その場合各島の滞在時間は30分から1時間、最後に知夫里島に到着したらそこから本土へ帰ることはできないので1日で4島を訪れるだけ訪れたとしても最低でも1泊することになります。じっくりと4島全てを巡るとなると2泊は必要ですが、2泊3日もするとフェリーの組み合わせの可能性がかなり広がるので、かえってそこでまた悩んで面倒くさくなります。本気で行こう!と思わない限りちょっと計画を立てる気が起きないのです。

    隠岐の島は島の大きさがそれぞれの島の魅力の多さと直結していないので、事前にどの島にどのくらいの時間が必要か考えた上でフェリーの時間的制約の中にハメていく必要があります。おそらくその計画に頭を抱えるところからが隠岐の島巡りの楽しみの始まりなのだと思います。

隠岐汽船さんから本土〜隠岐を結ぶ便の時刻表を拝借してきました。時刻表をクリックすると借用元へ飛ぶので、今現在運用されている時刻表をご確認ください。

また隠岐観光株式会社から島前内航船(フェリー)の時刻表も。

渡航計画はこれらと睨めっこしていくことになります。実際に渡る場合はいちいちホームページを開かなくても済むように、このふたつの時刻表はスクショして携帯内に保存しておくべきです。

車両を載せられない高速船や内航船も就航しているので、自前の乗り物を使わない場合はそちらも参照してください。

今回僕が計画した2泊3日のルートです。(料金は125cc未満の原付)

◆1日目
9:00 七類港
 (2時間25分 6150円)
11:25 西郷港(隠岐の島町)
 <島後島滞在 20時間55分

◆2日目
8:30 西郷港
 (2時間20分 3320円)
10:50 来居港(知夫里村)
 <知夫里島滞在 5時間7分

15:57 来居港
 (38分600円)
16:35 別府港(西ノ島町)
 <西ノ島滞在 16時間

◆3日目
8:35 別府港
 (17分600円)
8:52 菱浦港(海士町)
 <中ノ島滞在 6時間23分
15:15 菱浦港
 (2時間40分 6150円)
17:55 七類港

知夫里島を確実に晴れの日に充てたかったので、これ以外にも当日朝にスイッチできるように知夫里を初日にするルートも用意しておきました。事前に調査不足で最後の中ノ島では暇を持て余しましたが、中ノ島へ行く便を1つ遅らせると滞在時間が2時間半とちょっと心許ない感じもしたのでこうなりました(実際に訪島した感じでは中ノ島は2時間半でも主要な巡りたいところは廻れます)。
船の時刻等々は季節や年度によって変更されますので、参考までに。


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