四国西部ツーリング

8月16日(木) 1日目

東京帰省・九州遠征と続く長い長い夏休み。火曜・水曜と天候が不安定なので遠出を控えていましたが、週の半ばから週末にかけて安定する予報だったので、いきなり四国ツーリングへ行くことに決めました。
木曜日の8:00に岩国のキョウ邸から帰ってきてからバタバタと準備を始めて、通勤割引が適用になる9:00までに山陽道のインターをくぐるのをあきらめ、11:20広島港発のフェリーで松山へ渡ることにしました。突然の出発なので、目的地は佐田岬、四万十川、海洋堂ホビー館として、あとは日程もルートもまったく計画せずに出発です。テントやシュラフなどの宿泊道具は持参しましたが、今回はコンロや食器類は一切なし。大抵無駄に荷物が多すぎて反省するので、今回はミニマム装備で出発しました。

フェリーの途中経由地の呉もこの天気。早く走りたい!

松山へは年に3回以上、大会などで訪れるのですが、最近はしなまみ街道経由でトランポ移動ということもあって、フェリーに乗るのは久しぶり。しかも乗ったとしても大抵5時台の始発に乗るので、真昼の移動は初めてでした。波頭ひとつ立っていない静かな瀬戸内海がとても新鮮です。

14:00松山上陸でまっすぐ向かったのは佐田岬。1996年8月以来ということで、なんと16年ぶり。当時は発電用の風車がまだ珍しかった時代で、佐田岬の風車前で写真を撮ったことをよく覚えています。これはどうも当時の風車ではなくなってしまったようですが、まぁ、記念に1枚。

前長2mほどのバイクと比較しても分かるとおり、ブレードは10m以上あると思います。これが2秒で1回転していましたから、末端の速度はかなりのものでしょう。シュンシュンとと空気を切る音が周囲に響いていました。

湾や入り江になったところに集落ができている風景がいくつも続きます。佐田岬の南側、外洋となる太平洋はとても穏やかで、少し色の濃い低い雲を水鏡のように映し出す不思議な風景が見られました。

九州、佐賀関へのフェリーが発着する三崎港。国道はここまでで、ここから佐田岬の先端までは県道になります。時間が微妙なので、先へ進むか迷いましたが、タイムアウトしたらそこで泊まればいいやと思って先へ進むことにしました。

佐田岬駐車場から望む九州。写真で見るよはるかにり九州が近くに見えます。大陸の人が見たら、豊後水道は「川?」といわれてもおかしくないレベル。佐賀関の人工の構造物が見えるんですもの。

岬の灯台まではこの駐車場から徒歩で1.8km。さすがに時間がないので、またの機会にすることにしました。

折り返して佐田岬半島の中ほどにある亀ヶ池。ほとりに温泉があります。

亀ヶ池温泉。とてもきれいで大きな施設です。つくりはいまどきのスーパー銭湯。お湯はぬるめ。

道の駅の軒下にテントを張っての宿泊です。薄い雲がかかっていたので期待はしていなかったのですが、テントを張り終えて空を見上げると、天の川まで見える満天の星空でした。南の空にみえるさそり座のアンタレスが赤く輝くのが分かるくらい。
αNEX-5でバルブ撮影をいくつか試みましたが、標準レンズではこのくらいしか撮影できませんでした。

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8月17日(金) 2日目

2日目。
佐田岬にはコンビニが見当たらなかったので、昨日の状況では朝食の準備もできず、テントを畳んで宇和島方面へ出発しました。バイクで30分ほど走っても開店しているお店がなく、最初に見つけたすき屋で朝食を。ここで魔法瓶に冷たい麦茶を補充させてもらったのがとてもうれしかった。

晴天の下、しばらく走っていると、向かいの山を乗り越えて雲が溢れてきています。これはトンネルを抜けた先に面白い風景が期待できそうです。

その先は‥低く高さのそろった雲に蓋をされた盆地の田園風景でした。走っていく端から雲が晴れてきて、青空が覗きはじめます。

みるみる雲が薄くなって、気持ちよいグラデーションのかかった青空が広がってきました。

連続するトンネルの合間に見えた風景。低い山とみかん畑の海景にローカル鉄道という、広島市近辺の瀬戸内海とはずいぶんと違った風景が見えました。

第2の目的地、四万十川。以前訪れたときはまだフィルムカメラを使っていましたしバイクもVFR750Fでした。記憶に残る四万十川は曇天でしたから、新しいきれいな風景で記憶を上塗り。

川面を眺めながら遡っていくと、欄干のない沈下橋をいくつも見ることができます。季節が季節ですから、沈下橋の周囲では家族連れが水遊びをしていたり、カヌーやカヤックあそびをしていたり、と川遊びの拠点になっているようでした。
「最後の清流」 と呼ばれた四万十川ですが、波の立つところがほとんどなく、堰もありません。「清流」というよりは「静流」と呼びたいくらいです。

中流域でも川幅は十分広く、静かに流れています。

お昼どきになったので、食堂で川エビ定食など。同じ手長の川エビといっても、自分が子供のころに採っていたものとは違って、食べ手のある身のしっかりしたエビでした。ビニールパックののりの佃煮が、予想に反してとても香り豊かでおいしかった。

