690DUKE トキメキの福山ツーリング

春だし、気温上がるみたいだし、ちょっと出かけたいな、と思いながら気乗りしそうな適当な目的地が全然みつからない。人がよく行く観光地目当てのツーリングはもうしなくなっちゃうのかな。

ある特定の目的地を目指すのではなく、目的のひとつとして各地に点在するジオキャッシュを巡るツーリングはとても面白いです。名も無い名所や名勝も、誰かの琴線に触れたポイントはどこなんだろう?‥と、小さくてもそこに込められた思いを含めて何かを発見していくワクワク感。自分の地図の空白地帯にその地域の魅力を自分の感覚で書き込んでいくのは正直とても楽しい作業です。

ということで、僕の地図の空白地帯を埋めるために、福山方面のいくつかのキャッシュへ向かうことにしました。とりあえず三原久井まで高速を100kmほど車の流れに乗って走って 燃費30km/l越え。690DUKE、燃費良いな。

以前訪れたときには土砂災害による閉鎖で入れなかったみつぎグリーンランドが立ち入りだけはできるようだったので寄ってみました。。

もう復活させる気はないようで放置し放題。こういう廃れたテニスコートとかあちこちでみかけるけれど、それってたまたま僕がそういうところばかり訪れているだけなんだろうか。

キャッシュは無事発見。

割と広い敷地全体に線路が敷設してあって、

蒸気機関車も屋根下に保管されています。山に囲まれ、川が流れ、子供の思い出作りにはとても良い施設だったのではないかと思います。

僕のツーリングは幹線道路じゃなくて地図上の最短コースで目的地に向かうスタイルなのですが、見ている地図が徒歩道まで網羅している地図なのでたまに、というかかなりの頻度でとんでもな(く面白)い道に足を突っ込んでしまうことがあります。でも、猪避けの電線ガードが張られているここは危なかった‥黄色い札がなければ突っ込んでいました。

宇根山天文台。思っていたよりも本格的。何が本格的って光害の低そうな、周囲では一番高い山のてっぺん付近にあるところです。

近隣の一番施設の整った天文台は日原天文台ではないかと思うのですが、津和野の近くまで行って夜間天体観測となるとどうしてもお泊まりコースを覚悟することになってしまいます。ここはうちからだと2時間圏でしょうか。今日は開館前に来てしまいましたが、いつか土星とか木星が地球と近い時期の夜に是非訪れてみたいと思います。

夜ではなく昼間の開館って何やってるんだろうと思ったら、どうもプラネタリウムも設置してあるそうです。

そのまま山を下ろうかと思ったのですが、ふと目についた宇根山至幸院に登る道の先には‥極彩色の門と近代的なアンテナ塔と青い空の対比がなんとも不思議で面白い風景が広がっていましたよ。

門の正面奥に高さ5.5mの弘法大師像。

南側は広い平面の駐車場になっていて、180度以上の大パノラマです。周囲を見てもこの山より高い山がありません。海の向こうに四国が見えるし、双眼鏡を持って来れば広島空港を離発着する飛行機が見えるとのこと。空気の綺麗な日に再訪確定ですね、これは。

山の中を走っていて目立つのは田んぼを転用したソーラー畑。日本の山村の風景がどんどん変わっていく‥僕らは昔ながらの風景を知っていますが、これからこの道を走る子たちの原風景は、コレになってしまう。

支柱のない区間が147.6m、歩行者用の吊り橋では世界一とされる夢吊り橋。遠目から見ると強度的に大丈夫か?と心配になる形状をしています。

KTMと色合いがピッタンコ。構造上、橋の中央で飛び跳ねると揺れを感じるとか。ずいぶん昔に訪れた時に一往復あるいてみましたが、今回はこちら岸から眺めるだけでした。やってみればよかった‥。

ダム湖は湖面が穏やかでとても綺麗でした。湖を作っている八田原ダムは名水も沸いているしエレベータで下の方まで降りられるとのことだし、ここも時間のある時に再訪だな。

単線の福塩線沿いに走って福山を目指します。途中の駅舎のなんとコンパクトなこと。昔ながらの田舎の駅舎、って感じ。

この駅は引き込み線が何本かあって、そのうちの1本にかわいいラッセル車が停めてありました。色合いが業務用というよりは子供用玩具みたいでいいね。

芦田川に架かる沈下橋。1.5tまでという通行制限を案内する看板が立っています。僕は金属ゴミを廃棄するために車ごとリサイクル会社の計量器に載せることがありますが、普通車だとミニバンが実質1.5tという認識。ハイエースは2tなので、走れませんね。

