GB250 オイル漏れ対策

GB250のオイル漏れは持病だそうで、ヘッドガスケットと写真に写っている二つの丸いシャフトのオイルシールから微量のオイルが漏れて、走行風に吹かれてサイドカバー周辺にオイル汚れをつくります。漏れの量が多くはないので乗り始めてから数ヶ月、一体どこからオイルが漏れているのか全く分かりませんでした。最近になって漏れる量が増えたようで、あきらかに触ってわかるくらいオイル滲みがで始めたので、シール類の交換をすることにしました。

SOHC横置きエンジンのGROMも構造が超単純でしたが、GBもヘッドカバーの中へアクセスするまでは超簡単。タンクを外して、ヘッドカバーにつながっているブリーザーホースを抜いて、プラグを外したら、あとはボルト4本でヘッドカバーが外れます。

プラグ。とても良い感じ。交換するけど。

カバーの中身は、ほんっとに分かりやすい構造で部品が並んでいます。カムチェーンは直接カムシャフトにかからずに、中央のドライブギアを回して、そこからはカムギアトレインになっています。SOHC版もあるエンジンだからかな?

真っ先に確認したのは、バルブの取り付け方。RFVCのこのエンジン、ヘッドにバルブが放射状についているので、それをどうやってタペットが押しているんだろう?って思っていたのです。カムの回転でタペットが押し下げられる方向に対してバルブが斜めになっているのが分かります。直押しじゃなくて、スイングするアームを介して押しているという構造でした。

隙間確認。排気側0.08。

吸気側0.05。

カムアイドルギアーシャフトからいきます。カムチェーンの向こう側にある固定ボルトを緩めます。シャフトをグリグリ左右に回転させられるくらい抜きます。

プライヤーでノッチを摘んでゆっくり引き出します。ゴムのシールが見えたあたりでストップ。引き抜くと面倒なことになります。

プリンっと剥きます。

左が旧、右が新。品番は91310-PH3-003。交換したらエンジンオイルを塗り込んでシャフトを押し込んで、ロックボルトを締めておしまい。

次にカムチェーンテンショナーを固定しているシャフトのシール交換。このシャフトの固定ボルトは深いところにあるので、ロングヘキサゴンソケットを持っていないと届きません。ボルトを完全に緩めて引き抜いたのですが、カムシャフトのギアを固定している部分と長いボルトが干渉して、ボルトが引き抜けません。その影響か、シャフト自体が途中までしか引き出せません。

カムシャフトを外しました。外すのは簡単なのですが、このスプロケット部はカムギアとサブギアの2重になっていて、そのまま外すと中に仕込まれたバネの力で刃がズレてしまいます。外す前にサービスホールにボルトを差し込んで固定しておかなくちゃいけないところでした。

何のための構造かわからず、また構造も単純そうだったので興味本位でバラしてみました。が‥スプリングが出てきた時点でちょっと面倒なことになりそうだぞ、と後悔しました。

スプリングがビヨーンと飛んでいかないように細心の注意を払って2枚のギアを重ね合わせ(ここまでは手でできました)、シャフト部を傷つかないようにバイスで固定してワッシャーとスナップリングをかけて、そのままではズレている刃を合わせるためにボルトを立てなくてはなりません。どうしたものかと考えた結果、フックレンチをサブギアにかかるように加工して、力をかけながらボルトを通しました。いや、構造も知らずにバラすもんじゃない‥。

この構造、シザースギアという仕組みで、スプリングで動くサブギアを取り付けることでカムギアとドライブスプロケットの隙間(バックラッシュ)をなくし、メカノイズが低減するのだそうです。

さて、もうひとつのやらかし。カムチェーンテンショナーを固定しているシャフト、抜けない抜けないとグリグリやっていたら、スッポーン!と抜けてしまいました。ここも抜いてしまうとテンショナーがエンジン内で落ちてしまうので、シールが交換できる程度に抜くべきところなのですが‥抜けました。面倒なことになること確定。
シールの品番、91303-KF0-003。

シャフトが外れた勢いでストッパーからコイルスプリングが外れてテンションのかからないテンショナーになってしまって、これを組みなおすにはカムシャフトのドライブギアも外してカムチェーンをだるだるにした状態で組み込むような手順になっています。しかも車種専用の特殊工具も必要な箇所。面倒くさい。

面倒臭い時ほど急がば回れなんですが‥なんとか構造を理解して位置合わせして、シャフトを差し込みました。最初にシャフトが抜けなかったのは構造上引っかかるところもなく単純に潤滑の問題だったようなので、シリコンスプレーを塗布することで挿入が容易になりました。バラす前にテンショナーのかかりとかをイジイジして遊んでおいてよかった‥それが構造の理解につながりました。

ボルトでシザースギアのズレを固定しても微妙に刃がズレています。最終的にはカムシャフトホルダを締め付けることで押し付けていく感じ。

この構造のせいで、最初にカムシャフトをエンジンに載せた時点でEX・INのラインがきっちりと揃わないので、合わせて組んだつもりでもホルダのボルトを締めたら排気側が刃1丁分ズレていました。コワイ怖い。

組み付けおわり。

ヘッドカバーのガスケットがハマる溝、液体ガスケットのカスが残っています。もー、液ガスなんか使っちゃって‥と思ったら、液ガスを塗るのがマニュアル通りの正解のようです。うちの液ガス、NSRの頃に買ったモノ。何年モノだろう‥。

元気よくエンジン始動!走りに影響するパーツ組み替えたわけじゃないから変化はないと思うのですが‥あ、プラグ替えたか。

これでオイル漏れ治るといいなぁ。

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