迷路と砂と豚と天然記念物

地図を眺めて面白そうなものを見つけて突撃訪問、というのは僕のツーリングスタイルのひとつですが、前日テレビで島根県雲南市の巨大迷路を紹介していたのを見てムスメが行ってみたい!というものですから、山陰の気になるスポット突撃訪問に出発しました。

バァカボンのパァ〜パなぁのだぁ。宮島SAの床に落ちているもみじ饅頭。探してみてください。

尾道と出雲を繋ぐ中国やまなみ街道(尾道松江線)沿いに新作キャッシュがパブリッシュされていたのでいくつか拾いながら。元々ジオキャッシュの設置の少ないエリアですし、ジオキャッシング人口も少ないからか、最初の訪問者としてFTFをたくさん頂きました。

最初の目的地の「陽だまりの丘 巨大迷路ドラゴンメイズ」に到着して、駐車場を降りた途端に漂ってくる高校の文化祭的空気感。第一駐車場から受付へ向かう道は民家の敷地のようでおばぁちゃんちに遊びに来たのかと思いました。

何が文化祭感を漂わせているのか考えてしまいました。ひとつは混色や調色せずにペンキ缶からそのまま塗っただろうという原色の塗り分け。あとは全体的に漂う「壁の薄さ」かな。

でも、このド派手感に人はやられてしまうんですね。ちょっとワクワクしてきました。コースは難易度(目的の難しさ)に応じて3種類で、一番難しいスーパーコースは一人1000円。

タイムスタンプを押してスタート!迷路の中に設置された場内8箇所のスタンプ台を巡って来るというのが目的になります。30分以内にゴールできたら何かもらえるようですが、初回はあせらずじっくり巡って楽しむのが良いと思います。

ただの平面の迷路じゃなくて、なんだか立体的に交差もしているようです。広さもそこそこあるので手強そう。

シマシマに塗り分けされた三角屋根の建物が、スタンプ台のあるところです。歩きながら見えるけれど、なかなか近づけません。スタンプ台は通りすがりにあるわけではなく迷路を抜けた袋小路にあるので、スタンプを押した後また延々と迷路を戻っていかなくてはなりません。というわけで、すべてのスタンプを押して回るには結構時間がかかります。

水色スタンプゲット。間違えて青のスタンプ枠に押しちゃったけどな。

行き止まりかと思ったら開く壁もあったりして、なかなか手強い‥。

迷路中央にある建造物は、1階が天岩戸という真っ黒な空間になっています。ここも真っ直ぐは進めなくなっていて面白い。

2階部分は内部が立体構造になっていて、上がったり下がったり。

くぐったり。大人は僕でギリギリ。別ルートもあるのでわざわざ通らなくても良いところもありますけれど、子供はこういの大喜び。大人は翌日普段使わない筋肉使ってしまって翌日グッタリする奴だな。

人は視覚に頼って生きてるなぁ、ということに気付かされるのはこの建物で、この写真、カメラは水平にして撮影しています。傾斜地に建てられていて建物全体が20度くらい傾いているのですが、目に入る垂直水平に対する自分の三半規管の傾斜センサーとのズレから建物に入った瞬間からクラクラとしてくるのです。頭では傾斜地だと分かっていても見た目の垂直水平に騙されて真っ直ぐ歩けません。
以前岐阜の養老天命反転地で似たような構造の建物を経験したことがありますが、こちらの方が傾斜がきついのでクラクラする感じが強いように思います。

スーパーコースの最終目的地はこのドラゴンの口の裏にある御朱印のスタンプ台。こちらもタダでは訪れられないところです。いやー、想像以上に楽しかった。途中ムスメがスタンプカードを落としてしまったのを探したりしたので1時間半くらい中をウロウロしていました。

巨大迷路をあとにして僕のスタンプ台巡りはこっち。FTFゲット。

キャッシュが見つからないところも今回たくさんありました。地面に落ちていないか探しているとつくしが見つかりました。

巨大迷路から次の目的地の浜田まで、調べてみると100km以上離れていました。うへー、広島から尾道くらいあるのか!と思いましたがちょうど中間あたりに鳴き砂で有名な琴ヶ浜があったので立ち寄りました。

あの日、砂に書いたGROM。

最近、すぐ跳ぶ。

夏に向かう扉。

明け方の山間部は下手をしたら氷点下という気温だったのに、お昼は春を通り越したような良い天気。足を引きずって歩くとギュギュギュギューっと抵抗感があって砂が鳴きます。鳴き砂は湿っていると鳴かないので、この日は条件も良かったのでしょう。

浜田に到着。街のメイン通りが地形に逆らわず坂道という変な風景。迷路の中にあった垂直水平がおかしくなってる建物が頭をよぎります。

浜田の街のど真ん中にあるケンボローさん、養豚農家の直営店です。

普段口にしないような肉厚で旨みたっぷりのトンカツが食べられます。ここは金に糸目をつけてはいけないところ。

この日、そもそも僕が山陰へ出かけようと思った一番の目的地。浜田といえば島根県立しまね海洋館 アクアスでしょうが、このアクアスの南西部に「石見畳ヶ浦」という国の天然記念物があるのです。駐車場に到着した時点で目の前の高さ40mもある巨大な礫岩の絶壁に圧倒されます。

その礫岩の山をくり抜いて隧道が通っています。

隧道はなんと、海蝕洞の空間に抜けます。この手の場所って、よく賽の河原って呼ばれるところですね。ここから向きを変えて隧道がさらに続いていました。

2本目の隧道を抜けた先に広がる風景は、誰でも頭の中では「うわーっ」と声が漏れる風景だと思います。

なんだこの地形。平坦な地表のあちらこちらに丸い石の塊が点在して、無茶苦茶広く水平に広がる地表面には節理の割れ目が長々と入っています。

こういう真っ直ぐな亀裂に海水が入ってきていますが、おそらく節理の筋が侵食されたものか、断層のラインだと思います。

パパ大喜び。

浅瀬の水たまりはウニのパラダイス。

浸食されたものか溶岩が固まるときにできたものか分かりませんが、丸い穴に綺麗にウニがはまっています。

潮が引いて完全に地表に取り残された丸い穴の中には小宇宙が出来上がってる。イソギンチャクの王様の小国かな。

ウニって手に持つと手のひらの上で移動を始めます。その感触は何とも言えないキモ可愛さ。

地形・地質に目を向けてみましょう。なんだかすごいよ‥浜田へ来たら水族館へ行っている場合じゃないよ。不思議なことに広い範囲を見てみると、丸い岩は規則性を持って並んでいるように見えます。

馬の背という断層が露出して浸食された丘。横線から上と下で堆積しているものが違っている様子が、色や粒子だけでなく浸食の度合いによっても分かります。

上側は浸食が不思議な文様になっています。触るとザラザラと表面が崩れてくる砂岩の塊だということが分かります。

といっても、柔らかいわけではなく、頭をぶつけたら大惨事になりそうな岩であることには間違いない。

浸食の度合いによってはキノコ岩という形状のくびれのある石柱になっています。

それが1個や2個じゃない。たくさんにょきにょき生えています。

また、いたるところに貝の化石が散らばり、じっくり観察するとクジラの骨や何かわからない化石も露出しています。

面白い。ここはいろいろと表情が豊か過ぎて、延々と時間が過ぎていく。

せっかく浜田にきたわけですから、アクアスでチンアナゴのマスコットでも買って帰ろうと思っていたのに、今日の残りのエナジーをすべて畳ヶ浦で放出してしまいました。家族連れでしたが、ごった煮の雑炊みたいないつもの僕のツーリング感たっぷりの1日でした。

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