0.93kg/psの乗り物

166kg/178psでパワーウェイトレシオ0.93の市販車。

中Tさんが「打倒黄色いTDM900!」を掲げて持ち込んできたアレです。たっぷり試乗させてもらいました。

乗り出し。
重心が低くまとまっているせいか、取り回しで驚くほど「軽い」とは感じませんでした。
走り出した瞬間感じるのは、乗りやすさ。CBR1000RRに乗ったときも思いましたが、ハンドルが近くてひざも窮屈じゃないし、これなら構えずに乗れるポジションだなーと感じます。
一般道に出て流れに乗ると、小指の爪の先ほどのパワーがあれば一般道はOKなんじゃない?と思えるくらい、エンジンが腹の下でゴロゴロと強烈に悪意のある企みをしているのがわかります。6速2000回転からでもゴリゴリと加速するエンジンに、こんなのどこでどー使うのよ?と思っていましたが、15分ほど軽く開け閉めして走りなれたころには、4000回転手前のトルクの落ち込みが気になっちゃったりするくらいパワー慣れするから人間って怖いもんです。

コーナリング。
ビクビク乗るとものすごいアンダーなんです。動きも緩慢だし。きちんと減速して、開けながら立ち上がると、「ふ~ん、これで1000ccなんだ‥」というコーナリングをします。多分、思いっきり減速して、オラオラと開けながら立ち上がれば、「え!これ1000ccなの!?」というコーナリングをするのだと思いますが、広島市内の街なかでそんなパフォーマンスを発揮するほど勇気がありませんでした。

バイパス。
お待ちかねの178馬力の世界‥と思っていたのですが、正直に言うと、完全なフル加速は体験できませんでした。1速全開は加速が怖くてムリ(<ホントに)。2速全開はレッド手前でもう恐ろしい速度になっているのでムリ。
ちなみにオーナー曰く、「ローのフル加速はもちろんウイリー、そのまま2速で加速してもフロントがリフト」だそうです。

ワインディング。
本気気味で走ると、自分の視力の悪さを実感します。いつも以上の勢いで次々と変化する路面の状況を把握できないのです。対向車と路面の心配がないワインディングなら存分に楽しめそうですが、普通の道ではマシンの能力を活かしきれません。ノーマルタイヤ・ノーマルセッティングのマシンでどこまで寝かせても安心感はあります。なにせアクセルをちょこっとあてるだけで、抜群の安定感が得られるんです。

まとめ。
優しく走ろうなんてこれっぽっちも思わせてくれないマシンです。大人の超道楽マシン。

いずれTDM900と戦うことになると思うのですが(笑)、重心が高いTDM900の方が軽快感がアドバンテージになって、もしかしたら一般道なら負けないかも。GSX-R1000が本領を発揮できるような道って、一般道にはそれほどないわけですし。

3 Comments

瑳桶

つがたく先生! 質問です!!!
TDM900が本領を発揮できるような道ってのも少なそうな気がするんですが、そこんとこどうなんでしょう!?

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つがたく

>おかぢむ
意外とそれが。ジェントルなサウンドだったよ。
中Tさんは「スタイルだけで選んだ」と言っていたけど。

>瑳桶さん
TDMの本領がどこにあるか、っつーのがよくわからんのですが(笑)‥実際乗っていただけるとわかると思うのですが「扱いきってるねぇ、楽しいねぇ」と思えるところだとしたら、(パワーもそこそこしかないこともあって)そこいらで思えるマシンです。
1.5車線タイトターンの山道から、三桁kmのコーナリングまで「幅広く」「楽しく」「楽に」走れるのがTDMの本領なのかなとも思います。レールに乗ったようなコーナリングがしづらいコーナーでも、楽しく(速く)走れて本領が発揮できる道にできちゃうのが強み。

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