昼のIKEAと夜の大阪

朝、熱は下がったようでホテルハイエースから這い出ると、体がフラフラするのと解熱後のスコーンと何か抜けたような爽快感とが混ぜこぜになったような変な調子。で、頭痛。発熱で夜のうちにおそらくものすごくエネルギー使ったんでしょうね。すごい疲労感。若い頃よりそれが堪える感じがした‥ハイエース泊からの疲れも重なった?

せっかくカブ積みで大阪に来ているのに、この日は夜まで丸1日雨予報です。キャッシュに立ち寄りながら大阪のベイエリアを見てみようと、朝早くから川沿いを南下します。道はガラガラ。

なんだか信じられないようなスケールの橋や海底トンネルをいくつも通りました。何もかも広島とはダイナミックさ違う。

開店前のIKEAの駐車場で少し静養して、開店と同時に突入。IKEA巡りは僕の中ではビッグな観光イベントのひとつなのですが、普段は家族と来るので‥今回、夢のひとりIKEAです。

しんどくてもカートにすがるようになって歩けるので、少し楽。

コストコやIKEAって、初見だと特に必要なものがなくてもあれこれ生活シーンを妄想してカートに放り込んでしまうようなお店ですが、さすがに何度も訪れているので不要なものまで買ってしまうような魔法は切れています。でも、今回思わず手を出してしまったのは、この黄色いタコ。車の中で飼おうと思います。

先頭集団だったのでレストランも待ち時間ゼロ。食欲もゼロに近かったけれど何か食べておこうとミートボールのセットでも。

1巡目が終わって車に荷物を運んでいると家族やMAVさんからあれこれリクエストの連絡がきたので2巡目へ。外に出ても雨ですから気兼ねなく時間を潰して、自分のペースでIKEAを堪能できました。とても良い経験になりました。

その後スーパー銭湯の熱めのお湯でしばらく茹でられてみて、結構回復はしてきましたがまだ肌の表面のざわざわした感じがひきません。夜になっても食欲がないので何をして過ごそうかと思っていたら、店を閉めたMAVさんが大阪観光へ連れて行ってくれるというので都心部へ向かいます。

グリコを通り過ぎて‥

ドラクエローソンを通り過ぎて‥

向かった先はここ。飛田新地料理組合。

数ブロックに渡って間口の狭い2階建ての「料亭」がずらーっと並んでいます。店の2階に通されると料理を運んできた女の子が一瞬で恋に落ち、店の預かり知らないところで自由恋愛が始まる、というシステム。詳しくはこちらを参考にしてください。

以前大阪へ来た時に何の予備知識もなく偶然通りを歩いてしまった新地がここだと思っていましたが、そこは松島新地という別の場所でした。飛田新地も松島新地もいわゆる「赤線(地図上を赤線で囲って示した遊郭などが認められる地域の昔の呼称)」ですが、飛田新地の方が圧倒的に広くて賑やかです。

女の子じゃなくて遣り手婆さんの方の仕事についての記事も面白いです。

ここは赤線地域を囲む赤線の直上と呼べる場所。左の階段下がもとの遊郭エリアで、そこで働く女の子が逃げられないようにつくられた昔のコンクリート壁の外側には普通の生活が営まれているようなマンションが建っています。緩衝地帯みたいなものは一切なくて、道を挟んで何の変哲もない街とグラビアアイドル級の女の子が毎夜店先に座っている街がくっついている。

料理組合という呼称で1958年の売春防止法施行以降もそれ以前と実質変わらない経営を続けてきたこの一帯も、万博を理由に一掃される可能性があるということです。上の写真で見る通り、この街と健全な空間とは子供でも簡単にひょいと跨げる程度の目には見えない線1本で仕切られており、それは物理的な切り分けというよりは双方の空間に生活したり働いたりしている人々の意識の中での切り分けという印象を受けました。
この街にはやくざも絡んでおらず、「店の外では客引きしない」「自分の店の間口の前の客にしか声をかけない」「このエリアでの携帯の取り出しを認めない(撮影防止のため)」などの不文律で完全に自治化というか文化が出来上がっている街です。万博を理由にそれを簡単になくしてしまうというのは、ちょっといただけない話だな、と感じます。

飛田新地の一角に、昔の遊郭の建物をそのまま使った(本物の)料亭もあります。こちらは建物自体が国の登録有形文化財で、まさに鬼滅の刃遊郭編に登場しそうな建物。

近づけば近づくほどその全容がわからなくなるあべのハルカス。逆に車では近づけなくて遠巻きに見るしかない大阪城とか、松島新地を巡って、

地下に大迷宮の広がる大阪駅。

翌月曜日はMAVさんとツーリングの予定でしたが、朝の体調次第ということにさせてもらって早めに就寝しました。2泊目となると心身ともにホテルハイエースに慣れて、朝までぐっすり眠れました。

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