5月末の九州ツーリング(阿蘇その1)

5月の最終週が3連休となりました。GWへ九州へ行かなかったのでこの週は九州へ行くことに。なるべく九州滞在の時間を長くするために木曜日の夜に出発して、翌朝のために稼げるだけ距離を稼いておくいつものパターンです。
ハイエースにバイク2台積みでも時速80km巡行だと、恐ろしく燃費が良い。なぜか東へ向かうより西へ向かう方がいつも燃費が良い。

九州入りしたところで朝までひとやすみです。バイクを一旦降ろしてまた積む時間がもったいないので、今日の寝床はこの狭さ。

今回、最初の2日間は阿蘇、最終日は長崎をセローで探訪するつもりでトランポを置く場所を考えました。車で無駄に西へ行き過ぎず、バイクで戻り過ぎずなトランポの駐車場所を考えるのはなかなか難しい‥。

いつもと違う場所からのスタートなので、最初から知らない道・知らない風景で新鮮です!九州ツーリングのスタート!

朝なので、普通に普通じゃない風景が流れていきますよ。

途中立ち寄れるところには積極的に立ち寄るスタイルで。龍門の滝。これも時間のマジックなのでしょうが、緑のトンネルの向こうに素晴らしい滝が落ちていました。

新しいバイクを買ったら必ずそのバイクで行ってみたくなる場所、やまなみハイウェイ。特に長者原(ちょうじゃばる)のこの直線を午前8時までに訪れて写真を撮りたい。という思いをいつも抱いています。

昨夏購入した690DUKEの秘めた力を活かした走りを、是非朝のやまなみハイウェイで‥という思いが実った時間です。

牧ノ戸峠が13度くらい。それほど寒すぎることもなく乗り越えて瀬の本レストハウス越しに阿蘇が見える大パノラマへ。ここから阿蘇がどのくらいクリアに見えるかでその日のツーリングの運勢が決まるようにいつも思います。今日は大吉に近い吉ですかね。それって中吉か。

ここに来るまで、なんとツーリングバイクに全く出会っていません。金曜日の早朝だからかと思いましたが、クシタニカフェのところでこのガラガラ具合って‥貸し切りかと思ってしまいます。初めての経験。平日バンザイ。

朝食を食べようにも店がまだ開いていない時間なので、小萩山稲荷神社まであがってみましたが‥なんだあれ?

展望デッキができていました。ええー‥。

デッキからの景観‥なんですが、わざわざデッキから見る必要ないんじゃない?せめて道の上側じゃなくて下側に作れば緑越しの阿蘇の風景になるのに、標準レンズでは道が写っちゃう。しかもここまで来る道は細すぎて車の離合も難しいし、間違ってこの先まで進んでしまうとUターンもしづらい行き止まりだし。

この春にできたそうなのですが、この夏、地獄になること間違いなし。

人がいない時間は最高。

牧草地の牛の気分。そういえば、なぜこの時期に阿蘇へ来たかというと、5月初旬のGWのころは野焼きの跡が残っていたりして完全に緑の原になっていない場所があったりします。夏だと牛の肩まであるような草に山が覆われます。なので、阿蘇の草原のベストシーズンは6月初旬なんじゃないか、と思ってこの時期に訪れてみたかったのです。失敗しました。もう叢に大の字になるにも草の丈が長すぎます。

阿蘇の草原のベストシーズンはGW明けから5月中旬なんじゃないかというのが僕の結論です。ただ、写真を撮るのが目的なら6月初旬ころまではただの「くさむら」じゃなくて映える草原です。

どこを切り取っても晴れていれば絵になる。

ここはまず普通には人の来ないところです。どこまでも続く草原に伸びる連続S字カーブ。

少し進むとゲートがありますが、いつも閉まっているのに今回は開いていました。ここへ突っ込んでいくようなことはしません。普段は施錠されているゲートがある意味を考えなくてはいけない。今日は平日だから開けっ放しなんでしょうかね。

