690と701

KTM690DUKEとハスクバーナ701エンデューロというバイクの話。

僕は7年くらい前にKTMの試乗会で690DUKEに初めて乗って、その何もかも軽 い操作感とどこからでも爆発的に加速するパワーに痺れてしまって、NUDA900Rを手放した1年後に辛抱しきれずに5年も前のモデルになる690DUKEを手に入れました。以来、自分にあわせて突き回してきたので概ねネガティブな部分はなくなって、今ではとてもお気に入りの1台になっています。

あやのすけさんが701を購入されたのは、僕の690に乗ってLC4エンジンに痺れる病気に罹ってしまったのだろうと思うのですが、そこで購入したのが701、しかもスーパーモトではなくエンデューロを購入されたというのを聞いて、「なんでビッグオフ?」と思いました。カタログや実車を外から眺めて感じる701エンデューロは「でかい・長い・シート高い」と、ツーリングでは頻繁に乗り降りをする僕には僕には食指が動かず、オフロードを走るにも車格がデカくてパワーありすぎだろうに、あやのすけさんはこれで何をするつもりなんだろう‥と正直思ったのです。

今回701に試乗させてもらって、また一緒にツーリングをしてそのあたりが一気にぶっ飛んだので記事にしておこうと思います。ちなみに、今回乗った701はある程度手の入っている、しかもローダウン化されている車両です。

690と701が積んでいるエンジンはLC4というビッグボアショートストロークの単気筒エンジンで、僕のタイプの690でも70馬力以上。単気筒というイメージがひっくり返る、高回転までウルトラスムーズで振動なく回るエンジンです。これに690DUKEは150kgを切る車体、加えて丁寧にセットした足回りで、もう面白くないわけがない。自在に弾けるように走るし、短距離走向けマシンかと思っていましたが意外とロングでも疲労感もなく、とにかくオールマイティな車両で僕の今の使い方には非常にマッチしている車両だと思っています。

お借りした701の最初の最初の印象は「でかい・長い」だったのですが、またがってみるとシートが低い。ローダウンでここまで足付きがよくなって、しかも見た目も残念な感じがしないし走っても21インチのフロント、という印象以上にネガティブな感じもしません。セローに乗ってみて意外だったのがオフロードっぽい外観の割にオンロードもかなり楽しめるということなのですが、701はまさにそれがそのまま大きくなった感じで、オンロードも問題なく楽しめる‥というかあやのすけさんは僕の690から全然離れず走るし、前を走られるとこっちが頑張らないといけないくらい。

車重は690とほぼ同じ。オフロードをブイブイ走るには僕の技術では重たい車体ですが、舗装路を走るのは690と変わらず車重が全く気になりません。

特筆すべきはエンジンで、同じLC4とはいえ年式で3年の違い、そしてハスクバーナの味付けもあってか、低回転でのギクシャク感がほとんどなくて無茶苦茶乗りやすい。最高に楽しく仕上がっています。

ダートでも701を少しお借りしました。直立状態でも土を掻いてダッシュするので、オフではやや気を使うパワー感です。でも、この車体なら690で走るのはちょっと‥と思うようなダートでも遠慮なく入って行く気になります。

というわけで、惚れました。これこそマルチパーパス、最高にどこでも走れるバイクじゃないですか。世にいうビッグオフやアドベンチャーバイクって車体が重すぎたりオフロードは実質厳しかったりで、日本の道路事情や日本人には向いているとは思えなくてどれも食指が動くようなバイクではなかったのですが‥この701エンデューロというバイクは本気で走れるステージがおそろしく幅広いバイクだと思います。ハスクバーナではこの701エンデューロ、オフロードというカテゴリではなくトラベルというカテゴリに入れられています。

いや、買いませんよ、多分。でも、うちみたいにトランポがあって現地までバイクを陸送して現地をバイクで走り回る、という楽しみ方じゃなくてバイク1台で全て勝負!となるとしたら、701の守備範囲の広さはものすごい魅力になりますね。

ちなみに、701をお借りしている間に僕の690に乗ったあやのすけさんの口から漏れたのは、「これは‥ツアラーですね」でした。僕の690が遠くへ行くのにも楽ちんなんじゃないかと期待が持てるのは、ハイスピードオンロードツーリングに特化して味付けした足回りのせいだと思います。僕の好みに合わせて極めてコンパクトに作ったポジション、僕のものより古いモデルの690DUKEのお尻を包み込むようなシート、ベッタリとした接地感。現状の701に比べるとバタバタ感のないきちんとした感じが、ツーリングの疲労感の軽減につながると感じられたのだと思います。

4 Comments

あやのすけ

うーむ見事にまとめられてますね。
DUKEは走ること以外に神経を使わないので気がつくと距離を伸ばしてるタイプの走りってことでツアラーって表現しました。
疲れさせないというのは中々難しい性能だと思うのですが、つがたくDUKEは間違いなくそれがあります。

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tsugataku

>あやのすけさん
なるほど、そういうことですね。バイクの楽しみっていろいろですが、余計なこと抜きに走りに集中できるバイクっていうのが僕の楽しみです。701のこれからも楽しみにしています!

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たら

いいですね~LC4。
ワタシもあのエンジン大好きです。
うちの子はツインプラグになる前のDUKE690Rだったので、低速は今ほど滑らかではありませんが、ロングツーでも疲れを意識することはなかったです。
懐かしいなあ~

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tsugataku

>たらさん
楽しさで麻痺していろいろ抱えていても気が付かない、って感じですかねw とにかく元気なエンジンで面白いですね。

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