GB250 ステムベアリング交換

ステムのベアリングとレースの引っかかり、普通に走っている分にはそれほど感じませんが、8の字を切ったりするとバイクが素直に曲がろうとしないのでよく分かります。以前VTRを購入した時も最初に8の字切った時に「これじゃジムカーナなんかに使えないな‥失敗したかな」と思うくらいの気持ち悪さでしたが、ベアリング交換でとても素直なフロントの動きになりました。
このGBもフロントを浮かせてハンドルを切るとゴリゴリと引っかかるのでステムベアリングを交換します。

センスタを立てて木切れをフレームに当てて差し込むだけで、前後輪浮いています。

ヘッドライト・メーター・フォーク・ハンドルと外してステムをフリーにします。

最初、木切れ差し込むだけで前後輪浮いて‥と書きましたが、フロントタイヤを外した時点で後ろが重くなってリアが接地しています。前後輪外した作業をこの木切れのステーだけでしたい場合は、リアを外してからフロント、という順じゃないと難しいようです。

パク。年式なりパーツ。フォークブーツの亀裂は購入時点で気が付いていたので発注しました。モノタロウでGBの純正部品を購入できました。

フォークに被せる形のウインカーステーの裏側も年式なり。余談ですが、フォークブーツとこのフォークのインナーチューブに被せるカバー(上下はゴム部品でシール状態になる)のおかげで、GBのインナーチューブは点サビひとつありませんでした。NSRなんかだとサビなしインナーはもうほとんど期待できませんが、GB最終型、23年前のバイクとしてはとても優秀だと思います。

ハンドルやらブレーキ周りやらヘッドライト周りやら配線やら‥いろいろゴチャゴチャとパーツが溢れますが、これらを上から吊っています。車体から取り外さなくても作業が継続できるので便利。

トップブリッジを取り外して、ステムベアリングが出てきました。油分なし。これはひどい。

ベアリングレースを叩き出しているところ。

作業途中の様子。もともとNSRのエンジン全バラ整備ができれば良いや、と思って考えた広さのガレージなので本当に1台・おひとり人様専用、という広さ。

外したボルト類は工程ごとに百円ショップ製氷トレーに仕分けしています。今回の作業でちょうど全部の穴が埋まるくらいの数と工程でした。

今回の大ボス、ステム側のボトムコーンレースの取り外し。叩けば済むものですが、このレースの下になるゴムシールがもう廃盤で手に入らないため、ゴムを傷めずに叩き出せるか、が最大の攻略ポイント。

ゴムの下に薄いワッシャーが入っているので、それを叩いていくと、レースが動きました。イケそうな感じ。

外れた!

ワッシャーはクタクタになりましたが、これは新品があるパーツなので破棄。ゴムシールは再利用ができそうです。

※追記:あとから聞いた話なのですがこのゴムシール、レースと一緒に抜き差しせずに、レースがはまっている状態でも取ったり嵌めたりできるんじゃないか、ということです。

ステム側作業完了。

フレーム側のボールレースの圧入。ベアリングレースシールドライバーで叩き込めば楽勝、って思っていましたが、こちら側は姿勢も自由にとれなくてまっすぐに叩き込むのが難しい‥。

以前モトメンテナンス誌でこうやれば圧入できる、って書いてあったのを思い出して、シャフトを貫通させて上下をボルト締め。これなら圧入も楽勝♪‥と思ったら、これもフレーム内でレースが斜めになりはじめてうまくいかない。

結局フレーム側をヒートガンで温めてレースを叩き込む作戦に出ましたが、なかなか難しくて深夜近所迷惑タイムアウト。

1日で作業が終わらないことを想定して、もう1台入庫できるスペースを開けて作業しておいて良かった‥。5台のバイクのうち、セローは裏庭屋根下、VTRはハイエース、このガレージにNUDAとGBとGROM。

さて、やらかし案件。ボールレースを奥まで打ち込みしていない状態で仮組して、ステムシャフトがトップブリッジ上にあまり出ていない状態でボルトを締めてしまいました。ここ、1mmピッチのネジ山なのに100Nmくらいのトルクかけるところなのです、かかりが浅い状態だったのでサクっとなめてしまいました。先の貴重なダストシールのついたボトムコーンレースを取り付けたステムなので、捨てるのもやるせない気分‥ダイスを切ることもできない太さ‥。そこでネジ山修正ヤスリを買ってきてゴリゴリと修正をしてみました。

なんとかなるもんですね。ネジ山復活してナットがかかりました。修正してから中古パーツを見てみると、GBのステム、ヤフオクでは100円。わざわざアストロまで行って買ってきたネジ山修正ヤスリ、2000円‥まぁ、また使うこともあるか。いや、あんまり使う場面に出会いたくない‥。

やらかし案件その2。何度か叩いては外し‥を繰り返すことになったボールレース、外すために叩いていたら、割れました。相当硬い金属のようで、割れるときはパキ、カキーンという感じ。

前から突っ込んで事故したバイクなんかもステム内で折れていることがあるそうです。全くもって柔軟性のないパーツなんですね。

やらかし案件その3。カネゴン、1匹じゃなくて確認不足で実は2匹でした。ブーツは1つしか発注してなかったので、再度発注。

とりあえずパーツが入るまで、作業中断です。


翌日、部品到着して作業再開。ボールレースは速攻で冷凍庫へ。

フレームはヒートガンでしっかり加熱。あとは冷やしたボールレースを叩き込みで割とすんなり解決。最初からこうすれば良かった‥失敗してみないとわからないことではあるけれど。

ステムの動きがスコスコになって、別の乗り物になりました‥ものすごく素直に曲がる。ステムの動きって、コーナリングの要ですねぇ。

どうでもいいけど、GBのエンジン積んだセローが欲しい。

次は足だな。楽しくなってきたぞ。

3 Comments

通りすがり

多分、このままでも何の問題もないと思いますが、フロントアクスルを挿す向きが逆なのには何か意味があるのでしょうか?

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tsugatakuya

>とおりすがりさん
単純に慣れです。カラーの長さが違うとかクリアランスに問題がない場合は手持ちのバイク全部フロントのアクスルは左側から挿しています。リアも手持ちのバイク全台右から挿していますが、リアの場合はディスクブレーキの場合キャリパーのブラケットの保持が楽なので、という理由です。

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GB250 トップスレッド増し締め | tsugataku屋.com

[…] うちのGBは中古で購入した状態でステムベアリングの引っ掛かりがあったので、一度全バラしてレースから組み直しています。サービスマニュアルに従って組み直したつもりですが、ハンドルが動きが軽すぎるのが気になっていつか締め直してやろう、と思っていました。トップスレッドは専用工具のソケットで規定トルクをかけることになっていますが、流石にここはSST用意せずにフックレンチで締めました。「3.0-4.0kg-mで締める」「ステムを一度5回左右に振って馴染ませる」「トップスレッドを緩めなおしてあらためて2.0-3.0で締め付ける」「トップスレッドを1/8回転緩める」というのが正規の手順です。トップブリッジを外してみたら、トップスレッドナット自体は手で回せるくらいにユルユルでした。 […]

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