8時オープンの岡本とうふ店さんは朝食として摂れるのでとても助かります。

前回来たのはいつだろう。先日GWに東京のさやさんが訪れているのをみて無性に来たくなったのです。

ここはバリエーション豊かな豆腐料理も素晴らしいのですが、水がとにかく丸くておいしいのです。保冷ボトルに冷水を頂きました。

岡本とうふ店の先の杉林もちらちら見える空と木漏れ日が最高に気持ちが良いところです。

地熱を利用した蒸し鶏を食べさせてもらえる、わいた温泉の蒸鶏工房白地商店のあたり。ここまで蒸気が上がっていると一帯が温泉くさい。

泉水グリーンロードからぐるっとくじゅう周遊道路に入ったところにある山、おにぎり山っていうんだって。いつも足を止めてしまうところですが、今回初めて名前を知りました。写真じゃ拾いようがないスケールで緑のでっかい丘になっているのですが‥本当に伝えきれない。

贅沢に、本日2回目の牧ノ戸峠超え。

黒川温泉へ行ってみます。もう僕の定番コースをただトレースする旅になってきました

草原の中でノアザミのマゼンタ色の花がとても目立っていました。背景に阿蘇が入るとそれだけでちょっとただの写真じゃなくなります。

前回来たときはコロナ禍がまだ落ち着いていなくて、部落外者の入湯ができなくなっていた共同浴場の地蔵湯さん。

検温。うそ。顔湯。

料金を入れると自動ドアが開く無人君システム。

おじいさんがひとりいらっしゃいましたが先に出ていかれました。平日のお昼前に地蔵湯に浸かってのんびりできる老後の人生って、悪くないですね。

貸し切りの僕の人生も悪くない。

出口はワンウェイです。むっちゃ細い人なら外から入れるかも。

外輪山を超えてカルストへ道が一気に落ち込むところにある城山展望台でソフトクリームを買って、溶ける前に展望台まで走って行って写真を撮る、のもデフォ。

修復する、という噂の流れたラピュタ道、どうなっているのか行ってみたら厳重封鎖されていました。

以前来たときは道の入り口にチェーンがかけられて自主規制のような雰囲気でしたが、今は道路が封鎖されたことで立ち入ってくれるなという意思がビンビンに伝わってきます。

色とりどりの畑が美しい。写真の左手の田んぼの中の丘に登ったあたりから、あんまり人が足を運ばなそうなところを探す阿蘇アドベンチャーが始まったように思います。

米塚といえば米塚を米塚らしく撮るのが米塚という感じですが、

米塚らしくない米塚もまた米塚。

衛星写真を標高データに載せた図を見ると、このあたり火口と呼べるのは中岳だけじゃなくてボコボコすり鉢状の口が開いているのがわかります。草千里も大きな火口のひとつです。僕の知らない阿蘇の景色を見るには、もう足を使って歩かないとダメだな、と思って‥

今回、杵島岳に登ってみようと思いました。麓からでは見えない、お釜の内側を覗いてみたい。

草千里側から見ると、丸々草に覆われています。凸ります。

後半延々階段です。この段が微妙に低くて一段ずつだとチマチマしてる、一段抜かしするとやや広い、という感じ。日陰は一切ありません。でも、この日は気温もそれほど上がらず、薄く雲をかぶっていて、さらに風も吹いていて環境的にはとても恵まれた登山日和でした。

振り返ると、草千里の展望所が、見たことのない見え方になってる。

というか、草千里もこんなにきれいに全体が見えるのは驚きです。草千里って阿蘇全体の縮図みたいですね。外輪山があって、カルデラの真ん中に出っ張りがあって。中央の出っ張りは草千里が火口となった噴火の際にできた溶岩ドームです。

歩き始めて20分で山頂。それほど辛くない。

お釜の内側。地獄のような世界かと思っていたら、草に覆われて、とてものどかな雰囲気のすり鉢になっています。

写真じゃ伝わらないけれど、すごい距離感で草千里が見えます。

杵島岳火口の縁の周遊路は、一部溶岩ゴロゴロ。

そして、この辺りではニョキっと突き出した独立峰のような山ですから、火口の縁を巡ると360度前周囲の風景が見えるわけです。米塚が、ムチャクチャ可愛い!カルデラと外輪山との関係もとても把握がしやすいです。

