厳島 弥山登山

ちょっと前からムスメと「弥山に登ろう」という話になっていて、どうせ登るなら青い空と青い海の景色を愉しみたいからと曇天の日はスルーして2回ほどお流れになっていました。やっと期待できる天気になったので時間も機材も計画的に準備して出発。新しくなった広電宮島口、初めて降り立ちました。港が道を挟んで本当に目の前になってとても便利です。

午前9時に家を出て1時間半ほどしたら弥山山頂‥と思っていたのに、フェリー乗り場で目に留まったのは「ロープウェイ運休」の張り紙‥ムスメは「なら歩いて登ろう」と登る気満々。僕も久々に歩いてみるのもアリだと思いましたが、妻はちょっと及び腰。
宮島界隈は海抜500mから600mほどの山が多く、弥山も535m。1時間ほどで登ることができます。普段運動していなくてもそこそこ頑張ればと登れるけれど、楽とはいえない絶妙な標高です。覚悟を決めました。

宮島で下船してすぐに、鹿避けの柵を開いて路地へ足を運びました。

家々の谷間にある誓真釣井。誓真さんとういう僧侶が伊予からやってきて、水が不足気味な厳島の人のために各所に井戸を掘ったという話があります。ここの井戸は当時海岸線から数mしかない場所だったにも関わらず真水が湧いて、町内各所から水を汲みに来ていたそうです。

カブでも大概の路地は走りましたが、徒歩だとカブで来る以上に路地が目について歩いてしまいます。

バイクだと気が付かずに通り過ぎてしまっていた神社をみつけたり。

ああ、ここにも誓真さんの井戸が。

今回、弥山登山のメインルートといる紅葉谷から登るルートで行きました。途中、大正時代の海軍省と掘られた石柱が建っています。気温は低めで、山歩きする分には爽やかで気持ちが良い!

ロープウェイ駅へ向かう道は通行止めというわけでもないけれど、ロープが張られています。折角なので弥山へ向かう前にリバース路にはなるけれどロープウェイの終点の獅子岩に行ってみようということに。

10分ほど歩いてロープウェイ駅。登り始めて1時間、うちを出てからちょうど2時間です。

野生の鹿が現れた。って、どこにでも居るけれど。

紅葉谷ルートは眺望が望めないので、ここに来て一気に海の広がりが見えてくると心が躍ります。

獅子岩の頂上。先に妻娘は到着してパノラマを楽しんでいました。

広島市街が一望。変な話、職場が真正面目の前。

リュックにモノキュラーが入ってた。高所からの眺望が一層楽しくなります。

本当は駒ヶ林で食べようと思っていた背負ってきたラーメン、ロープウェイが使えなくて1時間くらい時間がズレたのでここで登場。

青い空と海、大パノラマの絶景ラーメンだ!

ここでジャルジャルの漫才を視聴しながらラーメンを食べるのも、非常に贅沢なことだと思う。

ここの有料双眼鏡はコバック製じゃないのね。基本構造がコバックよりも今時な感じがします。

モノキュラーあるから双眼鏡は使わないよ。真面目に望遠鏡を持参すると、結構楽しい。

弥山に向かう途中にある、宮島弥山大本山大聖院「不消霊火堂(消えずの火)」。

ひとりで来ると素通りしてしまいますが、今回は家族と来て時間もあるので、ちょっとゆっくり覗いてみました。

うん、ムスコが明日受験だよ。合格祈願かな。

1200年間、消えずに燃やし続けているという火で燻された煙がお堂の入り口からモクモクと外へ漏れ出しています。霊火堂は2005年に焼失して、この建物は2006年に再建されたということですが、それでも入り口は天井まで煤けて真っ黒。

中も燻されて目が痛いくらい。大茶釜を炭火が温めています。

茶釜を吊るす鎖にもものすごい煤。

何もかも煤だらけ。

ここの自販機、ものすごくインフレってます。

霊火堂から10分も歩くと、巨岩を積んで作ったような風景に変わってきて、そこが弥山の山頂になります。

山頂の展望台は360度の眺望が楽しめます。2013年に建て替えられたもので、ちょうど10年経ちました。

展望台中層から‥杉か。

弥山に次いで厳島で高い駒ヶ林の山頂は、岩山の肌が露出しています。弥山も良いのですが、駒ヶ林も人の手の入っていないワイルドさが魅力的です。

パカ!