ハルウララ、長閑。そういえばこの春初めて鶯の鳴き声も聞いたな。

下流にもう一本発見。自転車が渡ってる。

こういう左右に広い風景が身近にあるといいな。

さらに下流にもう1本。こちらは橋が流されていて通行止めになっていました。結構下流域なので、豪雨時には水量も大変なことになるのでしょう。沈下橋の本領を発揮です。

福山のホロコースト記念館は平日のみ開館という、攻略が大変難しいところ。

福山市街北部の蔵王山へ、駐車場から15分ほどの登山です。たいてい事前に地形図みてから登るのですが‥ここは山頂まで急傾斜を一気登山になっていました!最後キッツ!

山頂のキャッシュは失われていましたが、登頂記念簿にサインしておきました。

ここは街越しに海まで見渡せるとても良い山です。携帯のカメラじゃ全然伝わらないな。遠近意識したところに視覚的な意味じゃなくてフォーカスできる人の目ってすごい。

芦田川河口。鞆の浦と仙酔島が見えます。

テトラポッド、久しぶりに見た。最近いろんな形の防波ブロックがありますからね。テトラポッドってテトラ社の商品だという認識でしたが、2006年に不動社と合併して現在は不動テトラ社の商品ということだそうです。

鞆の浦へ向かうのに海沿いを通らず、尾根沿いの道を走ってみました。交通量の少ないワインディング、しかも後半の景色が右に左に開けて素晴らしい。

昔は海景とか感じ入るモノがなかったけれど、一帯を走り回って、地域の地形を把握して臨む海の風景は、俯瞰のイメージと地上のある一点からの風景の摺り合わせがなかなか面白いですよ。

海に蓋をしているのは、四国です。

「防波堤、作っちゃおうか。あ、島まで繋ぐ?あー、思ったより面倒だね、諦めようか‥でもここまで伸ばしたからついでにやっちゃう?」という心の迷いと紆余曲折が見えてくるような防波堤。奥の島々もいいね。

ずいぶん昔に鞆の浦を走ったときは何の予備知識もなくただ県道を走っただけで、何がどのように有名だっていうんだろう?なところでした。今回は瀬戸内海のさまざまな島の「潮待ちの集落」を巡って、それらの街の歴史的な立ち位置から逆に鞆の浦の価値を再認識してからの訪問なので、見るべきところが違います。ウィキペディアによると、鞆の浦とは、

「瀬戸内海の海流は満潮時に豊後水道や紀伊水道から瀬戸内海に流れ込み瀬戸内海のほぼ中央に位置する鞆の浦沖でぶつかり、逆に干潮時には鞆の浦沖を境にして東西に分かれて流れ出してゆく。つまり鞆の浦を境にして潮の流れが逆転する。「地乗り」と呼ばれる陸地を目印とした沿岸航海が主流の時代に、沼隈半島沖の瀬戸内海を横断するには鞆の浦で潮流が変わるのを待たなければならなかった。このような地理的条件から大伴旅人などによる万葉集に詠まれるように、古代より潮待ちの港と‥」

Wikipediaより

と紹介されています。単体でこの地域、としてみるとふーんって感じですが、瀬戸内海の昔の海上交通全体の中での鞆の浦の立ち位置を考えると、見方が変わります。

雁木。潮の満ち引きに関係なく荷物を積み下ろしするための工夫です。

今の船は桟橋式の係留になっているので、雁木を雁木としては使っていませんね。昔の景観を残すイメージでしょうね。

街は他の港町と同じように地形に合わせて狭い平地に建物を建てているので、路地が複雑に絡んでいます。ついつい入り込んでしまう‥。

超観光地巡りっぽいことをしてみました。

向かいの仙酔島へ向かう船はノスタルジックなデザインをされていますが、その帆船風の形状は和じゃなくて洋なんじゃないかな。

対岸にある仙酔島。「仙人も酔ってしまうほど美しい島」ということで、明治時代の歴代の天皇・皇后・皇族らが好んで何度も訪問しているという日本初の国立公園、瀬戸内海国立公園を代表する景観地です。鞆の浦から1時間に3本渡船が出ていて気軽に渡れます。

仙酔島の西の田島へ渡る内海大橋は2つのアーチ橋が海上で大きなカーブを描いている橋です。どうしてまっすぐ架けないのかな。海中の基礎の関係かな?

