GB250 キャブ張り付き対策

GB、キャブレターのバキュームピストンが負圧でエンジン側に張り付くという持病をもっています。エアクリーナーボックスから手を突っ込んで張り付いたピストンを押し上げてやるとカコンっと外れてしばらくは走れます。潤滑油やらシリコンスプレーやらをピストンに吹き付けてシュコシュコしたらさらにしばらく走れます。が、持病なので根本的な解決にはなりません。根本的な解決にはGB400の金属製のピストンと差し替えると良いということですが、さすがに30年も前にディスコンのモデルなのでモノがなくてなんともなりません。

走行中に張り付いた場合、クラッチを切ってレッドゾーンあたりまで回転を上げてやると、これでも一時的に解消していましたが、この日それでは戻らない張り付きが起きたので、根本的な解決に挑戦してみることにしました。

分解手順の備忘録。キャブの取り外しの前にエアクリーナーボックスを固定している5本のボルトを外します。ここと、

こことここと、

この2本。これでエアクリーナーボックスを後方へ引けるので、キャブをインシュレーターから外せます。

キャブそのものはそのままの向きで横に引き出しにくいのですが、キャブの収まっている空間でくるりと回転させてやると、取り出しやすい向きがあるので、適当な向きで取り出します。

この縦筋がダメなのだそうです。なんで縦筋だとダメなんだろう。

今回この縦筋を消すのと、バキュームピストンをコーティングすることにしました。

キャブのボディ側は軽くペーパーをかけてピカールで磨きました。

ダイアフラムを養生テープでマスキング。

プラスチック部分にコーティングするのは、モリドライスプレー5510。速乾で二硫化モリブデンの膜をつくるスプレーだそうです。モノタロウで2490円。

こんな感じ。薄く何回か塗装しました。この状態では艶消しなのですが、擦ると金属質になります。擦れたところとそうでないところの状態が明らかに違うので、しばらく使ってみて分解したら、キャブレター本体とどこか強く擦れているのかも判断が容易だと思います。
これ、隠蔽力も強いし、プラモデルのメタリック塗装にもいいんじゃないでしょうか?

組み戻しまで平日仕事から帰ってきて寝るまでの時間くらいでできる作業です。

効果の程は‥抜群に良い!翌日400kmほど走りましたが張り付きはゼロ。また、ピストンの動きが滑らかになったからか、パワーが増えたわけじゃないのですがレスポンスがとても良くなってパワーが上がったんじゃないかと錯覚を覚えるくらい気持ち良く回るエンジンになりました。

【2年経っての追記】
皮膜そのものは薄いので、耐久性があるわけではなくしばらくすると地のプラスチックが見えてきてしまいます。最初にこの塗膜をつくってから2年間で2回ほど塗り直しました。
厚く塗れば持ちも良いのかと試してみましたが、キャブレター本体とピストンのクリアランスがなくなるとピストンそのものの動きが悪くなって本末転倒でした。

結局だましだまし走っていますが湿気の多い状態で走ると発生しやすいように思います。今はCRC556のチビ缶をシート下に常備して、出先で張り付きが発生した場合はエアクリーナーボックス側からアクセスしてシューっとひと吹きして対処しています。

2 Comments

GB250 キャブレターメンテ | tsugataku屋.com

[…] 古い自分のブログ記事を参考にしながらエアクリーナボックスの5本のボル…、エアクリーナボックスを後ろに引いてキャブを抜き取りますが、車体から取り出そうとしてもいろいろ引っかかって抜けてこない。抜きやすい向きに回転させて‥と古い記事にあったのですが、どの向きだか覚えてないし。 […]

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