SEROW 大島半島&粭島ツーリング

平日休みをとっていた日がたまたま4月並みの気温ということで、おむすびとラーメンセット持参でセローでお出かけ。

山口県の上関、笠戸と本州から張り出した岬や島をひとつひとつ丁寧に巡っていくシリーズ、第何弾目かは忘れましたが、今日は周南南東部の大島半島をとりあえずの目的地にして出発しました。

特に急ぐわけじゃないので幹線道路と並走する川沿いのダートを延々下ってみたり。

島田川沿いの未舗装路の土手、良い道だな。

桜にはまだ半月以上早いですが、梅があちらこちらでバフバフに咲き誇っていました。

大島半島の太華山展望台へ。山頂へ向かう道は、道幅は狭いものの上り専用・下り専用の一方通行でバイクならとても走りやすいです。途中徳山ボートレース場を見下ろせる場所があって、ボートの練習風景をしばらく眺めていました。

逆光の階段を登ると‥

海岸線が工場で覆い尽くされた徳山市街を見渡す大展望です。絶景ラーメン、いただきます。

山頂には展望台もあって、海に突き出した独立峰ですから360度の展望です‥といいたいところですが、一部見づらくて360度とまではいきません。それでも素晴らしい眺望です。空気が澄んでいたら国東半島や佐多岬まで見渡せるとか。

徳山港から大分県の竹田津港へ向かう船が往来する方面。

半島の先端へ向かう道は南側の道がメイン道路で、北側は半分廃道のようになっています。もちろんそちらを走りますw
抜けた先の山の上‥ドルアーガの塔だかY’sのダームの塔みたいな、なんだかすごい存在感のある塔が建っています。

道沿いにオイルタンクやパイプが走っている、ちょっと独特な雰囲気の道がずっと続きます。

タンカー船を横付けする桟橋とかも広島とはちょっと違う風景。ちょっと違うのは背景の島影も影響してるかな。

北側から見ると逆光でしたが、南側から見ると塔の様子がわかりやすい光の当たり方になりました。高い山頂と低い丘に2本建ってます。すぐ手前の煙突が建つ以前に使われていた煙突でしょうか。

バイクを停めているのは橋の上で、ここから進行方向の先は大島半島と繋がっている粭島(すくもじま)になります。

よく見ると上の構造物は豪快に亀裂が入っています‥なんだこれ。

粭島は散策するといっても1周はできない島です。港の向かいに素敵な佇まいのお店がありました。

ホーランエー食堂」という看板。蕎麦が食べられるようなので入ってみることにしました。さっきラーメンとおむすび食べたばかりですが‥、蕎麦は別腹。

古民家をリノベーションされたようなのですが、リノベーション前の生活感がどことなく漂っているとても良い雰囲気の店内です。薪ストーブに炎がチラチラ、石油ストーブの上のヤカンからもチンチン音がしています。

もともとランプシェードじゃないようなものがランプシェードになっている。

お蕎麦を一枚。だいだいで味変、ということで付けていただきました。キリっと冷水で締められたお蕎麦が、さらにすっきりさっぱりしたお味に。

甘く漬けた金柑と、広島産のひじき(後日追記:僕の勘違いで、ご当地粭島産でした)の入ったお稲荷をご試食で付けていただきました。美味しくいただきました。

ご主人に先の不思議な塔の話を伺いました。明治期にあった亜鉛工場の煙害を緩和するために山頂に建てた煙突、ということで当時人力でレンガを山頂まで持って上がって組み上げていったそうです。山頂の煙突は現在崩れかけていますが、以前はもっと高かったとか。一帯は昔から海上運送の要衝として栄えていたそうで、このあたりは周防大島の沖屋室やとびしま海道の大崎下島御手洗地区と通じるところがあったのでしょうか。

お店は庄屋だったか廻船問屋だったかもともとはこのあたりでは大きな商売をされていた建物だそうで、持ち主が亡くなって建物が傷んでいくのを偲びなく思われた今のお店のご主人が改装して食堂とされたとのことです。面白いのは建物そのものをシェアキッチンとして使われているところ。

月曜 ホーランエー食堂さんの手作り仕出し弁当
火曜 そらとうみさんのランチ定食
水曜 そらとうみさんのランチ定食
木曜 ホーランエー食堂さんの手打ち蕎麦
金曜 定休日
土曜 ホーランエー食堂さん 手打ちそばと窯焼きピザ
日曜 Cafe茉莉花さんの手作りカレーとケーキ