四万十川中流には「津賀」という地名の集落があります。20年ぶりに訪れます。

「津賀地区」だそうです。ちなみに以前訪れた際に、現地の人に苗字が「津賀」の人は住んでいるのかと尋ねたところ、「いない」と言われました。

津賀の集落。何も変わっていないように思えます。

集落からしばらく四万十川をさかのぼって、やっと到着、最終目的地の「海洋堂ホビー館 四万十」。
へんぴな場所にあることをウリにしている博物館です。

小学校を改装して2011年の夏にオープンしました。昨年は相当混雑した様子ですが、この日は駐車場も空いていました。

館の外側からしてサブカル臭むんむん。村上隆の色使いや世界観に少し似てるかも。

元体育館であったと思われる館内は、順路を特に設けず、ただひたすら海洋堂の作品の展示。アニメのフィギュア・動植物・戦車・軍用機・恐竜・妖怪・仏像・特撮ものetc…作品のジャンルはキリがなく、作品の総数はさらに数え切れません。

これは海洋堂ものではありませんが、サイロンレイダーとか。これに心動く人は何万人に一人とかじゃないでしょうか。

太陽の塔がみえます。

原型の作家ごとのコーナーも設けてありました。ロボットや生物や人物、アニメキャラなどそれぞれに得意とする方が所属されているようです。

衰退した美少女ガチャガチャを復興すべく、海洋堂がパイロット版として作ったカプセルマニアックフィギュアが、世間に先行しておいてありました。ギルティクラウンヒロインコレクション。いのりのプロポーションが秀逸。綾瀬の出来もすばらしい。ツグミが少し残念だけど、それでもツグミが欲しい。

化物語[Vol.01]。Vol.2で羽川翼が出たら、迷わずガチャガチャするな。

結局1回400円のガチャガチャ、6回も回してしまいました。

そして、出てきたカプセルがとても邪魔‥。

目的を達成したので、あとは流動的に。先週東京へ往復するANAの機内冊子で、桂浜の5色石の流出元になっている仁淀川の石について書かれたページがありました。組成の違う材質が複合した石を探しに高知県の仁淀川河畔のキャンプ場へ。

せっかく高知に来たのだからカツオを食べたいなぁ、と寄ってみた道の駅ではわらを焼いてカツオのたたきを作る実演が行われていました。試食用のほぐしたカツオがてんこ盛り。試食だけでも「カツオを食べたいなぁ」という欲求を満たすには十分でした。

キャンプ場到着。きれいなトイレと水施設のあるキャンプ場ですが、無料でした。

到着して近所の温泉に入って、食材とお酒を買って勢いよく飲み食いしたら、20時には寝落ち。0時ごろテントから出てみると空は雲ひとつなく、また満天の星でした。

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8月18日(土) 3日目

がっかりしに高知のはりまや橋へ朝一番に到着。この写真で見る限りではがっかり感が伝わりませんが、周囲を高いビルに囲まれて、橋としての機能は隣の大きな橋にお任せな感じが、がっかり感につながっているのだと思います。

桂浜。そんなお決まりのコース、もう何度か来たからいいかな、と思ったのですが、この天気だと爽快感が格別。来てよかった!仁淀川で拾えなかった複合色の石を探して歩きました。

砂浜ではなく、よくよく見ると小石浜なのです。

粒の揃った小石が堆積して延々と広がっています。

桂浜の突端から裏側の浜を見ると、表側以上に潮がひくとき「しゅわしゅわー」とか「じゃらじゃらー」とかいう音が耳につきます。おそらく引く波に浜の小石が洗われる音と、小石の隙間に含まれた空気が海水の上にいっせいに噴出す音なのだと思います。とても気持ちのよい音です。

着替えはもう1泊分用意してありましたし、近隣に四国カルストや石鎚山など見所はまだたくさんありましたが、正直くたびれたので帰ることにしました。フェリーの時間の関係で、松山への最短コースではなく走ったことのない194号の寒風山トンネルを経由して西条へ。気が変わってしまなみ街道経由へ、というルートも可能なコースです。全長5kmの寒風山トンネルは、ジャケットを羽織らずに入って後悔しました。寒い寒い。

船では1時間くらい爆睡。音戸の瀬戸に新しい橋が架かっているのには驚きました。古い橋のイメージに近い形状なので、完成しても違和感は少なくて済むかもしれません。

船旅を除く750kmの行程で、TDM900の平均燃費は25km/l以上でした。ツーリング時の燃費って伸びても24km/lだと思っていたので、もしかして走りがおとなしくなった?

一度行ったからいいや、と思っていたら、10年以上も訪れなかった四国の名所。今回は天気がすばらしく良くて過去の思い出以上の風景ばかりでした。四国に渡るまでが陸路でも海路でも距離や金銭面で少々難儀ですが、渡ってしまえばその分楽しみまくるしかないわけですから、天気が良い連休などはちょっと考えてみても良いかもしれません。

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