田島のさらに先にある横島へ、軽く上下にアーチしている短い橋を乗り越えた先には、珍しい横に長々とアーチ型になった雁木があります。

海岸線沿いに島を一周できる道が整備されていますが、ガードレールもないような道が続いてなかなかワイルドな感じです。悪くない。

用事があるのは島の最高峰、切石山公園のキャッシュ。ここは駐車場でこの先5分ほど歩くと本当の山頂です。

青い空へ吸い込まれていくような階段を登っていくと‥

ものすごい解放感のある展望台!海の向こうに横たわっているのは四国。

落ちたら死ぬで、の絶壁。

展望所の丸い大岩は、叩くとよい音がするそうで、木槌が案内板に架けてありました。ポンポンと太鼓の音というのはよく分かりませんでしたが、叩くところによって密度のある音や空洞っぽい音など変化するところは面白いです。

松永のモトワークスさんに立ち寄りました。タイミングが良ければ間違いなく買っていたヴィットピレン701。NUDAから乗り換えのタイミングと欲しい年式の在庫が思うように合わずに購入するには至らず、結局LC4エンジンのマシンに乗りたくて690DUKEを購入しました。実は701の実車は初めて見ました。コンパクト。そしてシートが高い。

展示車かと思ったら「試乗車ですよ」と言われたハスクバーナ・ノルデン901。車重204kg、890のエンジンを積んだ105馬力、どこへでも行くことができるパワーと足を持った最新型のアドベンチャーバイク。どれだけ凄いのか、ちょっと試乗でも。「3000回転超えたらパワー凄いですよ!」と言われて構えて乗ったのですが、クラッチをつないでみて「‥。」え、ヌルい。回転数上げたら凄いのかな、と3000回転以上引っ張ってみて「‥‥。」ヌルい。かなりマイルドに抑えた味付けになっていました。最終的には105馬力を発揮するエンジンですからパワーに困ることはないのでしょうが、パラツインの790のエンジンでも恐ろしいと思ったので890となったらどうなっちゃうんだろう?って思い描いていた勝手なイメージからすると断然マイルド。車重のせいもあるのでしょうが、149kg、73馬力で弾けるように走る俺の690DUKEの方が、今の僕には断然面白いマシンです。

福山から広島って結構な距離があるので基本的に高速、下道だとしても国道2号線を100kmだらだらひたすら‥というのがこれまでのイメージでしたが、松永バイパスが三原まで開通ということで尾道界隈の旧2号線を迂回、そこから広島空港側へ逃げて高屋まで行って、東広島呉道路の無料区間で一気に黒瀬まで移動‥という形でつなぐと海田大橋に50円かけるだけでかなり快適に東西間の移動ができるようになりました。ところどころボトルネックになる一般道がありますが、早朝の移動なら全くストレスなく移動できると思います。福山方面、沿岸以外は未開の地域なのでまた行ってみようと思います。

今日主に走ったあたりをグーグルマップのタイムラインから拾ってみました。終わってみたら恐ろしい充実度、たっぷりの満足感。690DUKEは高速ヨシ、ワインディングはもちろんヨシ、で今の僕の楽しみ方にはピッタリ。今日は何でもない日の何でもないツーリングだと思っていましたが思い出に残る良い1日になりました。

2 Comments

たら

我が地元、福山へようこそ!
ホロコースト記念館はワタシの実家の近所で、芦田川の沈下橋はガキの頃の遊び場でした。
地元って意識して周りを見ないので、こうして紹介してもらうと改めて発見があり、新鮮です。

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tsugataku

>たらさん
他所に住んでいる人の目線で地元紹介って、きっと面白いでしょうね。確かに地元目線じゃないものの見方で意外なところに目が行っているかもしれませんw

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