SuperCub 伯方島

桜の便りが聞かれる季節の火曜日。土曜日から月曜日にかけて3日間の大阪で、もう十分いろいろあったから広島に戻っても良いか、と思って岡山あたりのパーキングエリアで一晩明かしました。が、丸1日晴れでカブを積んでいるとなるともうひとつ寄り道してみたくなってしまいます。

しまなみ海道、伯方島の開山公園の桜を見て帰ろうと、向島に停めた車からカブを降ろして走りながら日の出を迎えるという時間にこの日のツーリングがスタートです。

夜明け前。因島大橋、さすがに誰も走ってない。

生口島で夜明け。対岸の岩城島の山頂付近は桜の木が密集しているはずなのですが‥あれあれ、あんまり白くない。

多々羅大橋の橋脚のV字の穴と、橋のパースが絶妙にぴったりしていないのが気になる撮影場所。もう少しパースが緩むところから見たらぴったり重なるはず。多分そこは海の上。

ムスメとしまなみ海道ツーリングをして以来特別な場所になったレモン谷へ。

ガチャ回そうかと思ったけれど、ここで小銭を使うと橋代が払えなくなるので、往路はスルーしました。

大三島から見る多々羅大橋と生口島。この時間に東を見ると霞に光が乱反射して黄色のヴェールに風景が包まれて見えます。

平坦に見える港も微妙に水の集まる凹凸があるようで、平板な水鏡のスポットがいくつかできていました。延々遊べるけれど、先へ進まなくては‥。

大三島から岩城島や伯方島の様子を遠くから伺うと、桜は満開といえない様子だったので、それならばと花の開く時期がソメイヨシノより早い教善寺のしだれ桜へ立ち寄ってみました。こちらはもうかなりの花が落ちていて、花弁の絨毯に目を奪われる様相でした。

大三島の南半分をぐるっと巡って、いつもの場所。まっすぐ作ってもおかしくない道をわざわざ写真映えするように作ってくれている道。ここも撮り方難しいなぁ。なかなか見た目の感激が絵にならないです。

開山公園の展望所にやってきました。思っていたよりは咲いていた!

この公園の特徴は「桜並木」ではなく山の頂上部分をすべて桜で覆いつくしているところ。恐ろしいほどの桜の密集状態で、その中心にある展望台から、どの方向を見てももう向こう側が見えないくらいに折り重なった桜桜桜‥ものすごいボリュームです。この日6分咲きといったところでしょうか。満開になると本当にすごいところです。

展望台からだと手の届く目の前に桜が見えるのも良いですね。

生口島側は2分咲きかな。だからあちらから見ると咲き方が弱く見えたのか。

伯方島にまだ足を踏み入れていないところがありました。伯方島の中心にある宝股山(ほこさん)の山頂が絶景だということで、立ち寄りました。駐車場からひたすら階段を登ります。

何が24Hオープンだよ、と突っ込みたくなる。しんどい。

この山、登れば登るほど山道の傾斜がきつくなっていく‥最後の方はすごいステップ高。

登頂!歩く時間でいうと駐車場から10分ほどで登れます。

山頂にある岩が石神というご神体とのこと。弥生時代の土器が周囲から出土したそうです。

自分が昇ってきた北側とは反対側の南側は鎖場になっていました。ここ、なかなか多面的な顔をお持ちのようで。

南西には伯方大島大橋。見近島のキャンプ場が見えていますね。

北に多々羅大橋。

北西に大三島橋。この山、素晴らしいビュースポットです。

下山途中に寄った人工のため池。こちらから見ると宝股山がきれいな三角形をしているのがよく分かります。上に行くほど角度が急になっている様子も見て取れます。

はー、春らしく霞んでいるけれど、走っている分には最高に気持ちの良いしまなみ海道。まだまだ走りたい。

朝から何も食べていませんが、腹を満たすというよりは小銭を作るためにソフトクリームを買ってみました。塩ソフトと悩んで柑橘系のシャーベットを頼みましたが、まだ肌寒い時期なのでシャーベットじゃない方が良かったな。

小銭ができたのでレモン谷の下の方のガチャを回しました。これまで手を出さなかったマスコットをついに買ってしまった。青空に黄色がとてもよく映える。

つぶして楽しい。

並べて楽しい、V アンド V。

明け方の光では大して気にならなかった菜の花も、お昼の光を浴びるととても輝いていました。

さらに走ったことのない道を見つけての帰り道。

最後の橋を渡り終えて海を見ると、この上なく綺麗に光ってる。ダメ押しで走ってみて良かった。充実したなぁ‥。

お昼に積み込んで帰るわけですが、ここで大事な見落としが。広島へ早めに帰るのは子供の頃衝撃的な影響を受けた高荷義之さんの広島展が今日までだということで、それが理由で大塚国際美術館へ寄らずに広島に戻るのを決めました。もう一度展覧会の詳細を確認しておこうと高速に乗る前にホームページを確認したら、「最終日14時まで」と書いてあるじゃないですか。本郷インターでそれを見たのが13時。ちょっと待て、と真面目に焦りました。金にモノを言わせて使える有料道路はすべて使って平和公園の南にあるアステールプラザへ直行です。10分でも、5分でもいいから作品は見ておきたい!

間に合いました。閉館15分前でしたが、閉館時間を過ぎても声をかけずに放っておいてくれていました。中学生の時に衝撃を受けた作品、生で見ることができました。本当にうれしい。

昔から気になっていたのは「どの程度厚塗りしているのか」「どうやってスケール感をきちんと感じさせる巨大建造物を表現しているのか」です。
背景の処理からわかるように、全体的には透明度の低いアクリル絵の具薄塗り。冷静にゆっくり描くというよりは直感的に筆が走って塗り上げていくことで、鉄板一枚でも高荷さんの絵だとわかるような独特のテクスチャー表現になっていました。
スケール感についても秘密が見えてきました。細かいところは極端に細かいのです。先の利いた細い筆で直感的に、でもアンテナや窓枠など形や位置や比率などは正確に線描が重ねられていました。筆の先に気持ちが入っている線が大量に置かれることで密度感がでて、それがスケール感につながっていました。

直感的に正確に筆を置く、ということはモチーフの形状をきちんと理解して表現したいイメージがしっかりとできていないとできないことです。そのあたりの能力に長けているというのが高荷さんの特徴なのかと思います。

これは高荷さんの「休息」という1983年の作品です。ラフ画は出渕裕さんが起こしてそれを元に高荷さんが描いたということは分かっています。この絵にはザブングルという作品中のエルチとその仲間たちの人物像も含めた全てが描かれています。船舶や航空機のボックスアートを描いたていた高荷さんがアニメ作品を自分のテイストで描き始めたことで、それまでアニメといえば平板なイラストしかなかった世界に、突然リアル路線で重厚感のある絵画が現れました。その衝撃ったら‥ホントにたまげました。この時感じた絵ってすごいという驚きは、今でもよくよく覚えています。

家に帰ったら麦茶が飛びついてきた。日常が戻ってきた感じ。

高圧洗浄。ああ、カブで京都府を走ったんだなぁ‥という感激。春の4日間大阪ツアーが終わりました。

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