お釜の内側、別アングルから。

群生したミヤマキリシマが殺風景な風景に彩を加えてくれています。これはタマラン‥。

下から見上げたらただのもこもこした山も、上から見ると位置関係がよく把握できます。これも噴火時に地面から隆起したものなのでしょうか。とてもきれいなコブ。遠景も素晴らしい。

時計回りに足を進めていくと、中岳の火口が見えてきました。

先日噴煙が草千里まで迫るようなドラマチックな噴火が見られましたが、火口付近は無彩色な灰色に色が変わっています。

お釜、別アングルから。

右上の方に草千里から火口へ向かう道が見えています。ちょっと広場のようになっているところが遊覧ヘリの発着場ね。

改めて草千里。草千里って駐車場からだと横に長い風景なので写真にうまく収めるのがとても難しいと思っていました。ここから撮ると草の原になっている全体の表情がとてもよく分かります。

杵島岳、上りに20分、ゆっくり周囲を写真に収めながらお釜の縁一周が40分、下山に15分でした。1時間少々時間がとれるようなら、晴れた日の杵島岳登山はムチャクチャお勧めです。

上から見て火口までの登山道路を車が走っていなかったので入れないのはわかっていましたが一応有料の登山道入り口まで行ってみました。立ち入り禁止でした。

上から見下ろした後に見るいつもの米塚は、お前の違う側面も見ちゃったぞ、という感じでかわいらしさが爆上がりです。

杵島岳北面はヒダヒダができていて南側から見る草の山とは全く違う険しさを感じます。

内牧のMIYUKIさん。阿蘇へ来て大観峰へは立ち寄らなくてもMIYUKIさんには毎回立ち寄ります。

もともとは後入れクリームでサクサク生地のシュークリームが名物だったような気がしますが、ほかのケーキも美味しいのでシュークリームのお店色が薄れたように思います。

阿蘇ライダーハウスに到着。今日走るのはおしまいにしようかと思いましたが、まだ日没タイムを楽しめる時間だったので荷物を置いてあらためて出発。

100円玉のブラックホール、ファイヤーカードマシン。そらふねの展望台の駐車場に設置されていて、駐車料金を気軽に払ってもらうためのアイディアマシンですが、必要以上に料金を徴収してしまう悪い装置です。

今回はなんと、一発でVゾーンに100円が落ちて、「おめでとう、ファイヤーカードが出るぞ!」とアナウンスが流れたのに、いつまで待っても俺のファイヤーカードが出てこないぞ。くそう、悪い装置だ!

阿蘇なんて、自然の風景が十二分にきれいなんだから、こんな「っぽい」場所を設けて映えを狙う必要ないのに。

こんな宙に突き出した木製デッキなんかで自撮りとかして映えを狙う人なんて、ダメだわ。

映え~。

内牧から近いエリアで夕日が狙える場所は、外輪山だと北側復旧道路の外輪山トンネルの上あたり。阿蘇パノラマラインなら米塚の手前あたり。または草千里展望所。ただ、パノラマラインだと外輪山の高さ分、日が沈むのが早いです。

それいけ!

夕刻なので影が長々と伸びています。

米塚も悪くないね。でも米塚と夕日を両方収めた撮り方が難しい。

ここは夕日主体で。

日が沈み切る前に草千里まで上がってみましたが、ここほど良い色に焼けなかったので山を下りました。

ライダーハウス、平日ということと管理人さんは地域の飲み会ということで、僕一人ぼっち。

翌朝早々と出発するつもりなので、ぼっち夜の部もあっという間にお開きです。

美味しいところだけを総ざらいするような内容で、ムチャクチャ猛烈に充実した1日でした。

1 Comment

たら

>阿蘇の草原のベストシーズンはGW明けから5月中旬
分かります!
ワタシもこの時期に阿蘇へ行き始めてもう30年以上ですが、同意見です。
連休だとまだ早い、でも5月末になると梅雨空になるし、草感が強くなって緑の絨毯感は薄くなる。やはり第2-3週あたりがベストですよね。

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