と、曜日ごとに内容が違うのです。今日はたまたま木曜日でお蕎麦を食べられたというわけ。

僕の席から見えた徳山市消防団のハッピの向こうに見える昔ながらの急階段が気になっていたのですが、ご主人から「二階見てみますか?」と声をかけていただきました。「ふた間続きで昔はお客とか泊めていたのではないかと思うのですが‥」と案内していただいたお二階は‥

なんだか、すごい、風情のある旅館のような様相です。

立った目線から見るとこうですから、明らかに座ってくつろぐことを前提に考えて作られた高さの窓。

列車の車窓のような窓の外に瓦屋根、その先に広がる徳山湾と大島半島のパノラマ。

ごゆっくりどうぞ、と言われてせっかくですからちょっと頭のスイッチ切り替えてくつろいでみました。とにかく座った目線から見える外の風景が素晴らしくて、ちょっと言葉にならない。

いや、本当に、予想外にゆっくりと愉しませていただきました。

あらためて建物の外観を見てみると、よくある古民家とは違ってボリューム感のあるただならぬ作りをしている建物です。外から見るだけではあの細長い窓からあの風景が見えるとは、ちょっと想像がつきませんね。

お店の前の波消しブロックから。山上煙突はやっぱり異形です。

島の裏側。沖に見える島に背の低い白い灯台が立っています。

レンガ作りの壁体の表面が剥落した構造物。こういうものがコンクリート造りじゃないあたり、どうもこのあたりは明治〜大正期に賑わっていたんじゃないかと思われます。

煉瓦造りの低い壁に挟まれた路地とか。100年くらい変わっていないんだろうな、と思える風景がとても面白い。

ドルアーガの塔、これがまた良い味出してる。

中学校とか。こんな風景が子供たちの原風景になっていくんですね。

長崎の針尾送信所がどうしても頭をよぎりますが、こちらはレンガ造ということで時間の経過がより生々しく伝わってくる結果になっています。

中学校の先の道、道を塞いでいた軽自動車のお爺さんに、この先抜けられますか?と尋ねたら「昔は軽トラで走れた道だったんだけどね、腕に自信があればバイクなら抜けられるよ」と。どれどれ‥イイ感じの廃道じゃないですか。

あああ、今日は俺のノコギリを持ってくるの忘れた‥くぐるにしてもツーリングセローだとスクリーンの高さがあるので絶妙な難易度でした。

海、抜群にきれいです。のんびりし甲斐のある風景。

気温が高いので、山経由で帰りました。セローツーリングの醍醐味。

とにかく気持ちが良い。暑くも寒くもない。

フォレストパーク大田原さんの近くを通ることになったので、立ち寄ってみました。植林の山を整備して、二輪・四輪のオフロードコースを作られているところです。

思う存分見学してください、といわれたので、歩いて回りましたが‥広すぎ。

このあたりは四輪も登っていけるセクションですが、先の方は二輪専用の「途中で停車したらオワリ」みたいなハードなコースが設定されていました。思っていたよりも何倍もハード。そして何倍も広い。

初心者向けに勾配の少ない林間コースも。ここ、面白そうですよ。是非徒党を組んで訪問してみたいなと思います。ちなみに、ハイエースにバイクを積んでいきたいとは思えないような細道の先にある山の中です。

思いつきでスタートした割には思いのほか楽しい1日、フラっと足を伸ばせば日帰り圏内でセンスオブワンダーを満たす景色や空気にまだまだ触れられるなと思ったツーリングでした。

4 Comments

温品徹

先日は御来店いただき、ありがとうございました。
素敵な文章と写真で、地元粭島とホーランエー食堂を紹介していただきとても嬉しいです!
是非とも私のフェイスブックのタイムラインでシェアさせていただきたいのですがいかがでしょうか?
ホーランエー食堂店主
温品 徹

返信する
tsugataku

> ホーランエー食堂 温品様
先日はお世話になりました。たまたま木曜日の訪店でいろんな意味で大変良い体験をさせて戴きました。シェアの件どうぞよろしくお願いします。

返信する
温品徹

ありがとうございます。
シェアさせて頂きます。
よかったらまた御来店下さい。
温品徹

返信する

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