平野部で木曜日が雨、金曜日の午前中も山には雲がかかっていた週の土曜日の朝。起きられたら山に上ってみようかなと思っていたら、目が覚めてしまったので、ホイールをスタッドレスタイヤのものに組み替えてキャリパーを取り付けたら完了というところで‥あれあれ、ディスクがついてないよ‥。左右逆組みしていました。ダブルディスクだったらこのまま走っていたかも。タイヤのプロファイル的には問題なさそうなんだけど。
平野部には全く雪はありません。超えたら海が見えなくなる明石峠というその峠を超えてもまだ雪が全くありません。これは標高の高いところを狙っていかなくちゃだめかも、と昨年雪の量が多すぎて超えられなかった林道へ入ってみると、車の轍は一度融けた雪が固まってカチンコチン。雪はジャリジャリのバキバキ。走っていても楽しいとは言えない雪道になっています。ここで引き返そうかと思いましたが、せっかくなのでもう少し進んでみます。
雪を踏みしめて、というよりは硬い雪の上を舐めるように走る感じ。
自分が作る轍も、タイヤ痕こそつきますが、雪がほとんど凹みません。
標高が上がるにつれて雪は深くなりましたが、ザラメ雪です。ふわふわの雪も深くなるとそれなりに重く感じるというか前へ進むための抵抗になってエンジンがストールしてしまいますが、ザラメはさらに重く、雪が硬くてタイヤの食いつきも悪いのでローギアでタコメーターを見ると5000回転くらい回っているのにスピードは止まるかとまらないか、といった感じになってきました。坂道の傾斜によっては全然前へ進まなくなるので、バイクを降りて押して歩きます。雪がこの程度ならエンジンの力4、押す力6くらいの感じでとりあえずバイクが前へ進みます。
重い‥速度が落ち始めると気弱になって停めてしまいますが、上り坂で停めると再発進が大変。とはいうものの、これがフカフカの雪なら再発進時に坂の傾斜とバイクの軸線がずれているとリアが左右に暴れて真っ直ぐ進まないのですが、ここは雪が硬いのでタイヤが左右にはそれほど逃げません。なのでタイヤを空転させながらでも速度さえ乗せられればなんとかなりました。
今回学んだこと。抵抗はフロントタイヤが雪をかき分ける時に発生しているので、速度が落ちるとどんどんその力が無くなっていってやがて止まってしまいます。なので、速度をあげられるところで加速をしておいて、深い雪の中でも速度を落とさないようにエンジンを回してフロントタイヤが雪に刺さる力を維持して直進すると、結構勢いで車速が落ちずにそのまま前へ進むことができます。
リアタイヤはグルグル回ってあまり車体を前へ押し出す力になってくれていませんが、それでも無いよりはマシなので、回転数が上がろうが何だろうが、車体が止まってしまうまで諦めないのが寛容。
終盤、ブロックタイヤの溝に雪が詰まってスリック状になってしまった上に、タイヤは空転しっぱなしなので雪面にブロックパターンも残らなくなりました。
峠までもうすぐ、というところで全脚力と前へ倒れてしまいそうな角度で全体重をかけてハンドルを押してもタイヤが空転するばかりで全然前へ進めなくなってしまったので、ここが折り返しポイントになってしまいました。ザラメ雪がとにかく重いというか硬い。
また今年も峠を超えられなかった‥。
雪がどのくらい硬いかというと、この程度しかタイヤが埋もれていないのにバイクを直立させた状態でサイドスタンドを払っても倒れずに立っています。ちなみに前へ進めない原因は雪の深さだけでなくここが結構な登り傾斜だからなのですが、ニュートラルギアでこの状態でも、雪が輪留めみたいになっていてバイクが坂下の方へ下がっても来ません。
バイクの影の長さからもわかるように、まだ朝と呼べる時間です。家を7時半に出て2時間くらい走って帰宅しましたが、短いながらもあらためてこれまでに無いタイプの経験値が増えた雪山アタックでした。
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