690DUKE 四国701×690ツーリング

「週末、時間が取れたらUFOラインから四国カルスト行きたい」とかあやのすけさんが言うものだから、僕もその気になって今治までトランポして701×690で秋の四国を巡ることになりました。この2台、メーカーは違いますがエンジンは同じLC4。「溢れるパワー、弾ける軽さ!」疲労感もたまらず無茶苦茶よく走るんです。

10月の下旬、あんまり早い時間にUFOラインに上がっても凍えてしまうだろうから、5時半広島出発で7時半今治スタート。

UFOラインの登り道、自分たちが走ってる道も思わず声が漏れるような綺麗さでしたけれど、たまにチラチラと見える向かいの山肌に絶句‥夏場は緑濃い山に黄色やオレンジや赤色が溢れています。

多分、世の中の紅葉の写真って思い出色補正入りまくってますよね。この山の見え方はそんな写真みたいにド派手な鮮やかさはないにしても、本当に絵に描いたような色づかいです。

麓から見ても標高の高いあたりは雲を被っていたのでそれなりに覚悟はしていましたが、俺のUFOラインが知らない世界になっていました。

瀬戸内側から上がってくる雲が稜線から溢れて南側へ雪崩れている感じ。北側は真っ白でも南側の下界は日差しもあってくっきり。これまでも遠くから石鎚山や瓶ヶ森山をみると、青空の広がる好天でも午前中稜線付近は雲を被っていることが多かったですが、今回それを生身で体感した感じ。

土小屋へ向かう途中、真っ白で濃密で流動性のある塊‥片栗粉を溶いた液の中にバイクごとドプンと突っ込んで行ったんじゃないかというような物凄い濃さの白い世界を通過しました。標高からして紅葉しているゾーンだったんじゃないかと思うのですが、白の不透明絵の具で塗りつぶされたような風景に色味も色気も全くナシ。

山がゴウゴウ唸る強風で実際の気温よりも寒く感じる気温6度の土小屋。今回一番寒かったのは、ここでヘルメットを脱いでモンベルの建物へ向かう十数メートルかな。完全冬装備だったので、走っている分には寒くないのです。石鎚へ登る登山者の車がたくさん停まっていましたが、山頂付近は登ってもきっと真っ白ですよ。

ほんの少し標高を下げるだけで青空と、期待していた秋の風景が。

石鎚山の山頂までは期待できないかと思ったら‥動きの早い雲の間から山頂の突起部分がチラ見え。

一枚岩よね‥面河渓谷へ向かう繰り抜きトンネル。

本業に勤しむ人。四国カルストまで上がりました。紅葉シーズンの週末なので混雑しているのかと覚悟を決めてきましたが、全くもって平和な通常運行でした。

本業に勤しむ人。大モノが見つかって嬉しい。

大・清・快!四国カルスト。どっちを向いても爽やかさしかない。

大地の成り立ちの謎に親しむアースキャッシュにチャレンジするために天狗高原の展望台あたりを散策。つい最近整備された様子で、ちょっと前までは人が踏み締めた土の上を歩くようなところでしたが、綺麗に整備されて車椅子や自転車でも展望台まで上がって行けるようになっていました。

四国カルストの尾根の道から少し外れた裏道の紅葉もきれい。

こちらの道は景色の開放感はそれなりですが、ほぼ交通量がないのでのんびりたのしめます。

本業に勤しむ人。四国カルストから西へ行った源氏ヶ駄場。四国カルストやその東側を含めてこの辺り一帯は石灰岩でできた地域で、標高の高いところは規模の大きなその路頭といえます。それを掘れば山ごと削り取っていく鳥形山の石灰岩の鉱山、硬い地質で大木が育ちにくいことから草原にして牧場にすれば人が集まる観光地。それぞれスポットで訪れると気がつきにくいですが、頭の中でだんだんそれらが繋がってくる面白さは瀬戸内海の島々を巡ってかつての海上交通の跡を繋いで頭の中の地図を広げていくのと似ています。

見晴らしの良い高台から眺める青々とした山と空。

奥に行くに従ってディテールを失ったただの青い膜になって重なる山々が、猛烈に美しい。中国山地とちょっと違うのよね。山の高さが揃ってる?そして水平に近い稜線が妙に長い?

東京でいうところのスカイツリーや東京タワーや六本木ヒルズや新宿のビル群のように、大川嶺や天空の林道や四国カルストや石鎚山などへ行くとそれぞれお互いの位置を確認しあえるのが四国の高いところ巡りの面白いところです。点で訪れるんじゃなくて広く繋いで考えると、四国の西地域一帯が広大なテーマパークになります!四国は山も良いけど、川や海も良いしね。

駆け回りすぎて、遅い昼飯になりました。コシの主張が強い十割蕎麦。糖質制限中だけれど、ツーリング中はいいの、気にしない。予定していた徘徊ルートはとりあえず源氏ヶ駄場までだったのですが、まだ日が高いね、ここからどうする?って話になって地図を見ると、意外と海が近いことがわかりました。行っちゃう、太平洋?

き‥きちゃった‥お昼の2時に須崎の海。若いカップルが自転車を護岸に停めて太平洋のビーチへ駆けていき、キラキラと海面に輝く陽光をバックにキャッキャウフフしていましたよ。僕にはそういうは青春なかったなぁ。

思っていたより水平線不足だったので、ここまできたついでに横浪黒潮ラインまで走っちゃうか、ということに。

尾根まで登って期待を裏切らない風景が広がった瞬間、変な声が出ましたよ。太平洋ドーン!瀬戸内海人にとっては小銭で買い物している世界から万札が飛び交う世界にやってきたようなスケールを感じます。

所詮僕らは小銭使いだと思わざるを得ない、圧倒的な広さと何もなさ。

広島から瀬戸内海を臨んでもその向こうに広がるのは四国ですが、この水平線の向こうの見えない先には世界が広がっています。

日本海とはまた水平線の印象が違うんですよね。日本海の方が青さが深くてクッキリしている印象。日差しに対して北を見ているのか南を見ているのかの違いだと思うのですが、この太平洋の水平線の見え方の方が優しい。

高知まであと一歩というところですが、さすがにそこまでは足を伸ばさず、仁淀川の河口付近から北上を始めたのが15時。以前千葉へ帰るのに17時に新潟に居たツーリングをしたことがありますが、感覚的にはそれに近いものがあります。ここから広島へ帰るのか‥。まぁ、正しくはここから今治に停めた車まで帰ってしまえばあとはなんとでもなるので、まだ気が楽ですけれど。

で、国道194号を激走2時間。路面も道幅もこの上なく良い道だったのであっという間に今治到着して、明るいうちにバイクを積み込み終えることができました。

帰り道でも、ぬかりなく本業に勤しむ人。

あやのすけさんをご自宅にお送りして、のんびり広島市街を抜けて帰途に着きます。それほど日の長い季節じゃないけれど、これだけ走ればまぁ文句もないだろう、とい言えるくらいは走り回りました。冒頭にも書きましたが「溢れるパワー、弾ける軽さ!」、701も690も本当に楽しくよく駆ける。タイヤのチビらせ甲斐のある四国を、無駄に荷物を抱えず軽装で日帰りする楽しさも知りました。また是非チャレンジしたいと思います。

なお、事前学習で四国西ジオパークのサイトを覗いておくと走りに行くテーマが見つかって面白いと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です