宮島弥山七不思議の一つ、大岩に丸い穴が開いていて満潮時にはそこから塩水が出てくるという干満岩。妻ムスメは舐めていました。うっすら塩味だそうです。

弥山の周囲は奇岩・大岩がたくさんあるので、疲労感を忘れて楽しく歩くことができます。

そのまま山を降ろうかと思いましたが、折角なので駒ヶ林へ。角度からわかるかな、凄い急階段。

大岩がそのまま山頂になっている駒ヶ林はひとつ間違えると谷底へ真っ逆さまで、そこが野趣たっぷりで訪れ甲斐のある山です。

ジャンプしても良い絵が撮れるんだけれど、着地も考えて飛ばないと危険が危ない。

開けているのは弥山側で、裏側の宮島口方面は少し進んだところにある岩の斜面から望むことができます。

こちら側、岩の淵から先は垂直の崖です。先へ行くほど傾斜がきつくなっているので、これ以上怖くて先へ行けません。

モノキュラーを携帯のカメラに充てて写真を撮ってみました。中国山地、奥に見える白い山の帯は十方山です。

王舎城。

中心しかシャープに写らないので、チルトシフトレンズで撮ったミニチュアみたいになっています。

宮島口と宮島競艇場。

木漏れ日の山道。晴れてよかった、気持ちが良い。

下山は大元ルートで。弥山登山では港から一番遠回りになるルートなのでここを使う人はとても少ないです。実際誰にも会いませんでした。
駒ヶ林が一枚岩だと理解するのにはとても良いルートで、背景の壁、垂直を超えてオーバハング気味なところもある大岩です。

先ほど宮島口側の写真を撮っていたのがこの大岩の上のところ。

気温が低かったので疲労感はそれほどでもないのに、下山でひたすら段差の高い階段を降りていると膝がちくちく痛み始めました。ムスメ、6時間歩いているのにひたすら元気。

麓まで降りてきて、ムスメが「今どこ?」というので右側のルートの下の方を指さしたら、「とーとん、バカなんじゃない?現在地ここって書いてあるよ」と左下の二重丸を指差したムスメ。それは凡例だよ。バカなんじゃない?

厳島神社越しに大鳥居が見えました。そういえば前回きた時はまだ足場が組んであったので、こうしてすっきりと鳥居が見えるのは何年振りか、という感じです。

堂々と海に立つ鳥居。元の姿だというのに、久しぶりすぎて新鮮。

僕が宮島に置いているコンテナ、モロ見えになっていましたが、エイジングが進みすぎてちょっとやそっとじゃ気が付かないくらい周りに馴染んでいました。さすがアーモ缶、外がこれだけ腐食しても中は湿気もなく状態がとてもよかったです。

今日歩いたルートを帰りの船から一望しながら振り返ります。6時間半、10km少々。やー、歩いたなぁ。

弥山へは海から並行に沢や尾根が並んでいます。地図に載っているのは全て沢コースですが、実は尾根筋にも登山道はあるのです。ただ尾根の道は下山時に尾根筋を下っているのか谷へ降りていっているのかが分かりにくく、迷う人が後を絶たないので今現在では全て通行止めとなっています。

歩いている最中は「しんど。もう、来ない」って思うのに、家に帰ると「また行ってもいかな」と思ってしまうのが不思議。いつか山の上で朝を迎えて、朝焼けを弥山から堪能したいものです。

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